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うさぎさん、ボルバーノスの森5

 あれ? なんだろう、選択ミスッたこの感覚?


 ―― 水がダメなら火。当然だよね。だから、スキル耐火 ――


 糸の攻撃が飛んでくる。

 耐火とか嫌な予感過ぎる。

 ぎりぎり避ける。

 クソ、燃え無くなってやがる!?


 ―― さらに吸熱属性付与 ――


 ぎゃあぁ!? また吸収かよ!?

 ええい存在進化コキュートスラビット!


 ―― 斬糸! ――


 物理的に砕く気か!?

 存在進化タングステンラビット! これでどうだ!!

 あ、やべぇ、重すぎて動きが鈍い。


 これは自滅だ。

 なんか糸が俺に巻き付いてきそうだったので素早く進化を解く。

 風系か、風系ラビット種が行けるか?


 いや、ダメだ。既にステータスを見られている以上何かしらの対策されてる気がする。

 多分だけど変身できるラビット種はほぼ対策済みだろう。進化樹まで見られてんじゃないかな?

 ESPラビットでどうにかならないかな?


 ―― どうだい? もう打つ手ないんじゃない? ――


 うぐっ、流石にこれは対処できそうにない進化を探してる余裕はない、か。

 なら、早速アレを使うしかあるまい。


 ―― flexiоn! ――


 おお!? と驚きの念話が届く。

 ボルバーノスもこれは初めてなのか、若干の戸惑いが見える。

 どう対処すべきか戸惑っているようだ。


 何しろヴォルパーティンガー状態でのサソリ怪人なのである。いや、怪兎だったな。

 これなら充分勝機あるだろ。

 どうよボルバーノス。


 ―― ヴォルパーティンガーかぁ、珍しい種族だよね。飛行特性と雷属性。あれ? 土属性有利だぞ ――


 がふぅっ!?


 ―― しかも糸張り巡らせてるから飛べないよ? ――


 げはぁ!?

 あれ、これ、詰んでね?

 ヘドロが糸に張り付くことで土属性攻撃に、ぎゃあぁ!? なんかすっゲーダメージ入った。

 ひっつかないけど今のは酷い。

 振るった糸避けたのに飛び散った土が触れただけでごっそり体力減っちまった。


 薬草使って回復したけどこの攻撃続けられると潰される。

 クソ、これはマジで追い詰められてねぇか?

 変身もあんまし意味ない気がするし。


 やべっ、瞬間移動っ!

 次の攻撃が来てしまったので慌てて脱出。

 攻撃間隔も短いから考える暇すらない。


 ―― はい、ダメーっ ――


 ぎゃぶらっ!?

 瞬間移動で出現した瞬間、そこに来ると分かっていたかのようにボルバーノスの足が俺の頭に激突した。

 怪兎状態だったのでダメージこそなかったが、今のはヤバい。瞬間移動の移動先がバレてる!?


 これまた連発出来そうにない。

 この蜘蛛、めちゃくちゃ強くないか?

 いや、強いのか。じゃないと加護与えられないしな。

 俺よりも強い奴が俺のスキルここまで封殺して来るとは思わなかった。

 近づけすらしないとか。


 ええい、これならどうだ。

 はい、親指消えまーす。

 大抵の奴はスタンするけど、実力が上のボルバーノスは、どうだ!


 ―― おお、親指が消えたぁーっ!? ――


 チャンス! 瞬間移動、電光石火、アクセラレート、風圧操作、人体切断マジックッ!


 ―― なぁんちゃってっ ――


 っ!?

 一撃必殺、とばかりに突っ込んだ瞬間だった。

 目の前に居たボルバーノスが飛び上がる。

 完全に虚を突かれた俺の攻撃が空振り、その俺に圧し掛かるようにボルバーノスが落下して来る。

 ぎゃふんっ!?


 ―― うんうん。なかなかがんばったねー ――


 あかん、これドルアグスさん並に勝てる気がしねぇ……

 しかもこの攻撃絶対手加減されてやがる。

 動けないくらい重いのに落下時のダメージがそこまできつくなかったのだ。

 まぁ、逃げられないんだけど……


 まさか俺がここまでボコられるとは思ってなかったようで、見ていた皆が目を点にしてボルバーノスを見ている。

 うん、わかってるよ。俺にだって勝てん存在いるって、目をバッテンにして舌出してノビちゃうよ。

 ガロワさん、そんな驚かなくてもいいじゃない。


「嘘だろ、あのウサギが、負けた?」


 ―― スキルは浅く広くだからねー。各種族のレベルは出来るだけ上位にしといた方がいいよ。良いスキル覚えれるし。たかだか10や20じゃスキル構成知れてるし。この程度なら上位互換スキルで返り討ちっしょ ――


 ひ、ひでぇ、俺の今までを全否定だこの蜘蛛……


 ―― ダグラスの爺さんがさぁ、もしかしたら天狗になってるかもだから鼻っ柱圧し折っといてって言ったんだよね ――


 おのれダグラスっ。


 ―― いやー、属性的に有利でよかったよ ――


 悔しい、でも負けるのも仕方ないかなって思っちゃうの。

 だってウサギさん紙装甲だもの。逃走出来なきゃただの被食者よ。

 今回は逃げることなく立ち向かっただけでも驚きでしょ?


 ―― んーでも、なぁーんかそこまでショック受けてないよねーウサギ君 ――


 はっはっは。何をおっしゃるボルバーノスの旦那。おいらのようなしがないウサギが守護者な蜘蛛様に勝てるわけおまへんがなー。


 ―― なーんか、まだ隠してるなぁこのウサギ ――


 じとーっと懐疑的な蜘蛛の旦那。いやだなぁ、オイラが一体何を隠すってんですかい?

 思わず目を逸らすウサギさん。違うのよ、やましいことなんて何もないんですよ?

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[一言] 最近主人公の戦闘シーンが続いてうれしい
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