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兎之巣(ラビット・ネスト)~これより先、種馬兎出没注意~  作者: 龍華ぷろじぇくと
第六章・無人島ディアリオアイランド編
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うさぎさん、貴族たちがサバイバル2

「ちょっと待てウサ公! サバイバルとやらは百歩譲って認めてやる。でもあれはなんだっ!?」


 森からでてシュロロしているおっきな蛇さんを指差しリードリヒが叫ぶ。

 ごめん、アレはウサギさんも想定外です。


「ふざけんなよ! あんなんだらけとか死人が出るぞ! 皆揃って蛇の腹ん中で過ごせってか!?」


 ディアリオさん、ディアリオの旦那ぁ――――っ!!


 ―― ん? どうしたうさしゃんよ。 何かあったか? ――


 何かあったか、じゃないっすよ! なんすかあの蛇、デカ過ぎでしょ!?


 ―― 五十余名いるのだろう? 食いでのある生物を放ったのだが? ――


 こっちが喰われるわっ!?


 ―― うむ? あの程度赤子の手で捻るようなモノだぞ? ――


 手を、じゃなく手で!? それディアリオさん基準!? ディアリオさんの手で捻れるものなら魔王だって雑魚キャラっすよ! こっちは役立たずだらけっすよ。一般的な小動物だけにしてくださいっ。蛇とかいらないっす。ウサギとかリスとか小動物でいいんですっ。あと楽に倒せる魔物。ディアリオさん基準じゃなく一般的に弱い奴。にっちゃうとかにっちゃうとかにっちゃうとか! あとにっちゃう!

 イノシシでも危ないですし、牛でも死人が出るッす! 魔物とかもってのほかっす!!


 ―― そんなにか!? ――


 ディアリオさんも想定してなかった弱さに驚く。

 というかあの大蛇を素手で仕留めるとか普通に人外入っちゃってるからな。

 武器作る暇もない初期段階で魔王に出会っちゃったようなもんだぜ?


 次の瞬間、遥か遠くから光の束がすぅーっと伸びて来て森の中にいた凶悪な魔物達を一匹残らず抹消して行く。拡散エネルギー波とでもいうべきだろうか? 逃げられた奴はいないだろう。普通の魔物程度じゃディアリオ様からは逃げられない。

 危険生物が一瞬で消滅してしまった。

 そしてディアリオさんにより適当な小動物が空を飛んで森の中へと入って行く。


 ディアリオさん。さすがにちょっと、適当すぎじゃないですか?

 鹿やらウサギが空飛んで森に集結する姿はある種異様な光景、あ、アボガード発見。ウチの知ってる奴じゃないな。あいつらアボガランサーEXになってるはずだし。っていうかウミネコとキャ○ツさんが一緒に飛行してますよ?

 驚いてんじゃんウミネコさん。猫は猫でもキャベツっぽい猫が空飛んでるから猫の鳴き声してるウミネコさんには初めて見る光景だよね、そら驚くわ。


「あー。あれは深く考えちゃいけねぇ奴かな?」


「兄上、ウサギのやることにいちいち驚いていたら命が足りませんよ」


 酷いよビル君。

 俺のせいじゃないやい。

 とにかく、これで森の中に危険生物は居なくなった訳だし、探索再開といこうじゃないか。


 俺はガッパイの頭の上で垂れうさぎと化してビル、リードリヒと共に森へと入る。

 森の中はなんかすっげぇ整然としてるというか、なんだろう、この人工感。

 普通の森を知ってるだけに、なんかこう、規則正しく生い茂る木々がなんか違和感しかない。

 真っ直ぐ等間隔で木が植えられてんの。並木か!? と突っ込み入れたくなるよ。これで森とか舐めてんのか? と。

 まるでゲーム世界の森にしか見えない。


 もうちょっと何とかならなかったのディアリオさん。

 なんか凄く木漏れ日差し込みまくってて明るい森なんだけど、不気味さが足りないよ、ここ無人島。動物たちの楽園。未開の地。なんでこんなに明るいのっ!


「なんというか、頑張って森に似せて作った森、というのがしっくりくる、かな」


 流石ビル。良く分かっていらっしゃる。

 何しろこのディアリオアイランド自体がディアリオさんに作って貰った島だからな。

 正直全部ディアリオさん任せだからさすがに文句は言えないんだけど、ちょっと言いたくなるよねこれ?


「とにかく、食べれそうなのを捕まえるぞ。俺らは素手だ。頼めるかウサ公」


 まぁ、今日くらいは……索敵~。

 お、鹿発見。いくぜウインドスピアッ!

 風で作ったショットランス。

 打ち込まれた鹿は俺の姿を発見することすら出来ずに息を引き取った。

 ふっ、一瞬だぜ。


「凄いな。一撃か」


「ちょ、アニキ、今あの鹿から大量の小型生物が森に……」


「ああ、アレはダニだぜビル。野生生物の体にゃ結構な割合でついてるんだ」


「げ!?」


 リードリヒの言葉に慌てて俺を引っぺがそうとするガッパイ。


 ―― やめんか、俺にはダニついとらんわ! 綺麗好きだぞこの野郎 ――


「ほんとか? 本当に大丈夫か? 頭の中がダニだらけにならないか?」


 ―― 魔法でダニが近づかないようにしている。それよりもそら、さっさと血抜きをしないと臭くて食べられなくなるぞ ――


 定期的に帯電してるからダニが寄って来ないのだ。寄って来ても丸焼きだぜ。

 リードリヒが軍を動かすこともあって野営等も経験済みのようだ。

 ガッパイも野営はしたのだろうが、自分で野生生物を狩ることは無かったらしい。

 王族だからそういうのは兵士がやってくれたんだそうだ。


 リードリヒは自分から率先してやらせろ。と言ったのでやりかたを習っていたらしい。

 さすが野性児。

 リードリヒが血抜きを行う。

 やり方を見ながら大したもんだとガッパイが褒め。ビルは思案顔で光景を見る。


「どうだアニキ。俺の方が王向きじゃねーか?」


「非常時には頼りになるだろうが、なぁ……」


「通常国を導くにはあまり関係の無い能力だよ兄上」


「チッ。まぁ王になる気はもうねぇからいいんだがよ」


「お前が有能だってのは俺がよくわかってる。必要な時には頼むぞリードリヒ」


「お、おぅ……」


 ぽんっと肩を叩かれたリードリヒ、笑顔のガッパイを見て少し照れたように頬を掻く。

 なんか、ふつうに兄弟って感じだなぁ。これなら協力して統治も現実味帯びて来たんじゃね?

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