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ウサギさん、ゲートキーパーはいつもゴリラ

 いくつもの扉を確認しながら奥へ奥へと向かう。

 機械関係の部屋が途切れると、研究員の休憩所と思しき場所や、ロッカールームと思しき場所などが散見され始めた。

 ついでに哨戒機械の攻撃パターンが一層殺意高めになってきた。


 基本俺に回避スキルを使わせ、フェイントからの俺のスキル終了から次のスキル発動までのタイムラグを付くような攻撃スタイルだ。

 今の所はまだこちらの方が早いが、徐々にピントが合い始めている。

 つまり、下手すりゃ俺の方が爆殺されかねないってことだ。


 何しろ人間の思考力より機械の計算力のが断然早いからな。

 ゆえに、フェイント等を混ぜつつ機械を混乱させながらなんとか撃墜数を重ねて深部へと向かっている状況だ。

 もう、遊びを入れる余裕すらなく見敵必殺で襲いかかっている。

 多分、一度でもミスれば俺は死ぬ。

 そのくらい敵の攻撃は激しくなっていた。


 何しろ気配殺してもすぐ反応して来るし、転移したら揺らぎを感知して転移場所に転移するタイミングめがけて射撃して来るからな。

 いろいろ回避パターン変えてなんとかだまくらかしているものの、そのパターンが固定化してしまえば死ぬのは俺だ。


 やっぱりこいつ等、学んでやがる。

 俺の思考パターンとスキル構成を機械全体で学習して俺の致命的な場所を攻撃して来るようになっているのだ。

 レパートリーが無数にあるからリキッドラビット化したりでまだ余裕はあったものの、回避系スキル持ち種族も底を尽き始め、スキルもほぼほぼ読まれ始めた。


 さすがにマズいとは思うのだが、ここから引き返すかと言えばそっちの方が危険だ。

 それに一度引き返せば学習済みの機械達に闘いを挑むことになり、俺は道半ばで殺されるだろう。

 つまり、クソジジイが待ってるだろう場所に辿りつくには今回一回こっきりの挑戦で向かわないといけない。


 想定外だ。もっと楽に辿りつくと思ったのにっ。

 通路を曲がった先にまた哨戒兵器。

 飛行型の四つプロペラを持つドローンタイプ。


 曲がり角の寸前で息を整え気持ちを落ち付ける。

 俺との思考タイムラグは既に向こうが上回っている。

 後はそれを読み切って零点零零何秒の域で相手より早く動けるか。


 無音歩行、隠蔽、並列思考、疾風怒濤。

 角から飛び出し突撃。

 即座に反応する機械。

 機関銃をこちらに向けてまず一射。


 物質透過 / 帯電


 絶え間なく撃たれる銃弾が俺の身体を貫通して行く。

 物質をすり抜けながら駆け抜ける。

 飛び付く瞬間、急加速でバックするドローン型。


 さらにレーザーを発射して俺を攻撃。

 壁を足場にさらに駆け寄る。

 疾風怒濤の効果が切れる。


 電光石火 / 風圧操作


 再び機関銃が火を吹く。

 再稼働までは銃身が冷えるまでの数秒。その合間を四隅に付いたレーザーが埋める面倒臭い相手だが、この位ならまだ何とか。

 機関銃の銃弾が風圧を受けて俺を避けるように壁にばらまかれる。


 身体が斜めに向けられ、三連のレーザーが時間差で襲いかかる。

 タイミング的には丁度物質透過が消える直前だ。


 瞬間移動 / 貫通しまーす 


 瞬間移動で消え去りレーザー三連撃を避ける。

 真上に出現した俺に中央にあった水晶体からの極太レーザー。

 身体を貫通して行ったレーザーが終わる頃、俺の身体はドローン型の中央に突撃。


 聖槍流星群ミーティアオブロンギヌス / 遅延時空、脱出!


 ドローン型の機体にしこたま槍を叩き込み。即座に機体を蹴って脱出。

 一瞬の沈黙。


 アクセラレート / 脱兎


 並列思考で同時に二つのスキルを使って脱走。

 先程まで居た角の奥まで逃げ切る直前、ドローン型が爆発。

 滑り込むように角に逃げ込む。

 爆風が一瞬遅れて壁に激突した。


 これだよ。機械は爆発するんだよ。

 しかも中盤過ぎたあたりから帯電スキルがあんまり効果無くなっちまったんだよ。

 耐電スキル持っとけなんて言って悪かった。そんなもん無い方が良いよっ!


 隙を見せれば銃殺。遅れれば照殺、機体を破壊すれば爆殺。

 まったくもって厄介な敵だよ。

 最後の自爆を避けきるまで手を抜けないってのがまた厄介だ。

 しかも倒す時に瞬間移動使わされるせいで逃げる時がまた紙一重になってしまう。


 瞬間移動か物質透過が再使用可能になるのを待ってるような時間もねぇし、下手に待ってたら増援が来るしで本当に手が抜けない。

 しかも放置して次に向かうと俺を追って来るし、一方通行なせいで挟撃状態で敵と闘わないといけない。


 つまり出会う敵全てを破壊しながらじゃないと先へ向えない。

 一度物質透過ですり抜けやってみたら背後から襲いかかって来やがったのだ。危うく二対一でぶち殺される所だった。

 前回囲まれた時は上手く味方殺しを誘発出来たからなんとか危機を回避できたけど。


 だが、なんとかここまで来たぞ。ついに、最後の部屋だ。

 まぁ、ゲートキーパーっぽいのもこの先に待ちかまえてるんだけどな。

 エコーロケーション使ってみたらさ、うん。広い部屋に待ってるよ。ゴリラが。メタリックと思われるゴリラが。別の秘密結社ダンジョンもゲートキーパー、ゴリラじゃなかったっけ?

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