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ウサギさん、それぞれの日常6

 クラスメイトたちの会合が終わった。

 最後の方は日本に帰りたいとか見てたテレビの話とか好きなアニメ、小説の話とかし始めてて、結構ストレス溜まってんだなーって思いました、まる。

 そういえば、裏切り者が出たりした場合のことについて全く話してなかったけどいいんだろうか? まぁ、あの感じならジョゼみたいのはもうでてこないか。俺に対してはヘンドリックが危険くらいかな?


 あいつら風呂入りたい。とか言ってたけどディアリオさん家の風呂使ってないのかね?

 確かに結構臭かったけど、アレは数日風呂に入ってないことによる臭いだったのか。

 現代人としては致命的だな。

 むしろ冒険者生活に慣れちまったのかね?

 真壁とかがとくにヤバかったな。あっちのチームは殆ど風呂に入ってないらしいし、コロアに居た時もカラスの行水だったらしいし。


 さって、今日はこれからどうしよっかな。ディアリオさんとこ行くとまた邸内疾走させられそうだから今日はボルバーノスさんにお譲りしておこう。

 走りまわるのは別にいいけど今日はなんか気分じゃないんだよ。

 折角だから散歩でもしようかね。


 誰が何処に居るかも把握しとこうか。

 皆思い思いに適当な場所に居るみたいだし。

 とりあえず町に繰り出すといたしますか。


 えーっと、今レッセン共和国にいるのは、シュリックだろ。ディアリオさんだろ。ボルバーノスさんだろ。後はクラスメイトと俺の女たち。

 確かユーリンデとチェルロは買い物行くって言ってたな。

 他のメンバーもいるかもだし商店街にでも顔出してみるか。


 ちなみにクラスメイトの面々も、会議が終わり次第方々に散っていった。

 もしかしたら道中会うかな? と期待してみたり。

 ディアリオ邸を後にしてレッセン共和国へと繰り出す。


 折角だし二足歩行しとこうかな。普通のウサギと間違えられないようにっと。えーっとバトルマスターラビットになっとくか。

 冒険者風に見せよう。

 魔法調節付き胸当て装備してー、剣装備……あ、鞘がねぇな。折角だし武器やで背負い式の鞘作って貰おう。


 んじゃ最初に寄るのは武器屋っと。鍛冶場でもいいけど折角だし武器もいいのないか見てみよう。名剣聖剣はあるけど手頃な剣が無いんだよ。

 お金は余ってるしちょっと散財しちゃおっかな。

 S級冒険者やレパーナ親衛隊に襲われる危険はないしー。あ、そうだったレパーナとスラ子もいたんだったな。あいつら何処行ったんだろ。


 俺は二足歩行でゆっくりと街を散策しながら武器屋へと向かう。

 行き交う人々が二足歩行で歩くウサギ見て思わず二度見したり、子供たちが珍しいモノ発見、とばかりに後ろから付いて来たりしている。

 おいこら。捕まえようとか聞こえてるからな。


「とりゃーっ」


 堪え切れずに少年が飛びかかって来た。

 当然転移で彼の頭上に逃げ、俺を捕まえられなくて空を切って驚く少年の頭の上に着地する。


「うわっ!? このっ」


 ふはは、まだまだ青いわ!

 頭の上に来た事に気付いて両手で捕まえようとした少年から飛び退き前方に着地。

 はーい、お尻ぺんぺーん。脱兎ぉっ。


「なっ。待てぇーっ!!」


 俺が逃げたのに気付いた他の子供たちが少年と共に走りだす。

 子供ってなんでこう小動物追いかけ回すんだろうね。

 ほいよ、角を回って瞬間移動。

 走る子供たちの背後に出現。


 わーっと走った少年たちは、角を曲がったところで俺が居ないと気付いてあれぇ? っと周囲を見回す。

 その真後ろをゆっくり二足歩行で歩き去るウサギさん。


「あ、ウサギさん居たー!」


「そっちか!」


「どうやってこっちに!?」


 ぬはは子供に遅れはとらんぜー。電光石火ーっ。


「あー、逃げたぁ!」


 って、おいおい、なんで子供が増えてんだ?

 お前らどんだけ暇なんだよ。

 つーかウサギ追いかけんな。弱い者いじめ、ダメ!


 ええい、疾風怒濤。

 なんでこいつ等追ってくんの!?

 一応俺追い掛けて迷子になられても困るから付かず離れず、何人か足の遅い子が遅れすぎないようにたまに転移で背後に周り、めっちゃ撹乱してるのに、なんでこいつ等疲れた様子無く駆けて来るんだ!?

 仕方ない、これ以上引っ掻き廻して子供たちが人攫いに遭っても困るしな。


 冒険者ギルド前で立ち止まった俺は、子供たちが追い付くのを待って装備を一新。

 タキシードにステッキ、シルクハットを纏ってふかぶかとお辞儀を行う。

 突然丁寧なお辞儀を行われた子供たちは、なんだ? っと急停止してお辞儀を返す。


 ほい、浮き上がる杖。

 ステッキが浮いてますよー。タネも仕掛けもありませんぜー。

 ステッキが宙を舞い、子供たちが驚きの声をあげる。


 次にウッドスタッフを取り出す。道具なら何でもいいんだけど殺傷力の無いスタッフにしたよ。

 こいつをシルクハットに入れてー。中の人消えまーす。


「ウサギさん、帽子に杖は入らないよ?」


 馬鹿でーとか少年たちが告げるが、次の瞬間、シルクハットの中へと消えていく杖にどよめきが起こる。

 って、おっちゃん、なに寄って来てんだよ。見せもんじゃねーぞ。見世物だけど。

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