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兎之巣(ラビット・ネスト)~これより先、種馬兎出没注意~  作者: 龍華ぷろじぇくと
第六章・無人島ディアリオアイランド編
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うさぎさん、ランクアップ試験を受ける4

 話をしていると、ようやくランクアップ試験の相手が決まったらしい。

 向こうはいつでも行けるそうなので、俺も直ぐに受けることにする。

 とりあえず訓練所に向かってアップはじめとこうか。


 ちなみに、ランクアップ試験はDランクに上がる時にDランクパーティーとの試合、あるいは指定アイテムの調達。得意な方を受けられるって訳だ。

 CランクもCランクパーティと試合あるいは指定アイテムの調達。そしてギルド移動馬車の護衛任務。である。Cランクから世界各地を転々とするパーティーが多くなるためCランクでは護衛任務が出来ないと上がれなくなっているそうなのである。

 そう言えば護衛任務受けたことないな。まぁ、追われる身だから護衛なんかやってる暇はないんだけども。


 そしてBランクになるとBランクパーティーと模擬戦、筆記試験、討伐任務、指定アイテムの入手をしなければならなくなる。

 総合力が問われているそうで、ここまでのランクになるとどんな依頼でもきちんとこなせる実力が必要になるそうだ。


 そしてAランクになるにはAランク相当の魔物討伐とギルドへの忠誠宣言が必要になる。

 Sランクになるには国家災害級の危険生物撃破とかなんか英雄的行動が必要になるので特別枠になるそうだ。クロウ君、国家災害級生物倒したことあったのか。アイツで倒せるなら俺でもやれるんじゃね?

 そもそも国家災害級人型最終兵器なピスカさん下してる訳だし、俺S級でもいいんじゃね?


 訓練場へとやって来る。

 結構広い運動場といったところか。下は地面のようで、原っぱになっていた。

 右奥に丸太を地面に突き刺して藁巻いた奴が数個並んでおり、新人さんと思しき少年たちが剣で切りつけたり、杖を突き付け魔法を放ったりしている。


 左側では格闘術の練習だろうか? 汗臭いおっさんたちがくんずほぐれつ凄い声を張り上げ頑張っていらっしゃった。

 うん、自分で言っといてなんだが、ただ組み手してるだけの筈なのに如何わしいことしてるように表現してしまった気がするぜ。

 一部プロレスっぽいことしてるしあながち間違いではないかもしれないけども。


 パンチャーラビットに変化してシャドーボクシングをしていると、ようやく相手パーティーがやって来た。

 おお、なんか朗らかなおっちゃんとイケメン青年がいる。あの可愛い子はヒーラーかな?

 あっちのメガネ君は魔術師と見た。

 うん、筋肉質でギャランドゥのおっちゃんがタンク役でアタッカーがイケメン君だな。あのウェーブかかった金髪掻きあげてふってしてる姿がすっげーイラッと来るな。


「よーっす、カイエンじゃねーか」


「げっ、エドモンドのパーティーか」


「げっとはなんだげっとは。俺の好物は新人育成だぞぉ。新しくDランクになる奴がいるんだろ、そいつが成長した後俺があいつのDランク試験受けたんだぜぇって自慢できっからなぁ、受けるだろ」


 どうやら人を育てるのが趣味の人らしい。

 おそらくだけどDランクパーティーやってんのも新人を育成しやすいからって理由なんだろうな。


「お知り合いですか?」


「ああ、こいつはエドモンド・バーグワーツ。実力はBランク位あるんだがな、人を育てんのが趣味だからって理由でDランクのまま自分の昇格試験受けようともしねぇ変わりもんだ」


「まぁ、人の育成を担っているのなら良い方ではございませんか」


「おお、ありがとな貴族の嬢ちゃん。俺ぁ口は悪りぃが新人の面倒見はいいからよぉ」


 がははと笑うエドモンド。あんた自分で面倒見いいとか言うなよ。

 それは周りが言うことだろ。


「まぁ、こんな人なんで、あんまり気にしないでください」


 と、ユーリンデとチェルロに微笑み浮かべる優男。


「こいつは女好きだから気を付けろよ。イグニス・パイルドラ―バー。一応騎士爵のドラ息子だ」


「ちょ、ドラ息子は酷いなぁ。まぁ、よろしく」


「あら、よろしくはいいけれども既婚者を相手に誘惑するような動きはいけませんわよ」


 手を持って口付けしようとして来たイグニスにクスリと笑みを浮かべて告げるユーリンデ。

 その言葉にぴくりと眉を動かしたイグニスは、これは失礼、と彼女の手を放す。


「ふふ、夫の目の前で妻の誘惑を行うなどと、随分と度胸が御有りなのですわね」


「え? 夫の目の前? まさかカイエンさんの?」


「あ? ンな訳ねーだろ。俺は妻一筋だ」


 あ、妻居たんだ。


「ほれイグニス、さっさと戻れ。お前さん等のパーティの昇格試験を引き受けた【俺の嫁さんは世界一】のメンバー、エドモンド、イグニス、ケイル、メルグリッサだ。試験資格者は前に出な。他の見学者はギルド長とカイエンと共に後ろに下がっててくれ」


 告げてパーティー戦の陣形を取る俺の嫁さんは世界一チーム。……嫁さんが自慢なのか?

 そんな彼らの目の前に、一匹のウサギが立ちはだかり、人間たちは皆見学へと回った。


「え?」


 想定外だったらしく驚いた顔している彼ら。

 ん? どうした? お前達が闘うのはウサギさん一匹だよ?

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