うさぎさん、真相を知る
ロビーにやってきた。
機械はここも安全地帯と認識しているのか、作業用ロボットたちはロビーに入った俺達を見ても何の反応も示さなくなった。
「どうやら安全地帯っぽいな」
「わっ。あそこソファあるじゃない。ちょっと座ってくる」
病院の待合場みたいに規則正しく並んだ椅子の群れに飛び込むようにして寝そべるレペスタ。
直に床座りしてたしな、椅子は魅力的なのだろう。
ペレッタも同じように椅子に座ってはふぅっと息を吐く。
しばらく休憩入りそうだったので俺はペレッタの膝に向うとそこで丸くなる。
男二人は困ったように顔を見合わせ、仕方無く休憩に入ることにしたらしい。
周囲を作業するロボットたちに囲まれながら椅子に座って寛ぐメンバー。
流石にちょっと気を許すことは難しいようで、鎧を着たままのドガッサは貧乏揺すりを始めて煩くなる。
一瞬座ったものの、キリトゥ君は直ぐに立ち上がってロビーを調べ始めた。
一応安全確認のために作業用ロボットに近づいたり、作業に割り込んでみたりしていたが、作業用ロボットは煩わしそうに見ることも無く自分の作業に没頭していた。
次にカウンターを覗き込み、実際に中に入って資料などがないか探し始める。
あまり散らかすと作業用ロボットの一部が持ち場を離れてキリトゥ君の隣に並び、彼が滅茶苦茶にした資料を片付け始める。
散らかした先から片付けられるので、しばらくするとキリトゥ君自身が片付けも行い始め、やれやれやっと片付けてくれたか、とロボットが持ち場に戻って行った。
……母さんと子供か!?
キリトゥ君もなんか恥ずかしそうである。可哀想に。
にしても、確かにこの辺は気になるんだよな。ちょっと書類覗いてみるか。
ペレッタから離れてカウンターに飛び乗ると、キリトゥ君が熱心に読んでいる書類を見る。
えーっとなになに? 異世界改造人間計画?
オイちょっと待て。いきなり凄いの出て来たぞ!?
この世界にはスキル制度があり、人間はジョブチェンジ、魔物は進化で強くなることがわかった。
我々科学者は前世の怪人能力を持ったまま生まれ変わり、これは変身というスキルで変化するため魔物とは別種、怪人も人間として認識されることは先に述べたとおりである。
またロボットは人間でもなく魔物でもない第三種として認識されていると思われていたが、レベルが上がったロボットが進化を行ったことで彼らはゴーレムの新種か何かとして世界に認識されていることが判明した。
ならば、この世界の人間を改造してみたのならば、一体どこまでを人として認識するのだろうか?
人間を使ったキメラは人間種か、それとも魔物か?
我々は限界に挑戦して行こうと思う。
……あかん、これ書いたのマッドサイエンティストにしか思えねぇ。
しかも転生者だ。
一度死んで生き返った存在だ。
改造に際し、現段階で記憶にある怪人たちを思い出しながら一先ずサンプルを作る。
フィエステリア・ピシシーダの変身システム・猛毒精製技術、ウォーター・ベアーのクチクラ装甲。クリプトビオシス状態への移行システム。それにマグネス・コピオの磁力発生システムなど、無数の……ってコラ待て。
こいつ等、インセクトワールド社の転生者じゃねぇかッ!? しかもあの愉快なドクター共かよッ。
衝撃的事実に愕然とする。
しかし、この事実で理解出来たこともある。
遺跡の作りがどこか懐かしかったこと、謎の親近感は奴らの作品だったからだ。
こんな異世界に来てまであの秘密結社関係者と会うとか、俺と秘密結社との縁強過ぎじゃね?
いや、でもこいつら遺跡の中ってことらしいし、だいぶ前に生存してたってことだよな?
あいつらが死んだって聞かされてから俺がこの世界に来るまではあまり時間が経ってなかったように思うんだけど?
うーん、単に異世界だから時間軸がおかしいってだけかな?
まぁ、ウサギの俺があれこれ考えても分からんし、分かるようならその内勝手に分かるだろ。
うさ畜生なオイラは雌を見付けて襲いかかってるウサ生だけで充分だ。
ん? なんだこれ?
資料の最後、なんか可愛らしいメイドさんみたいな女の子が見えた。
えーっと自動人型最終兵器・PS2037-K計画書?
我が人生最後の傑作として今まで得た技術全てを彼女に詰め込むことに決めた。
装甲はあのクチクラ装甲。怪人本人がお願いして来た事を全て再現させ切った奇跡の技術を組み込む。クリプト機能を持たせ、自動修復、ソーラーエネルギーシステムを採用し、半永久的稼働を実現させる。
うん、なんかすっげーヤバそうな存在の製造計画だわこれー。
なんか必殺とかなんとかでデンドロ○ウムみたいなでっかい武器庫背負うイラストもあるし、こんなの出てきたらパーティー全滅だな。
とりあえずこんなロボット出てきたら遠慮なく逃げだそう。フラグ立ちそうな気もするし、出来ればここで探索やめね?




