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うさぎさん、寄り道

 ピスカと共に空へと舞い上がる。

 さぁお爺ちゃんが来る前にさっさと次の場所へと立ち寄りますかね。

 どこがいいかなぁ。

 即座に対面に向かうのもアレだし……あ、折角だからコーライ村寄ってこうか。


「コーライ村でありますか? 了解であります」


 ここで一度元の故郷に戻るのもアリだよね。

 ピスカがいるから襲われる可能性は限りなく低いし、正直リアがどうなったかも気になるし。

 天音たちはまだ村にいるだろうか? ロスタリス王国の方かな?

 あそこでオイラの身に危険及ぼしのはクロウ君ぐらいだろうし、ちょちょっと行ってリアの現状とアウレリスに顔見せしてドルアグスの旦那に挨拶しにいくかな。


 森から出て行くのも無断だったし一度報告に行くのも悪くは無いだろう。

 よし、そうと決まれば行くぜピスカ!

 俺とピスカは一旦コーライ村に戻ることにしたのであった。

 ドルアグスの旦那だったらお爺ちゃんから逃げる方法とか知ってるかもしんないし。


 コーライ村までは一瞬だった。ドルアグスの森にある泉に降り立つ。

 丁度泉の真ん中に立っていたドルアグスの旦那がちょっと驚いた顔をしていた。

 しかし、直ぐに顔を戻して畔に着地した俺達の元へとやってくる。


『驚いたな。生きていたか小さき者よ』


 御蔭さまで。報告もなく居なくなってしまい申し訳ないです旦那。


『突然いなくなったのには驚いた。アウレリスが暴れていて宥めるのに苦労したぞ』


 なんとなく眼に浮かぶようだ。

 それで、そのことに関して旦那にお聞きしたいことがありましてですね。アウレリスには後で会いに行くので大丈夫です。たぶん。


『そうか。ならば何も言うまい。で、聞きたいこと、とは?』


 実はですな。今回の件はオイラがライゼン爺ちゃんのお孫さんに手を出したことがきっかけでして……


『うむ。聞いている。リアが大層心配していたぞ、元気な顔でも見せてやるがよい。ただ、節操がなさすぎるのではないか?』


「ご主人様は性獣でありますから人も魔物も見境がないであります」


『また新しい雌か。そなたも難儀な生物にひっかかったな』


「はい。ですがもう、こまされてしましましたのでどうにもならないであります」


『で、あるか……』


 旦那が呆れた顔をしていらっしゃる。やめて、そんな目でオイラを見ないでぇ。

 

『ふむ、ライゼン翁から逃げる方法、が小さき者が求めるものだな』


 そうっす。あのじいちゃん追跡能力持ってるんですよ。しかも一カ月以上掛かる道のりを五日で踏破するような移動手段まで持ってるっす。


『それは……詰んでないか?』


「私もそう思うであります。可能性があるのならば相手が老人であるためくたばるまで逃げ切れば勝ちでありますが」


 くたばるとか言わないで。

 そうだなぁ。出来ればゆったりした時間を作れないですかね、せめて休む時くらいお爺ちゃん気にせず寝たいんですよね。夜襲とか回避したいっす。


『ふむ。追跡スキルを持っている以上、追跡拒否スキルを持つくらいしか……待てよ? 小さき者よ、一度老人の追跡が止まっていたことなどは無かったか? 例えばダンジョンに入った時など』


 ん? そういえばピスカのいる古代迷宮に居る間は追跡されなかったかな? 

 遺跡から出た途端に動き出したけど。


『ならばフィールド上を追跡するだけのスキルだな。幾らでも手はある。一番楽なのはダンジョン内を塒にすることだな。地下に潜ればライゼン翁の追撃もあるまい』


 そ、そうか、ダンジョンか!

 目からウロコとはこのことだろう。

 まさかピスカの眠っていたダンジョンが攻略の糸口になろうとは!


「ですが、消えた地点から推測されて出入口で待ち構えられませんか?」


 さぁ今日も頑張るか、とダンジョンから出てきた瞬間仁王立ちするライゼン爺ちゃん、うん、コレ俺死ぬわ。


『問題はあるまい。ダンジョン奥に逃げ込んでしまえば相手は攻略せねばならなくなるしな』


 追い詰められて消される未来しか思い浮かべられない。というかもしや死亡フラグ?


『いくつか出入口が別の場所を知っている』


「では私がインプットしておくであります。こちらの地図から場所の指定をお願いするであります」


 と、眼からなんか光をだしたピスカ。

 ぺっかーと光る彼女の瞳が映しだしたのは、半透明の地図。

 どうやら脳内にある電子地図を映しているようだ。


 そこにドルアグスが鼻先で指し示しながら説明を付けて行く。

 結構遺跡ってあるんだな。

 ちなみに、ピスカの居た遺跡はドルアグスさんも知らない奴だったようで、場所を教えるとそんな場所にも遺跡があったのかと感心していらっしゃった。

 ドルアグスでも知らない場所ってあるんだなぁ。ってどうでもいい事を思いながら二人を眺める俺だった。

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