うさぎさん、VSグリズリー2
名前:
種族:ベア・グリズリー
Lv:16
HP:164/183
MP:0/0
TP:45/70
状態:普通
スキル:
突進 /特攻の上位版。
切り裂く /爪で切り裂く攻撃。通常攻撃より威力が高い。
咆哮 /叫ぶ能力。周囲に状態異常・恐怖の付加。
種族スキル:
毛皮の鎧 /毛皮と分厚い筋肉と脂肪による防壁。斬撃、打撃攻撃に耐性あり。
……んん? TPも減ってる?
これが減るのに何か意味あるんだろうか?
もしかして、気絶してくれるとか? 試してみるか。っつってもやることは変わらないんだけど。
そーれっ。
再び怒りと共に木にしがみついた熊の鼻づらにひらりと落下するゴブリンの腰布。
ぶぁかぁめぇっ。御叮嚀に鼻先で受け止めやがったぜ。ヒャッハー、アホかこいつ。ほーらお尻ぺーんぺーんっ。
悶絶する熊さんにお尻を向けて手で叩く。
当然怒り狂うグリズリーだが、臭さのせいでのたうち回っている。
自身の鼻先をガシガシと爪でひっかき自分で傷付いて行く。
そっちの方が痛いだろうに。
察するに、それ程にゴブリンの腰布が臭いらしい。
あいつらホント最悪だな。そんな臭い腰布ずっと身に付けてんだぜ?
むしろそれがあいつらの臭いってことか。恐ろしいな。ゴブリンにはできるだけ近づかないようにしよう。
これで多分TPは40だ。
先は長いが相手が単調なら楽勝……
ドゴン。足場が揺れた。
なんだ!? と思えば何のことは無い。怒り狂ったグリズリーが木に体当たり。
折れた木が音を立てて倒れ出したのだ。
物凄い音を立てながら木を形作る繊維達が悲鳴を上げて折れていく。
倒れ始めた足場に思わずしがみつき、しかしこのままではマズいと危機感知能力がけたたましい警報を鳴らし始める。
真下ではクマさんが舌舐めずり、丸々太った兎を食えると喜んでいるように見える。
このままだと倒れた木と共に地面に投げ出され殺される。
マズイと思うが俺には打つ手が……
不意に、斜めになった視界に映ったのは、すぐ隣の木。
枝がまるで俺に手を差し伸べるかのように生えている。
おいで、こっちにおいで。そう告げて来ている気さえする。
当然、今、行くぜマイハニーっ。
「キ――――ッ!!」
無我夢中で跳んだ。
ガサリと揺れる木の幹は下手すれば俺を投げ飛ばそうとするほどに揺れる。
必死にしがみつき揺れが収まるのを待つ。
が、それを待てない奴がいた。
「グガアァァァッ!!」
全力の体当たりを行うグリズリー。
巨悪な衝撃で枝から跳ね飛ばされる。
放物線を描いて木から木へ。別の枝に受け止められた俺が見たのは、俺の命を救った木が倒れて行く姿だった。
チクショウ、あのグリズリーの野郎。手当たり次第に……俺を救ってくれた木々よ、お前らの無念、絶対に晴らしてやるからなッ。
許さんぞグリズリーッ。
―― 常時スキル:復讐者 が発動しました! ――
なんか発動した!? でも今は確認できない。そんな暇は無いんだよっ。
雄たけび上げながら走り寄るグリズリー。木は沢山あるがこのままだとヤバいのは変わってない。
何か方法は……!? あれだっ!
見つけた俺はなぎ倒される木から飛び移る。
その際臭い腰布をグリズリーの鼻面に投げつけてやるのは忘れない。
木々の怒りを思い知りやがれ!
「ガアァァァァァッ!?」
っし、届いた!
目的の木に到着。
太めの幹に移動してゴブリンから手に入れた棍棒を取り出す。
怒り狂って飛び込んできたグリズリーの眉間めがけて投げつける。
おそらくダメージは1だけだろう。いや、グリズリーの加速度がプラスされたならあるいは数ダメージになってるかもしれない。
名前:
種族:ベア・グリズリー
Lv:16
HP:100/183
MP:0/0
TP:21/70
状態:激昂
スキル:
突進 /特攻の上位版。
切り裂く /爪で切り裂く攻撃。通常攻撃より威力が高い。
咆哮 /叫ぶ能力。周囲に状態異常・恐怖の付加。
種族スキル:
毛皮の鎧 /毛皮と分厚い筋肉と脂肪による防壁。斬撃、打撃攻撃に耐性あり。
体当たりしまくってるからだろうか? 体力も減ってるようだ。
やるな。もう残り100……まだ100もあんのかよ!?
TPは21か。あと五個分。腰布は六個。なんとかなるな。
ズンッと音と共に木が揺れる。
しかし、今度は倒れない。
そりゃあそうだ。この木の胴回りは他の木の倍以上。貴様程度の体当たりで折れるものか!
そら、くらいやがれ! テメーにお似合いの腰布だよッ!




