うさぎさん、お説教
「はっちゃけ過ぎだよっ」
カルセット君に怒られた。
顔を真っ赤にしているカルセット君、大人な世界を見せられたせいで一部女性に見せられない具合の悪い感じになっているようだが、俺をお説教中です。
ウサギなので正座させられてます。ウサギの足は正座出来るようにはなってないんだよ?
「いくらなんでもヤリ過ぎですっ、しかもなんで僕まで襲おうとしたんですかっ、男ですよ男っ。男だって叫ばなかったらヤバかったですよね!?」
―― いや、なんかノリで行けばカルセット相手ならいけるかも、と ――
「ひぃっ!? へ、変態ですか!? ケダモノ!」
―― けだものだもの。だってウサギだし? いや、俺も男を襲う趣味とかないんだよ? でもほら、女性の群れに一人だけ女顔の男が混じってても気付かず襲っちゃっててもおかしくなくね? だって女にしか見えない顔に華奢な身体だし? ――
「僕のこと、なんて思考で見てるんですかっ、ぜ、絶対嫌ですからね!」
―― えー、まぁいいけども、俺も男襲う趣味はないし? でもまた饗宴状態の時に混じってたりしたら間違っても知らないからな ――
「次は直ぐに逃げることにするよ」
疲れた顔で告げるカルセット。
うん、ノリって怖いね。気付いたらカルセットまで襲い掛けてたよ。
なんかつい服引っぺがしてたんだよね。あ、しまったこいつカルセットだ。って、仕方ないじゃん。近くに居たペルセアとか順々に引っぺがしてたところに居る方が悪いんだ。
残念ながら普通に男だったよ。引っぺがしたら男装した女性ってことはなかったんだ。結構期待してたのに。
でも、そう言いながらも俺らとの冒険について来たのはなんでだろうねカルセット君。
あのままガッパイたちと居れば直ぐに城に帰れたのに。
もしかして、口ではこんなこと言いながら実際は期待している? いや、まさかねぇ。
うーん、さすがにノリで襲っちゃったらそれはそれで俺的にもヤバい扉開いちゃうしなぁ。ウサギ♂と女顔の♂とかどこら辺に需要があるのかもわからんし?
うん、余程女に飢えたりしない限りは襲わないぞ。じゃない、飢えても襲わないぞ。
「それで、これからどうするの?」
あ、もうお説教終わり? んじゃいつものウサギさん座りに戻ろう。
ぐおお。なんか変な態勢してたせいで足の感覚がおかしいっ。
これ、本当にちゃんと戻るのか?
―― とりあえず、さっきの合間に奴隷契約だけは解除しといたし、解錠済みの奴隷の首輪を俺のアイテムボックスに回収しといた。カルセット君付けとく? ――
「付けないよっ!? なんでそう僕を襲おうとするの!?」
―― いや、これからも可愛い顔の男性出てきたら襲えるかのテスト、みたいな? ――
「しなくていいよそんな事っ! も、もう、僕は一人部屋で寝ることにしとくけど、黙っていなくなるのは無しだからね!」
―― へいへい。わざわざ一人部屋取らなくてもいいのに ――
「いいわけないよっ、襲うでしょ!?」
―― とりあえず、奴らが起きるまでは何もすることが無いなぁー ――
「露骨に話を逸らした!? ちょっと、そこは否定しようよ」
カルセットはついつい弄りたくなるんだよなぁ、突っ込み担当に進化しそうだ。
お笑い界の超新星としてきっと立派になるだろう。
ところで、結局なんでカルセットまで来たの?
「え? 僕? いや、うん。確かにあのまま城に帰ればガッパイ兄さんのフォローをすることになっただろうけど。それはそれで確かにやりがいはあるよ。でも、僕は強くなりたいんだ。ウサギさんみたいに弱い存在なのに自信に満ち溢れてさ、人間だろうと関係なく襲っちゃえる豪胆さを見習いたくて」
見習うも何も俺なんて自由に生きてるだけだぞ?
人間、枷を無くしたと思えば張っちゃけられるって。
まぁ、はっちゃけた後は自己責任だけどさ。
御蔭で俺は今やお爺ちゃんに追われる身になってる訳だし?
なんやかんやでいろいろ恨み買ってるんだよ。
相田の奴も絶対恨んでるだろうし、先生寝取っちゃったから知られたらヘンドリック君ヤバそうだし。
大丈夫かな? 先生、ヘンドリックにごめんねとか寝言言いまくってたからな。
「ま、まぁ、僕のことは気にしなくていいんだよ。付いてくだけだし」
ふーん。まぁそれならそれで良いんだけども。俺は結構頻繁に移動したりするから追って来れるかは別問題だぞ。ディアリオさんがなんとかするのかね?
まぁ、死なれても目覚めは悪いから多少は助けるけども。
しかし、まさかこれから団体行動取ることになるとはなぁ。
リベラローズとか絶対直ぐに休みたいとか言うだろ。
レベル上げて多少でも疲れないようにしておいた方が良さそうだ。
パワーレベリングだな。
アーボ? だっけ、アボガランサーEXがいるし防御は充実してるから何とか出来そうだ。
あとは皆起きた後で美与をどうするか、だな。
まぁ、その辺りは皆が起きてからでいいか。




