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ウサギさん、貴族邸にて皆と合流

 ディアリオさんに土下座して再転移。

 ディアリオ邸じゃなかった。ディアリオさんのご両親の貴族邸に到着。

 いやー、二人揃って歩けないくらいになってたもんで、直接送って貰っちった。


 やべーよセレスティ―ア。

 どう頑張っても相打ちがやっとです。

 シャレにならん位にフクジョウシという言葉が脳裏にちらついたよ。こいつは魔性の女だよ。

 そりゃ国盗り行うくらいに悪女なら傾国美女としてテクニシャンくらい持ってるよ。スキル確認したけど誘惑系スキルめっちゃ持ってた。


 なんで寝屋事スキルあんなに持ってんだよ。正直勝てるか!

 いや、まぁ負けはしなかったけども、危うく奴隷への命令を告げる所だった。それを行っていたらいろんな意味で俺の負けでした。危ない危ない。

 とりあえずディアリオさんがこっちで待ってるらしいから向かおうか。

 皆の居る場所に送ってくれればいいんだけど、急に目の前に現れるよりはドアから来てほしいからとかいう理由でディアリオさんの部屋に転移させられたんだよ。


 当のディアリオさんは皆の居る場所に集まっているらしいので、俺たちはわざわざその部屋に向かわないといけなくなった。

 誰もいないからセレスティ―アと二人、生まれたての小鹿のように歩いて行く。

 さすがに頭の上に乗る訳にもいかないな。セレスティ―アも死に体だし。


「参ったわ、私のテクニックでオチると思いましたのに……やりますわねうさしゃん。並の男達なんて貴方に敵わないですわよ」


 そりゃどうも。

 ヤバいかもとは思ってたけど、あんたはマジにヤバかったよセレスティ―ア。


「ふふ、でも、今回で終わりではないですわよ。だって、私を奴隷にしたのはあなたですもの。ちゃぁんと毎日面倒見てくださいまし。必ず私に夢中にしてさしあげますわ。その時が、楽しみですわね、ふふふふふふ……」


 ひぃぃ、なんかいろんな意味で怖いっ。

 こいつぁただの女狐じゃねぇ、九尾クラスの傾国狐じゃーっ。

 出来れば返品致したい。でも自分で神前契約しちゃったもんな。

 畜生、命がけで闘うしかねぇ。自分の得意分野で命がけとか割りに合わねぇよ!


 ディアリオさんの待つ部屋にようやく辿りつく。

 二人とも尺取虫みたいな動きなのは許して欲しい。

 セレスティ―アが扉を開き、俺を先に促す。

 一応奴隷身分なので俺を先に行かせるのは当然らしい。


 くぅ、このバッドステータス物凄く面倒臭いな。通常の回復魔法じゃ回復しないのが地味に辛い。

 ただ腰痛になるだけなのに、歩けないとか……

 おお、チェルロ、さすが俺のメイドっ!


 俺の姿を見た瞬間、チェルロがやって来て俺を抱き上げる。

 そのままユーリンデの元へと連れて行かれると、チェルロからユーリンデに俺が手渡され抱きしめられた。

 そこに集まってくる女性陣。ふはは、もってもてやでー。これがS級冒険者どもから命がけで勝ち取った勝利の美女じゃーっ。


「貴方、心配したんですよ。S級冒険者の群れに襲われたとか」


「ごめんね磁石寺君、私、役に立ちたかったんだけど……」


 ユーリンデに抱きしめられていると、天音がやってくる。

 いや、お前が謝る必要ないからな。

 そもそもS級冒険者に依頼したそこのガロワが悪いんだし。


 俺の念話で諸悪の根源がわかったらしい、皆が一斉にガロワに視線を向ける。

 当のガロワは困った顔で禿げあがった頭を掻いていた。

 この野郎、謝る気も無しか。


「S級冒険者でも勝てなかったか……俺の心配は現実になっちまったらしいな」


「ガロワさん、どういうことです!? 場合によっては夫への被害届を出させていただきますよ、これでも名誉侯爵ですし、私は公爵位。分かりますよね?」


「だぁ、もう、あんたらに説明しても理解出来るか不安だからしたくねぇんだよ。これはウサギに襲われてない状態の正常な判断ができねぇと聞いても意味ねぇしな」


「だぁう」


 ―― 私が聞いている。迷わず話すがいい ――


「だ、そうよ?」


 美与の促しに溜息吐いて、ガロワは告げる。

 何故かガロワとその後ろにリクゥーとコルトエアが所在無げに座り込んでいらっしゃる。二人とも居場所がなさそうで困った顔である。

 まぁ、二人とも俺を殺しに来ていたS級冒険者だもんな。そりゃここに居づらいわ。


「うさしゃんの実力はお前さん等もご存じの通り、今やS級冒険者も凌ぐほど、俺が闘った時もA級冒険者じゃ絶対に勝てない実力なのはわかった。それだけならまぁ、放置でもよかった。このうさしゃんはな、女性を襲うんだ。本人の意思もだが、それに関係なく発情のせいで近くの女性を襲うらしい。ただ襲うだけじゃない。襲われた女性はウサギ好きになる。何故かは、女性陣がよく分かっているんじゃねぇか?」


 女性陣が困ったように視線を背ける。

 おい、誰か反論しろよ。顔赤らめてる場合じゃないでしょ!?

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