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うさぎさん、新たなる進化へ

 ボス部屋が自由に使えるようになったので部屋の隅の方でピスカに座って貰い、その膝の上に乗って進化することにした。

 前回進化したのはお爺ちゃんに追われる前だったからな。

 かなり経験値が溜まってる筈。今回は前回進化しきれなかったグレイラビットからのライト系ラビット種にでも進化してみようか。


 と、系統樹を開きつつ進化を選ぼうとして、気付いた。

 新しい進化先が出てる?

 特殊進化先のようだ。


 ―― アッシュラビット:灰色の体毛を持つウサギ。灰に隠れていることが多い。 ――

 ―― ホワイトラビット:光属性のウサギ。光魔法が得意。 ――

 ―― ディムラビット:闇属性のウサギ。闇魔法が得意。 ――

 ―― 首狩りウサギ:首を狩ることに快楽を覚えたウサギたち。即死攻撃が豊富。 ――

 ―― ラビットパンチャー:拳に全てを賭けるウサギたち。二足歩行で歩くことが出来る。 ――

 ―― ラビットランサー:槍を使うために両手が特化したウサギ。人間の持つ槍を軽々扱う。 ――

 ―― ミミックラビット:擬態能力を持つ特殊個体。滅多に見付けることは出来ない。 ――

 ―― ジロムン:なんらかの理由で片耳を無くしたウサギ。股を潜られると死ぬと言われている。 ――


 なんか進化先が大量です。

 今はホワイトラビット種に行こうと思ってグレイラビットになってみたんだけど、通常で進化出来るのがアッシュ、ホワイト、ディムのラビット三種。ディムとアッシュは既に進化してるから、順当に行けばホワイトラビットに進化だ。


 でも特殊ラビットにも進化してみたいしな。系統樹の御蔭で一度進化しても直ぐに別の進化できるようになってるし、とりあえずジロムンって奴選択してみよう。片耳状態専用らしいし。

 その後は……とりあえずそのとき考えるってことで。

 んじゃ、おやすみぃ。


 選択を終えて俺の意識が拡散していく。

 さぁ久々の進化だ。アイテム整理もしたいし、これが終わったらゆっくり……

 あ、マジ眠……い……


 ……

 …………

 ……………………


 おっはぁー。

 ……ふぅ、なんっていうかこの進化時間はちょっと無防備過ぎる気がするな。

 そう思いながら眼を開く。


 ……あれ? ピスカ?

 足元に伝わる感触はピスカの太ももではなくごつごつとした地面であります。

 ピスカさん何処行っ……ぎゃぴぃぃぃぃぃっ!?


 ピスカを探して周囲を探った俺。

 見上げた視線の先に居たのは、ぬめっとした曲線を描く巨体。

 巨大ミミズのハルコさんの顔? がドアップです。


『起きたのね?』


 おおぅ、めっさビビッた。心臓止まるかと思った。


『ピスカちゃんなら周囲を探索しにいったわ。ちょっと頼みごとをしておいたの』


 頼みごと?

 俺が首を傾げると、ハルコは意思疎通出来てないにも関わらず話の続きを告げた。


『最近私の家にね、人間が巣作りを始めたの。こちらに何の連絡もないから襲わせてはいるんだけど、何のために無遠慮に押し入ってきたのか分からないし、変な呪文唱えてて怖いのよ。目もおかしいし』


 そういえば狂信者だかなんだったかが居るって言ってたな。邪神をどうこうとか。


「あ、起きてしまいましたでありますかご主人様。起きる前に戻って来ようと思っていたであります」


 少し遅れてピスカが戻ってきた。

 どうだいピスカ、なんか変なの見付けたかい?


「変かどうかは分からないでありますが、かなり大規模な祭壇を見付けたでありますよ」


『祭壇?』


「人間達が神に祈りを捧げる場所であります」


『なぜ私の家にそんなモノを作ったのかしら? 人間の行動はよくわからないわね』


 人間について知らないとそんなもんだよな。

 俺も魔物に意思があると知らなかったら魔物の行動とかよくわからなかったし。

 こんな巨大ミミズ見付けたらまず間違いなく排除か逃走選んでる所だよ。流石に交渉しようとは思わんぜ。


「ところでご主人様、また体色が少し変化してるでありますが」


 ジロムンってのに進化してみた。

 これからしばらく連続進化タイムなんだけど、どうかな?


「大丈夫であります。人間達がここに来る可能性も極少でありますし、最悪アルティメットモードで迎撃するであります」


 なんかよくわからんけど、なら遠慮なく連続進化させて貰おう。

 まずはラビットパンチャーからかな。次にラビットランサー。首狩りウサギとかミミックラビットもやってみるか。

 とりあえず出来るのいろいろやってみよう。ピスカのいた洞窟でのロボット戦も結構経験値溜まってたみたいだし。


 さぁ、何回進化出来るか楽しみだな。

 レッツ進化、行ってみよう。


「ご主人様がちょっとやる気になっているであります。ハルコさん、素敵過ぎるでありますよぉ」


『え? ウサギが?』


 はぁぁ、と両手を頬に当てて潤んだ瞳をするピスカ。それを見たハルコが呆れていたけど、ミミズが呆れる姿は呆れているように見えないのがなんとも言えないのであった。

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