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うさぎさん、エリスエールの森5

「テメェらアタシに反旗翻る意味わかってンだろォなァオイ! 全員歯ァくいしばれ、泣きわめこうが逃げだそうが一人残らず撲殺してやるからそこ直れッ!!」


 言ってることがむちゃくちゃだ。

 これはかなりガチギレモードですな。


「うわぁ、エフィカさん、なんかでっかいもふもふ犬が空飛んでるんですが」


「ああ。物理攻撃だけであそこまで圧倒的なのか……」


 現状千を超す小動物系魔物相手に拳無双しているエリスエール。

 たまに巨大なもふもふ犬とかも居るのだが、殆どの魔物が天高く飛んでいらっしゃる。

 掬いあげるアッパーカット喰らったミナミコアリクイ君がきりもみ回転しながら10メートルくらい上空に吹っ飛んで垂直落下。

 地面に埋まって消失していった。


 うん、やっべぇや。

 あんな一撃喰らったら俺も天のお星様にされそうだ。いや、地面に埋まる方が先か。

 蹴りも凄い。

 掬い上げる蹴りは同じく空への往復切符。

 戻ってきた先は地面の中だ。


 横の蹴りは一直線。

 背後の魔物たちごと一掃される波動砲のような一撃だ。

 エインシェントトレントの直ぐ横を吹っ飛んで行くのが見えた。

 なんか凄い想定外って顔してるなトレントさん。


「くっ。なかなかやりますな。だが、物理無効化フィールドにさせていただきますぞ」


「っ!? なんであんたがエリアフィールド特性を!?」


 うひゃぁ!? 今なんか全身が水に浸かったような変な感覚が!?


 ―― やるじゃんあのトレント。既に森の守護者としての力は持ってるみたいだ ――


 知っているのかボルバーノス! おっと、さん付けしなきゃ。


 ―― 今更過ぎるよね? まぁいいけど。えっとね、守護者は聖樹に溜まっている魔力を使って森の中の特性を変えることができるんだよ。といっても魔力を常に消費してしまうから緊急時以外はあまり使われないけどね。余程魔力飽和地帯とかなら魔法無効化フィールドにしたり、毒霧地帯にしたりと自分好みの森に変えれるんだよね。僕としても魔力さえあり余ってくれていればもっと過ごしやすい森にしてるんだけどなぁ、下沼地にしちゃえば人間達も二の足踏むでしょ。僕糸の上伝ってればいいから地面降りないし ――


 確かにぬかるみだと足を取られるから人間たちは敬遠するかもしれないっすね。


 ―― だっしょ。侵入者が少なくなって過ごしやすくなると思うんだよ。でも森自体の魔力が無くなるとマズい状態になるからさ、森が枯れたりとか。だからここぞという時だけ使うんだよ。通常状態で人間達に襲われた時とか、森を物理無効に変えて相手の攻撃を封じたり、ね ――


 魔法特化型なら魔物側には被害が無いから有効過ぎるな。

 成る程森と守護者の関係ちょっとだけ理解出来た気がする。

 出来れば後で守護者のなり方とか維持の仕方とかやっとかないといけないこととか教えてください。

 守護者になるかどうかはともかくなった場合はアボガード達に教えて代行者お願いしたいし。


 ―― 森守る気ゼロだねチミ ――


 えぇーっ。森守る気満々っすよ。

 出来ればほら、城とか町を中心にして森をね、そんで街の中に女性達を囲って……ほわっ!?

 会話の途中で俺はギリギリで避ける。

 流れ弾よろしく飛んで来たチワワがすぐ側を通過して行った。


 ―― ちょ、ここまで来るか!? ――


 だいぶ見境なくなってるなぁエリスエール。

 物理無効のせいで殺せなくなったし、ちょっと苦戦気味かな? 


「いいわ……そっちがその気なら、地獄へ行く用意は出来てるようね。テメェらの×××ちぎり取って口に放り込んでやるから覚悟しろよゴルァッ!」


 ―― あー、魔法解禁だぁー ――


 言うが早いか蜘蛛糸を吐きだし自身の防壁を張り始めるボルバーノス。

 あ、これ滅茶苦茶危険なパターンじゃね?

 とりあえずボルバーノスさん、ヘンドリック達も守ってあげて?


 ―― しょうがないなぁ、包球作るからほら、傍に寄って寄って ――


 さぁって皆の安全はボルバーノスさんが確保してくれるし、オイラはESPラビットで障壁張りながら見学と行こうかねっと。

 うわ、すげぇ、エリスエールが浮かびあがって羽が虹色に輝きだしたぞ。

 周囲に風が渦巻いているようで、エリスエールを中心にして無数の魔物達が舞いあがり始めている。


 ジタバタしている四足歩行の魔物達が吹きあげられて落下してを繰り返し始める。

 さらに少し離れた場所に出現する竜巻。その数四つ。

 蛇行しながらゆっくりと円を描くようにして狭まり始める。


 その内二つづつが逆回転で合流し、内部に浮かんでいた魔物達が二つの竜巻に……ぎゃあぁ!? す、擂り潰された!? ひぃぃ、何アレ恐いっ!?

 魔物達が慌て始める。

 しかし竜巻は四つから八つへと数を増やし、さらに巨大な暴風壁が彼らの逃走を阻む。


 うわぁ。一定範囲以上逃げると暴風壁が巻き上げ竜巻側に吹っ飛ばされるようだ。

 これはデスフィールドですね。ウサギさん絶対入りたくないです。

志村さんのご冥福を心よりお祈りいたします。(-人-)

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