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うさぎさん、姉さん浄化計画2

 走る、走る。俺の後ろを姉さんが走る。

 生まれてから一度も動いたことがない筈なのに、しっかりと俺の後を付いてくる。

 ドルアグスさん曰く、これがパーティーを組む効果らしい。


 人間同士では無理だが、魔物など、思考回路が弱い存在とパーティーを組むと、勝手に後ろを付いてくるのだそうだ。

 ド○クエか?

 仲間になりたそうな目をしている。とか?


 姉さんが普通に付いて来てくれるのなら問題は無い。

 洞窟についてはドルアグスの旦那に任せて、俺は姉貴と湖へ……だーいぶっ。

 ざっぱーん。と兎さんが飛び込んだ。

 後を追って姉兎さんも飛び込んだ。


 ぷは。とりあえず身体に付いたノミは水中に散ったぞ。

 ……よし、姉さん、体中のノミを……姉さん?

 海の中へと沈んだまま、姉さんが戻って来ない。


 あのー、姉さんや?

 姉さん?

 姉さ――――ッん!!


 しかし、姉が浮かんでくることは、二度と……

 すぅっとウサ耳が俺の目の前に浮かんで来た。

 なんだ? と眼をぱちくりしていると、姉兎が微動だにせずに浮き上がってくる。


 ……ああ、そう言えば、常時スキルなどはパーティー内で共有されるとかドルアグスさん言ってたな。

 つまり俺の覚えていた浮上が姉さんにも作用した結果、水泳のできない姉さんは溺れたけれど、微動だにしなかったせいで勝手に浮上した、と。

 水面に足元まで浮かびあがった姉兎を見て、俺はそんなことを思った。

 というか、なんかすげぇ強力そうな兎に見えるんですが……


 まぁいい、今のうちに洗ってしまえ!

 とりあえず布ッぽいモノ、うん、獣臭い腰布でいいか。

 う、獣臭ぇ。でも今の姉兎の臭いよりはマシだ。どうせ俺ら獣だし。


 と言う訳で、浮き上がった姉兎を水面から手を伸ばして拭き拭き。

 なんか、変な感じだなぁ。背丈より高い銅像でも磨いてる気分だ。

 姉さんや、ちょっとは動いてくれんかね? 無理か? うん、知ってた。


 とにかく必死に姉兎を拭き拭きしていると、ゆうゆうと森からドルアグスが戻ってきた。

 ドルアグスは俺を見付けるなり近寄って来て、周囲を見回す。


『ふむ。ダニやノミはあらかた片付いたか』


 ああ。なんとかな。残っていたノミも全身を浸からせてやることで逃げていったよ。


『ここの泉はそういう微生物を殺すことができるからな。我がそう仕向けた』


 ほっほぅ。つまりここには居ればノミやダニが付いたとしても綺麗になる訳か。


『我が嫌いだったのでな。眷族達も媒介者にならぬよう泉にそういう魔法を掛けておいたのだ』


 ドルアグスさんマジぱねぇ。


『洞窟の方は焼却しておいた。少し温度を上げ過ぎたが、まぁ戻る頃には冷えているだろう』


 おお、ありがとうございます。

 よーし姉さん綺麗にしたら二人で戻るかね。

 さらにごしごしこすっていくと、布の汚れが落ちて姉さんの毛が汚れ始める。

 ……あれ? 逆じゃね?


 そしてしばらく、ウサギさんは綺麗な布を手に入れた。

 あっれーっ? 


『ぶふっ。さすがアホの子』


 そんな、こんなはずじゃ……

 仕方無いのでもう一つの獣臭い布を使う。綺麗な腰布が二つになった。

 そして、姉さんは獣臭くなった。


 違うんだ! 俺はこんなつもりじゃなかったんだ!

 なんでこんなことに?

 姉さんはただただされるがままに口だけをもごもごしていて、微動だにすらしなかった。


 一応、ダニなどの温床にはならなくなったことだけでも儲けものと思おう。

 まさか姉さんが獣臭くなってしまうとは思わなかったが。

 まぁ、今までよりはマシになったしいいか……う、獣臭っ。


 これはやっぱダメだ。

 何か方法は……

 ドルアグスのダンナ、何かいい方法ないっすかね?


『ふむ。果実で身体を洗ってみてはどうだ?』


 おお、果実浴ですね。その後で湖に落下すれば多少はマシか。

 陸に上がってドルアグスの旦那の元へ。

 姉兎も動くたびに落下してぼちゃん、その後に浮上を繰り返して俺の後ろへと上陸する。


『これでどうだ? ストロングベリーの実だ』


 イチゴの実かぁ、イチゴ……え? ストロング? ストロの間違いでは?

 ドルアグスがアイテムボックスから出したのはオレンジ色のイチゴだった。

 とりあえず言われるままに押しつぶして姉さんの身体に塗りつける。

 意外と硬いなこの果実。

 果肉がストロングってことか?


 うん、匂いはストロベリー臭だ。獣臭さと混ざってなんか凄いことに。

 それでもしばしの間塗り塗りしてから湖に投げ入れる。

 浮上して来た姉さんを丸洗い。

 よし、これでどうだ?


 臭いを嗅いでみれば、フルーティーないい香りが漂った。

 よし、いい感じで仕上がった。

 これならしばらくはいい香りが続くだろう。枕代わりに良さそうである。


 俺はドルアグスに別れを告げると、姉兎共々洞窟へと戻るのだった。


 ----------------------------------------


 種族:サイキックラビット・シロウサギ

 二つ名:雑草ハンター・ハイエナ・ヤリ逃げ犯・アホの子/状態:発情

 Lv:6  HP:183/183 MP:62/62 TP:60/60

 所持ストロ:3962000

 経験値ストック:5

 技スキル:咆哮/連打/シュート/飛び蹴り/ドロップキック/回し蹴り/掌返し/疾風怒涛/魔素取り込み

 マジックスキル:親指消えまーす/中の人消えまーす!/ステッキから花/貫通しまーす/隠すと増えます/何処からでも出ます/連なって出ます/人体切断マジック/ボックスマジック/浮き上がる杖/空飛ぶウサさん/脱出/カードスラッシュ

 魔法スキル:魔力弾/魔力盾

 盗技スキル:盗む/強奪/魔法で盗む/マジックスティール/乱れ盗む/連続盗み/HPを盗む/MPを盗む/TPを盗む/心を盗む/パンツ盗む/ブラを盗む/知能を盗む/視界を盗む/気力を盗む/状態異常を盗む/スキルを盗む/お金を盗む/

 常用スキル:ステータス表示(Lv2)/変身/索敵(Lv1)/根性/身代わり/不退転/勝利の雄たけび/魔力視/魔力吸収/魔力変換/身体強化/拉致(Lv2)/経験値手動割り振り

 耐性スキル:毒耐性(Lv2)/麻痺耐性(Lv1)/腐食耐性(Lv1)/魔力耐性(Lv1)

 常時スキル:危険察知(Lv2)/忍びの一撃/雑草魂(Lv1)/死者への誓い/くいしばり/魔力回復・極小/水泳/浮上/木登り(Lv1)/壁昇り(Lv1)/着地上手/テクニシャン/絶倫/異種間性交・可/生殖器最適化

 種族スキル:粗食耐性/脱兎/病気弱点/ぷにぽよん/擬態

 加護:麒麟の加護/系統樹確認

 不要:カードスラッシュ/スプーン曲げ・微/カードを切る/飛び跳ねる/百面相/予告状/破壊音波


所持品

草類

 薬草×29、薬草(毒)×8、薬草(麻痺)×9、薬草(沈黙)×34、薬草(腐食)×3

 毒消草×8、麻痺取草×8、雑草×3、即死草×20

肉類

 蛇肉(毒)、虫肉×8、ゴブリンの肉×18、鹿肉

 オークの肉、豚頭、犬肉、豹肉、熊の手、熊肉

毛皮類

 ホーンディアの毛皮、グリズリーの毛皮、豹の毛皮、コボルトの毛皮、ブラックコボルトの毛皮、

 臭い腰布×12、綺麗な腰布×2

武具類

 緑の小さな鎌×8、棍棒×16、ホーンディアの角、青銅の槍

装飾品

 熊耳カチューシャ、豹柄Tシャツ、タキシード、蝶ネクタイ、シルクハット、ステッキ、赤いハンカチ

その他

 魔石×2、魔石・極大、ポイズンスネークの尾、進化の種、退化の種×999、ミニチュアハウス

ゴミ

 虫の羽×8、???からの手紙

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