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兎之巣(ラビット・ネスト)~これより先、種馬兎出没注意~  作者: 龍華ぷろじぇくと
第六章・無人島ディアリオアイランド編
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うさぎさん、屋敷を貰う

 王城から少し離れた大きな屋敷。

 大きいといってももともとは子爵位が住んでいた屋敷らしいのだが、いろいろと悪行を行った結果一家断絶になったらしい。

 御蔭で家だけが残ったそうなのだ。


 とりあえず結婚前に家の中走らせて貰ったんだけど、なかなか隠し扉とかギミック満載でちょっと楽しかった。

 なぜかしらんがディアリオさんが遊びに来て誰も居ない廊下を俺に乗って疾走しまくったのである。

 ディアリオさん、俺に乗って走るの楽しいからたまに遊びに来るとか言いやがった。俺は乗り物じゃないのですが?


 笑顔でキャッキャ言いながらウサギに乗って走る赤ん坊。

 誰も居ない廊下を走り抜けるから違和感半端無い。

 誰も見てないから良いけど誰か見てたらトラウマモノだぞこれ?


 まぁ、そんな感じで屋敷内駆けまわっていろいろと見回った御蔭で本日。ユーリンデとチェルロとともに歩きながら屋敷を案内していた。

 と言っても俺はユーリンデに抱きしめられての移動だが。

 チェルロの奴ディアリッチオ信者だったけど、数日前にこの屋敷見学に来た際一緒に連れて来たんだよ。

 掃除とか頼もうと思って。


 ディアリオさんがやって来たからこの人ディアリッチオの転生体だよって紹介したら衝撃的過ぎて四つん這いになって絶望してたんだ。

 ウサギに乗って走りまわるディアリオ見て魂放出してたけど、ディアリオさんお帰りの際は踏ん切りついたのか、また遊びにいらしてくださいと俺を抱き上げ笑顔で手を振って空へ消えて行く赤ちゃんを見送っていた。

 彼女の中でどんな折り合いがついたのかは不明だけど、その日から俺への依存が激しくなったのは俺にとっては良いことだった、と言っておく。


「しかし、メイドが一人しかいないというのも大変ですわね」


 ―― 今はチェルロだけだな。後々増やしていかないといけないが……俺が居ない間もしっかりと回せるようにしておかないとな ――


「居ない間? どこかに行かれるんですの?」


 そう言えば二人には説明してなかったな。と、俺が今どういう状況なのかを説明する。

 まぁ、簡単に言えば孫娘を襲ったせいで歴戦の猛者と思しきお爺ちゃんの恨み買って追いかけられてる最中としか言えないんだけど。


「まぁ、なんというか予想通りね」


 金髪ドリルヘア釣り目美人のユーリンデ。溜息を吐く姿も素敵です。

 同じく金髪で三つ編みポニーテールのチェルロ。メイド服よりハイレグスーツ着て拳にメリケンサックみたいなアームガード装備しといてほしい。アーミータイツとか似合いそう。

 その内服飾店で注文しちゃおっかな。


 サバイバルナイフとかコンバットナイフは武器屋にお願いしないとだな。

 そう言えば最近冒険者ギルドに顔出して無かったな。一応出しとくか。

 それから、ギルドでメイドと執事を雇わないといけないんだっけ?

 執事雇うのは気を付けないとな。下手したらゲスい奴の場合もある訳だし。


 まぁ、下手にここで雇わずとも別の街で見つけた優秀な存在をこっちに連れて来るのもありか。

 とりあえず冒険者ギルド、ついでに商業ギルドにも顔出すか。

 それをユーリンデとチェルロに告げたところ、一緒に来るってことなので、そのまま二人と一匹でデートがてら冒険者ギルドに向かうことにした俺たちだった。


 ゆったりと土作りの道を歩き、冒険者ギルドへとやって来る。

 冒険者ギルドに屯っていたのは普通の冒険者7割り、新人と思しき冒険者2割り、見るからに犯罪者臭漂う冒険者1割りだ。

 ユーリンデたち連れて来て大丈夫かと心配になるな、とくに1割り。


 まぁ、何かあれば無礼打ちなんだけどな。

 ぬっふっふ。俺をただのうさぎだなどと思うなよ? 名誉侯爵様だぞっ。ウサギだけど。

 冒険者たちは全員、貴族令嬢然としたユーリンデがゆっくりと歩く姿に視線が向かっている。

 俺を抱きしめ綺麗な姿勢で歩く姿に思わず見惚れているようだ。

 その後ろをしずしずと歩くチェルロには全く視線が行ってない。


「ご、ご令嬢様、申し訳ありませんが依頼受付は隣でございます。こちらは……」


「冒険者の依頼受付、でしょう。間違いはありませんわ」


 そう告げて、ユーリンデは俺をカウンターに降ろす。

 俺がギルドカードを取り出すと、受付嬢が驚いたように一瞬止まる。

 しかし直ぐにはっと我に返った彼女は、俺からギルドカードを受け取りスキャンを開始する。


 どうでもいいけどこのカードスキャンシステム、画面っぽいのにカードかざすだけなんだよね。

 普通に科学的な最新技術なんだけど、なんでこの魔法世界で普通に使われてんの? 神様が編みだしたオーパーツだっけ?

 そんなどうでもいい事を考えている間にスキャンが終わる。


「随分長い間依頼を受けていませんね。カード失効間際です。危ないところですよ」


 お、おおぅ。まさか失効期間あったのか。危ねぇ、折角手に入れたのに失効とか切なすぎる。


「失効期間がありますの?」


「え? はい。うさしゃん様はまだ低ランクですので、せめてDランク辺りにならないと永久カードにはなりません」


 マジか!?

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