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うさぎさん、再試験

「あーっもう、なんなのあの男! 私は王女なのよ! 何が弱過ぎよ!!」


 そりゃ弱いだろ。ただの王女だし。

 地団太踏んでるリベラローズとそれを見よう見まねで地団太モドキしているペルセア。

 二人を苦笑しながらイリアーネとカルセットが見ている。


「試験管になったBランクハンター。シュリックさんに散々酷いこと言われたんですよあの二人」


「まぁ、こっちから突っかかったからいらついたんでしょうね。シュリックさんったらお気の毒。あんな調子で再戦だなんだと言いがかりを、ですね」


 うん、二人ともオシオキだべぇ。だな。

 それはともかく結果は?

 負けても登録は出来るだろ?


「えーっと、リベラローズ様とペルセア様が落とされました」


 あー、試験官がいらついたから落としやがったな。

 よし、再戦だ。

 ほれ、何時までも地団太踏んでないでカウンター行くぞ。


「でもダーリン、あの男、私が王族だって言ったら、王族が冒険者になろうとする訳ねぇだろとか、はなから信じようとしませんでしたのよ!」


「あのフッて髪を掻きあげる態度が嫌! なんかこう、髪を引き千切ってやりたくなるわ!」


 二人とも荒れてんな。

 カウンターに戻って二人を再試験開始でお願いする。

 さすがに落とされた次の瞬間に再試験となると、受付嬢さんも驚いているようだが、二人は自分が面倒をみるので登録だけはさせてほしいと告げると、ギルド長の元へと去っていった。


 はー、全く。この試験は必要ないと思うんだよ。

 実力試験なんて受けても試験受けた冒険者の胸三寸だろ。

 こっちゃS級冒険者倒したウサギさんだぞ?


「あー、いちゃもん付けてるウサギってのはお前か」


 誰がいちゃもんだコラ。


「お、念話使えるのか、ということは結構知能はあるんだ……へ? ギルドカード?」


 冒険者様だよコンチクショウ。


「なるほど、そりゃ話が早い。まずは確認させてくれ」


 カードを受け取り読み取り機と思われる魔道具にかざす。

 とたん、険しい顔になるギルド長。

 というかギルド長さんよ、この二人の面倒は俺が見るって言ってるんだけど、それじゃ冒険者登録できないのか?


「こりゃ驚いた。ウサギの冒険者など何かの間違いかと思ったが、Dランクか。しかも冒険者登録時の試験官がクロウとなりゃお墨付きってもんだな」


 なんだクロウが試験官ならお墨付きって?


「S級冒険者が太鼓判押してあるんだよお前さんは。つまり、こいつの冒険者スキルは俺が保証するってクロウが保障してくれているってこった」


 へー、ギルドカードにはそんな情報も載ってるのか。


「この保証人がいるってならお前さんが面倒見るのも問題はなさそうだな。よし、一応お前さんの実力だけ確認して、問題無いなら二人は冒険者登録してやるぞ」


 おお、話が分かる。でも俺の実力みたいとはなぁ、いいのか、クロウすらも倒した俺の実力は滅多い見せないんだぜ?


「ははは、流石にクロウがウサギに倒されるとかありえんよ、とりあえずDランク冒険者と対戦して貰おうかな。その戦果で見定めよう。別に負けても構わんからな」


 負けるの確定かよ。なんかイラッと来るな。


「なんだい君たち。まだ揉めてるのか」


 不意に、なんか嫌味ったらしい声がかけられた。

 そちらに視線を向ければ金髪の青年がフッと前髪を掻き上げ鼻高々にこちらを見ていた。

 いや、正確にはリベラローズとペルセアか。


「あー、貴方! 私を落としやがりましたわね」


 リベラローズ、言い方が淑女じゃないぞ。


「そりゃぁ落とすさ。口ばかりで実力が伴っていないじゃないか、そんな実力で冒険者になるとか死にたいのかい? 悪いことは言わないから帰って家の仕事を手伝うがいいさ」


 家の仕事かぁ、リベラローズの場合なにするんだ? 宰相? 無理だな。メイド? 無理だな。

 うん、何もせず日々を過ごすのが一番だろう。役立たずのニートさんだ。


「きぃぃ、ダーリン、こいつけちょんけちょんにやっておしまいなさい」


 なんか命令されたし。でも確かに、所作がいちいち気に障るんだよなこのキザ野郎。


「ダーリン? はて、男なんてどこに居るんだい? ああ、そこのカルセット君は男だったね失礼。可愛らしい顔をしているからまた女性と間違えてしまったよ」


 うん、そこは同意する。

 カルセットは不満気だけど可愛いんだから仕方ない。普通にリベラローズよりも美人さんだしな。いや、リベラローズの場合は強気な女性を強調する化粧だからちょっとケバく見えてるだけでメイク落とせばカルセットのお姉さんってよく分かる可愛さがあるんだよ。

 でも、メイクのせいで今はケバいBBA……おっとげふんげふん。


「こちらに居るわよ!」


 と紹介されたのはもちろん俺。

 カウンターにちょこんと座ったウサギを見たキザ男君は、一瞬目を点にしたあと、アメコミ風に腹抱えて笑いだした。ちょっと似合ってたのは内緒だ。

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