うさぎさん、草にアタる
って、ステータス、これだけかよ!?
ついでにアナウサギかと思ったらノウサギだよっ!? 違いはなんだ!?
アナ暮らしだからアナウサギじゃないのか!?
変身ってなんだ変身って。
MP少な過ぎッ!
あとえーっとえーっと……ツッコミどころはこんなとこでいいか?
気になるのは種族スキルだな。粗食耐性は多分白ウサギだからだろう。日本にいたウサギは粗食に耐えやすいとかいわれてたしな。
そして脱兎。これは良くありそうなスキルだな。
制限時間1m。mって何さ? クールタイムは二倍と見て良さそうだけど、使ってみるか?
そうだな。今の内に……脱兎!
……
…………
……………………
洞窟内で走ってはいけません。
ええ、いけませんとも。
使った瞬間目の前の壁にぶつかった俺は当然兄弟たちの注目の的だったりする。
高速で飛び跳ね出したバカ兎が一匹洞窟にぶつかりまくって1分。突然脱兎の効果が切れてつんのめる。
地面に顔面強打して止まった。
どうやら脱兎の効果は1分。クールタイムは2分のようだ。
視界の斜め上片隅に日本で言う多分分数が表示され01:00からどんどん減って行った。効果時間が分かるなら問題無いね。
まさに奥の手、1分以上追われたら詰むな。
兄弟たちはバカやってる俺に興味を失くしたのか各々自分のやりたい事を行い始める。
母親が持ってきた草を食んだり、自分の糞を食べたり……食糞!?
俺もやるのか……アレ?
いや、やらない。やらないぞ俺は。
草だけで十分さ。
それよりも、まずは身体に成れようか。
この身体、人間とは違って扱い辛い。
なにせ人間に無い器官があるんだから、特に尻尾とか、あと音聞こえ過ぎ。
四足で動かさないといけないし、後ろ足が発達してるので移動する方法が難しい。
というか、もう無理に四足必要無くね?
俺はとりあえず二足歩行を行う。
一応ウサギは警戒のためにこうやって二足歩行になることがある。
実際に歩いたりはしないわけだけど、よし、歩行訓練開始。
結論。ウサギは二足歩行に向いて無い。
四足で走った方が速いし走りやすいのだ。
一応歩けなくはないけれど、人間の頃の思い出として歩く以外に二足歩行する意味は無さそうだ。
基本四足で走る事で脚力を強化する方向で行こう。
人間だったことを忘れないために時々二足歩行するくらいがちょうど良さそうだ。
さてさて、洞窟の兄弟たちですが、時々母親が草を食んで出した糞を食べております。
俺? 当然自分で巣穴から出て草を食べるようにしてるさ。糞なんぞ食えるか!
そして今、猛烈な腹痛に悩まされております。後悔したが遅かった。
名前:
種族:ノウサギ・シロウサギ
Lv:1
HP:11/30
MP:1/1
状態:毒・下痢
スキル:
ステータス表示(Lv1)/ステータスを表示できる。
テクニシャン /全ての技巧において神技になる。クリティカル率+100%
絶倫 /交尾時に疲れ知らずになる。連続交尾可能。
異種間性交・可 /異種族との間で子供を授かることができる。
生殖器最適化 /相手の種族に対応して交尾が出来る。
変身 /???
種族スキル:
粗食耐性 /食べるモノが貧しくとも普通に育つ。
脱兎 /初期状態から速度二倍で動くことが可能。制限時間1m。クールタイム2m。
病気弱点 /病気に掛かりやすい。
ぬおおおおおおおおおっ。
来た来た来たぁっ。
また来たよおとっつぁん!
脱兎のごとく、いやスキル使ってないけどとにかく急いで外へと飛び出した俺は叢に走り込むと体内の毒素を一気に放出する。
ウサギ、腹弱過ぎ……
いや、雨の後の草をちょっと食っただけなんだぜ?
そしたら殆ど間をおかずにきゅるるるると腹が唸ってこれですよ。
名前:
種族:ノウサギ・シロウサギ
Lv:1
HP:6/30
MP:1/1
状態:毒・下痢
スキル:
ステータス表示(Lv1)/ステータスを表示できる。
テクニシャン /全ての技巧において神技になる。クリティカル率+100%
絶倫 /交尾時に疲れ知らずになる。連続交尾可能。
異種間性交・可 /異種族との間で子供を授かることができる。
生殖器最適化 /相手の種族に対応して交尾が出来る。
変身 /???
種族スキル:
粗食耐性 /食べるモノが貧しくとも普通に育つ。
脱兎 /初期状態から速度二倍で動くことが可能。制限時間1m。クールタイム2m。
病気弱点 /病気に掛かりやすい。
見ろ、今の下痢でHPが5も無くなってるじゃないですか!!
どうしろっつの!?
あと二回下痢来たら死ぬよっ!? 粗食耐性仕事して!!
と、とにかく適当な草喰っとこう。少しでも食っとかないと空腹で死にかねん。
濡れてない、というか兄弟たちが普通に食べている場所の草を適当に食んだ俺はなんとかふらつきながらも巣穴に戻る。
これはもう寝るしかなさそうだ。母さん、羽毛布団の代わりになってくれい。いやもう、この際兄弟でもいいぜ。
俺は一匹だけ離れた場所に居た兄弟の元に近づきその身体に密着して眠りについた。
明日、俺が目覚めなかったら死んだと思っておいてくれ兄弟……がくっ。