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うさぎさん、アホの子と行動する

 お、ゴブリン六匹発見。

 茂みに隠れてやり過ごす。うん、相変わらず離れていても臭い奴らだ。

 さらにゴブリン六匹が前方から出現。

 チームで動いていたゴブリン達は、出会った瞬間挨拶のようにゴブゴブと連絡を始める。


 ゴブゴブギャッギャ。

 ゴブゴブ話しながら互いに分かれる。

 真っ直ぐ進んでるのはいいんだけどさ、そっち、逆に居たゴブリンが来た方向だよ、そっち向かっていいの? 多分何も無いよ? 左右に別れた方が有意義じゃね? せっかくだから一チーム追ってみるか。


 お、何か発見。眠ってるのは豹かな?

 ゴブリン達が先に気付いたようで、豹の前後左右へと散開する。

 巻き添えの可能性を考え俺は樹の上へと昇って退避。隣にリスが来たけどとりあえずこいつは放置で。あっ、ドングリ零すなよ、気付かれるだろ。


「グギャっ!」


 ベゴシッ。

 豹の胴に会心の一撃。

 衝撃に驚いた豹は飛び起きゴブリンの一体に喰いつく。

 即行一匹やられたぞ!?


 そのまま一本の木に駆けあがり、ゴブリンを枝にぶら下げ、落下と同時に真下のゴブリンに噛みつく。

 俺は即座に樹を移動してゴブリンの元へ。木にぶら下がっていたゴブリンが生きていたのでトドメを刺してアイテムを頂いておく。

 そしてすぐさま樹へと戻る。

 リスがなにしてんの、と横眼で見て来た気がするけど放置で。


 ゴブリン達も奮闘する。棍棒でひたすらに叩き豹を打ちつける。

 そして喉元に食らいつかれたゴブリンは木の上に。そして俺が漁夫の利を頂く。

 四体目を上に上げた豹は、ようやく木の上にゴブリンが居ないことに気付いたようで、あれ? と首を傾げていらっしゃった。

 下に降りたタイミングを見計らい俺は木の上に飛び乗りゴブリンにトドメを刺してアイテム入手。

 おっと、そろそろレベルアップかな?


 でもまだ戦闘中らしく、スキルを覚えたといったダイアログは無い。

 おお、リスの頬袋が膨らんでいる。どんぐり食べまくってやがる。

 五匹目のゴブリンが木の上にやってきた。

 俺は即座にゴブリンを倒しアイテムを頂く。それを、じぃっと下から見ていた豹さん。

 あ、ばれた?


 恨みがましい顔で唸る豹。

 ステータスを見てみたが、既に体力は10を切っている。

 やはりゴブリンの攻撃力は馬鹿に出来ないようだ。奇襲を喰らうとHPが100以上でも一気に減らされる。

 六体相手だと一人一回の攻撃で7ポイント程減っても合計42ポイントも一瞬で減ることになるし。会心の一撃が出た日には目も当てられない。


 六体目のゴブリンは一撃与えることすらできずに頭上の木に持ち上げられた。

 木の上にやってきた豹は、獲物を掻っ攫った兎さんを睨む。

 お、おいおい、やる気か? 待てよ、話せば分かる。話せば分かるぞ?


「グルルルル……ウガァッ」


 親指消えまーすっ!

 俺は思わずスキルを発動。その瞬間、豹とリスが俺に注目。

 右手が左手に隠された次の瞬間、親指が……無くなっちゃった! 


「グルァ!?」


「キュッ!?」


 驚く二匹。隙アリだ!

 疾風怒濤で連続攻撃。

 気付いた時には豹のHPは零になったところだった。

 ふっ。敵対の意思を見せなければ攻撃しなかったのにな。まぁ倒す予定だったけど。


 倒れた豹からアイテム回収。

 リスはおーっとばかりに手を叩いていらっしゃった。

 ふ。見たかリス君。俺の雄姿を。

 だがウサギだぜ、惚れちゃいけないぜお嬢さん。あ、なんだよオスじゃねぇか。


  ―― ステッキから花 を覚えた! ――

  ―― 豹肉を手に入れた! ――

  ―― 豹の毛皮を手に入れた! ――

  ―― 豹柄Tシャツを手に入れた! ――

  ―― 魔石を手に入れた! ――

 

 何だこのステッキから花って? ああ、このステッキから花が出るのか。異性に上げると好感度がアップするらしい。

 アイテムを全てアイテムボックスに詰め込む。

 魔石ってなんだ? まぁいいや。


 リス君はただただ俺の雄姿をどんぐり食べながら見守っていた。

 最初の時より頬袋がとてつもなく膨らんでいる。

 なぜだろう。アレ見ると両方からぱーんっと押し潰してやりたくなるな。


 もぐもぐしているリスは放置して探索を再開。

 ありゃ、付いて来るのかリス君や。俺的には雌であってほしかったのだけど。

 そういえば生殖行動今のとこ一度もしてないな。そもそもがウサギだからなぁ。

 今までそんな余裕すらなかったし。


 でも、今の候補っつったらあのオコジョかお姉様か人間の少女たちくらいしか候補ないんだよなぁ。

 襲っちゃうのは倫理観が……あれ? 俺ってそういえば人間じゃないよな。少女襲ってタイーホされるわけじゃないし、動物としちゃってもただの生殖行動になるわけだ。


 はっはっは。なんだ、遠慮する意味ないじゃないか。

 ハーレム。上等。獣姦上等。俺を阻む者は無い。ふふふ、はーっはははっ!

 あまりの眼からウロコに隣にやってきたリスくんの肩をぽしぽしと叩く。

 なにするのっと怪訝な顔をしていたが、ウサギさんは楽しげにしているだけだった。

 ってかお前どんだけ頬袋に溜める気……あ、ほら、限界詰め過ぎて全部吐き出してんじゃんか。


 地面に落ちちゃったよ。どうすんのそれ。あ、食べ直すんだ。

 誰も取らないから……

 呆れた顔で見ていた俺は、突然感じた危機感に素直に従ってリスの背中咥えて走り出す。

 僕の食事っ。みたいな顔をしていたリスは口からさらにどんぐりを零しながら俺に連れ去られた。

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