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うさぎさん、狒狒爺マジ強ス

 いや、無理だろ!?

 なんだその連続全体攻撃って。死ぬわっ! 逃げ場なさ過ぎて死ぬわっ!

 今の所魔力盾使うことでなんとか受け切れている。

 ディスターバンスで魔力を撹乱させて弱らせ、対応する魔法で消し去り、それでも無理な全体攻撃を魔力盾で受け止め魔力吸収で少しずつ吸収。

 可能であれば風圧操作で俺を避けるように風を動かしてやる。


 これでも徐々に体力が減らされている。

 一撃一撃が高火力なので完全に打ち消せないのだ。

 たしかに、こんな連撃くらったらボルバーノスさんだって倒れるよ。


 しかしどうする?

 このまま防御し続けるのは緩慢な死だ。

 かといって仕掛けるにしても格上の狒狒爺相手に生半可な奇襲は通用しない。


 中の人消えまーすとどこからでも出ますに暗殺技術を突っ込めば奇襲自体は可能だ。

 上手く行けば首狩りが仕事して即死させられるかもしれない。

 でもこれ、試合だから。殺しちゃダメだから。


 といってもやれることって言ったらそれくらいだよな。

 他の行動はどう頑張っても連続広範囲攻撃にさらされ即死する。

 やるなら一撃必殺。

 問題は狒狒爺に当っても回避される可能性だ。

 今まで通りインパクトの瞬間逃げられたら確実に詰む。

 いや、待て、一度避けられるのを確定として二連撃にしてみるか?


 どうせ負ける可能性の方が高いんだ。やれるだけやってやろうじゃねぇか!

 行くぜ、電光石火、アクセラレート、死者への誓い、巨人殺しジャイアントキリング、中の人消えまーす、何処からでも出ます、遅延時空、アイテム装備、ロンギヌスッ!!

 行くぜぇ!!


 一瞬の消失、からの翁の真後ろに出現。

 ロンギヌスを思いっきり投げつける。

 チッ、やっぱり避けやがった!


「ふぉっふぉっふぉ、甘……!?」


 振り向き俺を視認した狒狒爺が言葉を告げた瞬間、瞬間移動で背後に出現。

 再び背後を取った俺は即座にスキル発動。

 聖槍流星群ミーティアオブロンギヌス


「く、おぉぉっ!!」


 嘘だろッ!?

 若干焦ったようだが、高速移動で俺の必殺を完全回避しやがった。

 さすがに元の場所に戻る余裕はなかったようで、かなり離れた場所で息を荒くしながらこちらを見ている。


「こ、こりゃ、老人なんじゃぞ! ちっとは労わらんかい!」


 労わるような老人じゃないでしょうが!

 あんたどう見ても俺より強いだろ。老人とかの理由で手抜きしたら普通に死ぬわっ!

 クソっ、奥の手使っても避けられるんじゃ本気で打つ手ないぞ!?

 ディアリオさんヘルプミー!


 ―― 試合くらい一人でやりたまえ ――


 ごもっともだ!?

 畜生、もはや打つ手ねぇよぅ、最終奥義ディアリオさん召喚も不発に終わっちまった。

 残ったスキルで勝てるやつなんて……意識を盗むくらいか?


 よし、や……

 次の行動に移ろうとした瞬間だった。

 掌をこちらに向けた狒狒爺を認識した刹那、俺は強烈な衝撃を受けて地面に墜落していた。

 落下ダメージ入りそうだったので慌てて着地上手で地面に降り立つ。

 だけど、HPが既にくいしばり状態に入っている。

 まさかの一撃で瀕死、というか即死とか……


「むぅ、手加減した一撃で瀕死、いや、既にくいしばりが発動してしもうたか!?」


 狒狒爺も俺の紙装甲の酷さにさすがに目を見開く。

 まだまだ闘う予定だった彼はこれ以上俺を攻撃したら死ぬと察して残念そうに降りて来た。


「なんじゃ、先程の連撃は目を見張るものがあったんじゃがの。二撃で死ぬのでは下手なことができんではないか」


 紙装甲ですが、何か?

 だから言ったじゃん、俺弱いよって。

 ここに居る面子でも、必中スキル持ってたら俺負けるんだからな。

 マジ雑魚も雑魚よ?


「これは、加護は死ににくくする方向の方がよさそうじゃのぅ」


 マジで、死ににくくできんの?


「バルバッツ、そちらのお嬢さんに与えたスキル与えてやってくれんかの」


 と、言う訳でサイクロプスのおっさんから肉体強化、反射神経、自動反撃、腕力強化、怪力、力溜め、危機予測、危険予知、防御強化、超再生、巨人の矜持のスキルを加護として貰った。

 天音がお揃いだね、と嬉しそうにしてたんだけど、お前も貰ったの? このスキルと同じスキル? 脳筋スキルだよこれ?


 聞いた話によればこのスキル貰った事でパリトンという名のガイコツ騎士を天音が倒しちゃったらしい。守護者並みに強い奴を手加減状態とはいえ後衛が肉体言語で倒したのかよ!?

 お前、見掛けに寄らず脳筋だった……ひぃっ!? 何も、何も思っておりませんよ?

 もふりたい? はい、只今参りますっ!


 なんか凄いプレッシャーを感じたので俺は急いで天音の膝に飛び乗る。

 大人しくその場でまるまりされるがままにもふられるのであった。

 あかん、脳筋云々は天音に禁句と覚えておこう。なんかこう、雑巾絞りされるように身体全体ねじ切られる予感しかしねぇっ。

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