ウサギさん、それぞれの日常5
―― ふむ、生存者については私から話そう ――
今まで俺関連ということで桃瀬たちに注視してくれていたディアリオさんが告げる。
皆もディアリオさんには一目置いているようで、突然の念話だったとしても驚くことなくじゃあよろしくお願いします。とか普通に会話していなさった。
いや真壁、普通に反応すんなよ。皆呆気にとられてんじゃん。皆じゃなかったな。こいつ一人だったわ。
ディアリオさんも唐突な参加で奇をてらったのに普通に返されて少し残念そうな念話になったからな。
―― まず、ここに居ないメンバーについてだが、ジョセフィーヌがシャコタン王国にいるのと、高藤桃瀬、九重西瓜、二階堂ロア、戒涙亞、河井稲葉、天竺郁乃、田代康弘、木下麗佳は魔族領だな。ちなみに、ライゼン、シエナ・ロスタリス、カラフサのリリーレンという冒険者チームと同行しているぞ ――
あれ? カラフサのリリーレンってどっかで聞いたことあるな。
「知り合い?」
んー、構成メンバー分かれば……?
―― 名前は確か、ダリス、ピーラ、シエスタ、ケストニー、トーナの五人だな ――
あっ。
「おい、ウサギがなんかやらかした顔してんぞ」
「多分既に襲ったメンバーだな」
「ん。そのメンバーならハーレントで襲った報告受け取ってる。世の中って狭いね」
そうだった。天音たちには伝えたんだったな。
しかし、そっか、ダリスたちはライゼンさんと一緒に行動してんのか。
「やっぱりジョゼはシャコタン王国に居るままなのね」
―― うむ。今シャコタン王国の女王となって治安維持を始めているな ――
「「「「なんでさっ!?」」」」
ディアリオさんの言葉にクラスメイトの声は見事にハモった。当然俺も念話でハモった。
え? ジョゼってジョセフィーヌさんだよな? 女王? 治安維持?
あそこの王子と結婚でもしたのか?
―― いや、なんか無血革命起こして王位簒奪したらしい。王族は地下牢に監禁されているな。もうすぐ公開処刑らしい ――
「「「「なんでさっ!?」」」」
やばい、ジョゼさんがツッコミどころ満載だった。
今度行くボザーク帝国は隣だし、家見付けた後でシャコタン寄ってみようかな? でも問答無用で駆除されそうだな。あの女クラスメイト監禁しようとしてたし。
よし、触らぬ神に祟りなし、シャコタン王国には行かないことにしよう。
なんか女王様プレイしたかったんだろう。好きにやらせておこう。
「それがいいと思うわ。こっちにちょっかい掛けて来るならともかく、ジョゼは何考えてるか分かんないし」
「君子、危うきに近寄らず」
イルラさんや、たびたび開眼と同時にぼそっと呟くのやめて? なんか意味を考えようとして皆が空白の時間作っちゃうから。
さて、ジョゼは放置の方向で、他の面子は魔族領だっけ?
「高藤チームに木下が入ってるのが凄いな。僕らから別れて何処に行ったのか不明だったからてっきり死んでると思ったんだが」
酷いな中井出。でも一人きりで消えたってならそう思うのも仕方ないか。
「木下さんって確かライゼンさんと一緒に行動してたんだよね磁石寺君」
めっちゃ追い詰められたよ。木下のスキル半端ないって。なんだよ重ね掛け可能な能力増強って。爺ちゃんめっちゃ強化されんの。下手すりゃ死んでたわっ。
「木下にそんなスキルがあったとはな。幸運値の上昇だけではなかったか」
「なんでスキル隠してたのよ木下さん。言ってくれてれば絶対活躍してたって」
「思うところがあったのだろう。適材適所な場所に拾われたようでよかった。それで、魔族領は問題ないのか? 磁石寺が言ってたが、オークなどの討伐の際魔族の力を見せられたのだろう? 確か、こちらのS級冒険者よりも強いとか?」
―― 今の所は大丈夫だ。まずそうならうさしゃんを送り込もうと思っている ――
俺、唐突に転移させられるの困るんっすけど。今回もS級冒険者に反撃をって思ったらセレスティ―アのいる牢屋に転移してたんすよディアリオさん。いえ、御蔭でセレスティ―ア助けられたから文句はないんですけど、ないんですけどね?
―― 文句が無いならいいではないか。丸く収まったな。次もよろしく頼む ――
察してっ!?
うぅ、俺はまたディアリオさん都合で転移させられるんだ。
いいんだいいんだ。ウサギさんなんてそんな扱いさ。
でも負けない。オイラ、今世は欲望のままに突っ走るって決めたんだもん。なんつって。
―― 一応現状を説明すると、だな。どうやら魔族がロスタリス王城に突撃を仕掛けメイドを拉致したようだ。これを皆で奪還しに向かっているらしい。魔族領に入ってすぐに村を訪ねたところ、人族の侵略だと勘違いされて村人たちに襲われ、魔族の村人に死傷者を出しながら逃走。洞窟に逃げ込み潜伏中だな ――
村人……S級冒険者以上の村人が居る村……か。S級冒険者に襲われた俺からして、凄いヤバい状況だったんだなぁって分かるよ。
多分だけどライゼンじいちゃんと木下いなかったら詰んでたな。




