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ウサギさん、レパーナの森4

 ―― レパーナ、うしろー ――


 ボルバーノスさんの念話と共にレパーナが振り向く。

 そんな一人後ろを振り向き続けるレパーナを見守りながら、俺とお猿の爺さんは和やかに話を弾ませていた。

 おもにドルアグスの旦那に出会った話をするだけで盛り上がった。

 共通の知り合いの話は結構盛り上がるのである。


「良き話であった小さき者よ。ドルアグス様も壮健そうで何より」


 途中から普通にドルアグスさん混ざって来たんだよね。

 二人の昔話になり始めたので、へー、ほー、と相槌打つしかすることが無くなってしまった。

 途中からはドルアグスさんの昔の栄光を聞くだけになってしまっていた。


 ―― ウサギー。言うの飽きたーっ ――


 ボルバーノスさんが飽きてしまったらしい。

 とりあえず他のメンバーにお願いするように伝えてみる。

 こっちはもう少し掛かりそうなのでよろしくっ。


「レパーナさん、うしろー」


 ボルバーノスが伝えてくれたようで、皆が口々に告げ始める。

 って、後ろ振り向いた瞬間次のうしろーが言われるとレパーナ困惑するだろ。

 ほら、どっち振り向いて良いか分からなくなって頭から煙で始めてるぞ。

 お馬鹿なんだから同時に二つのことさせちゃダメだぜ。


「しかし、お嬢は一体何をしているのだ?」


 あー。ネタは知りませんか。今はもう見れる機会も殆どない有名なネタなんすけどね。

 後ろに俺が居ると思って振り向いてるんですよ、あれ。


「成る程、だが、小さき者はここにいるだろう?」


 レパーナは気配察知できるんすか? 


「そういった初期スキルは全て叩き込んだ」


 なら、ボルバーノスに言われて俺が後ろに居たから、今もきっと後ろと言われたなら後ろにいるんだろう。と信じて振り向いてるんじゃないかなぁー。


「なんと純粋な。そんなお嬢様を弄ぶでないわ」


 じゃあ俺がここに居ること伝えますか?


「……もう少し、見ておくか」


 レパーナの姿面白いもんね。見守ってる魔物達もほっこりしていらっしゃる。

 素直に振り向いて俺が居ないからおかしいなと小首を傾げながらもまた後ろといわれるから振り向く、を繰り返す。

 さって、どれくらいの時間放置しとこうかなー。


 それからしばらく、皆が飽き飽きしはじめて来たので仕方なくここで終わりにすることにした。

 ほーらウサギさんはこっこだよー。

 丁度レパーナの側面に躍り出た俺。気付かずレパーナは前に後ろに身体を向けて遊んでいる。

 しばらくじーっと見つめていると、はっと、気付いたように俺に視線を向ける。


「後ろじゃねぇーじゃねぇか!?」


 呆れた顔のウサギさんを見て顔を真っ赤にするレパーナ。ボルバーノスを見てがるると威嚇しながら叫ぶ。


 ―― 僕じゃないし、ウサギだし、ウサギがこうしろっていったんだしーっ ――


 がるると視線を向けて来るレパーナ

 待て待て、最初にやったのはボルバーノスの旦那だよ!

 再びがるると視線をボルバーノスに向ける。


 俺じゃない、僕じゃない。

 再びループに入ったレパーナさん。

 どうしよう、彼女残念過ぎる。


「ええいっ、もうどっちでもいい。どっちも殺せば問題ないだろ!」


 あっれーっ。なんだこの短絡的思考。

 有無を言わさず突撃してきたレパーナ。

 うん、背丈が低い俺に対して対人戦仕掛けても当らんってば。


 埒が明かないと思ったのか、バック転しながら距離を取って背後に居たボルバーノスへと突撃。

 なんで僕まで!? と叫びながら立体機動で俺の元へと逃げて来るボルバーノス。

 ちょっと、なんでこっちくんの!?


 ―― ほら、あっちいると皆に迷惑掛かるでしょ! ――


 絶対理由違うよな! 旦那、絶対俺になすり付ける気満々だろ!


 ―― うるせー、お前の相手だろーっ ――


 本音出しやがった!? ええい、そういうことなら俺もヤッてやんぞ! その糸吐き出る穴洗って待ってろよ!


 ―― 落ち付けっ! マジ止めろ! 僕はもうそっち系じゃないんだよっ! 畜生、こっちだレパーナ! ――


 俺の視線を見たボルバーノスの旦那が軌道を俺から離れる方向へと向ける。

 あれ? 俺の視線に本気度感じちゃったの? いやだなぁー、嘘だよ。嘘っ。

 あ、ちょっとマジに取らないで! 冗談なんだってば、俺そっち系じゃないから! ボルバーノスさん? あの、ちょ、ボルバーノスかむばーっくっ!!


「くっそ、ちょこまか動きやがって! オルァ!」


 思いっきり跳躍してからの拳の一撃。

 バンジーのように一瞬で真後ろに飛び退くボルバーノス。

 そして地面に拳が当り、地面が爆散した。


 ―― あっれぇ!? 破壊力が抜群だ!? ――


 やべぇ、流石に頭は弱くても腕力は守護者のそれだった!?

 これは遊びすぎたらマジ殺される感じじゃないっすか?

 汗をだらだらと流し出すウサギさんとでっかい蜘蛛さん。二人揃ってこれ以上ボケるのやべーんじゃね? って視線を合わせあうのであった。

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