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ウサギさん、想定外の説得者

 眠い。面倒臭い。このまままどろみながら死んでしまいたい。

 そんな思いが錯綜する。

 でも、俺自身は死ぬ気はない。なのに思考に死にたいやら殺されてしまおうやらネガティブ思考が流れ込もうとしてくる。


 必死に抗いながらステータスを確認すれば、この意味不明なネガティブ状態の理由がわかった。

 二つ名:怠惰の王。

 説明欄には七大欲王の一人。数千年に一人、世界に出現するワールドエネミー。とか書かれている。

 なかなかに酷い種族のようだ。パンデミック・ラビット。ゾンビラビットの進化先だったから、まさかと思ったけど、やっぱりバイオでハザードなゾンビパンデミックだったか。


 しかも怠惰の王とかいう二つ名が付いてしまい、世界の敵認定されてしまった。

 怠惰の王になると思考回路が怠惰になるらしい。

 つまりネガティブ思考は怠惰の王特有って奴らしい。

 ざけんな。俺はネガティブじゃねー!


 ずーっと耳元で一緒に死のうぜぇーとか言われてる気分だ。

 これはさすがに嫌になる。

 S級冒険者達もいなくなったしそろそろ解除した方がいいか?

 いや、まだレパーナ親衛隊が無駄に頑張ってるからこの場から動かない方が良いだろう。


 狒狒爺が無駄に強過ぎるのが問題だな。

 バルバッツも近接なのに木を引っこ抜いて投げ槍のように投げて来るし。

 まぁ、俺は既にゾンビどもに紛れて隠蔽、からの擬態で森の中に潜んでるから攻撃は来ないけどな。


 でたらめに投げるバルバッツや、俺を探すタマがいるのでさすがに動けない。

 下手に動いたらバレてしまう。

 なのであいつらが居なくなるまで解除は出来ない。

 というか、ここで解除したら俺がゾンビウイルスにやられたりするんだろうか?

 生み出しといて寄生されるとか自爆じゃねーか。


 クソ、下手に進化退化で別の魔物に成れないな。

 とりあえず経験値挿入でレベルを10まで上げとこう。これで進化が……できねーわ。最上位クラスだった。

 そりゃワールドエネミーなんだし最上級種族に決まってるわな。

 感染範囲が13メートルに上がっただけだった。レベルと連動してんのか? それもそれでヤベェな。


 進化退化は使えるのでいつでも別種族には成れるけど、種族スキル、パンデミックZがどうなるかが不安だ。

 だから下手に別種族に成れない。

 自滅だけはしたくないからな。

 最悪ディアリオさんたちに防壁して貰ってから進化すればいいだろうか?

 鉱物系ラビットかリキッド系になった方が良いよな。普通のウサギよりは生存率が高そう……


 あ、ダメだわ。

 あそこのスライム普通にゾンビに感染してやがる。

 あ、ガルエルトさんが感染した。

 疾病無効スキル持ってても感染すんのか、やべぇんじゃねこのスキル?


 不死者のはずのパリトンも倒れた後にはウォーキングデッドの仲間入りだ。

 アンデッド系までゾンビ化させんのかよ。そりゃワールドエネミーだわ。

 俺、なんかすっげぇやべぇ種族に進化したんじゃね?


「くぅ、撤退、撤退じゃーっ」


 狒狒爺が悔しげに叫ぶ。

 そして魔物達を下げたあと全体魔法をしこたまブチ込んで来た。

 味方の魔物達が爆炎に巻き込まれ、凍らされ、粉微塵に切り裂かれ、土に包まれ消えていく。


 うっわ、やっべ、なんだあの魔法の連射。

 これが狒狒爺の本気か。秒単位で大魔法が襲って来たぞ。

 こりゃ巻き込まれたら生きていられんわ。


 当然のように爆心地からは移動済みである。

 さすがにあんな場所に何時までもいたら今みたいに範囲魔法連射で殺されかねんからな。

 その場で眠りたいという謎の欲求に逆らって必死に逃げたかいがあった。


 御蔭で俺は安全地帯から奴らの撤退を見ることができる。

 森に引いて行く狒狒爺たち。

 残ったゾンビたちは……いないな。何気に全滅しちまった。

 ワールドエネミーっつっても最強って訳じゃないらしい。

 知恵と工夫で普通に討伐されそうだ。


 今は逃げ切れたことを喜ぼう。

 一先ず体力回復に努めないと……


「うさしゃんっ」


 一息ついた瞬間だった。

 ありえない声が聞こえた。

 声の聞こえた方向を見る。


 息を切らせ、必死に駆け付けた様子のリアがいた。

 リ……ア?

 なんで? なんでリアがここにいる!?


 ―― ようやくしっかり話せるわい ――


 うわっ!? なんだ? この声、初めて聞くけど、何か怒りがフツフツ湧いてくるっ!?


 ―― このヘリザレクシアを管理しとる、ザレクと呼ばれとる神じゃ ――


 神? じゃあ、こいつが、こいつが元凶かッ!

 怒りを覚える俺。しかし、そんな俺の身体を抱きしめるリアの姿に困惑と共に怒りが霧散する。

 結局、なんでここにリアが?


 ―― 儂が連れて来た。安心してよいぞ。今儂の加護を与えてゾンビ化を防いでおるからな。お前さんと会話するのに冷静に話し合うために呼び寄せたんじゃ。お主、儂だけだと絶対に話しきかんじゃろ ―― 


 そりゃ当然だ。一番憎い相手として認識してるからな。

 リアをこんな危険な場所に連れて来たことも含め、お前神とか言ってるけどマジ外道だからな。 

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