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うさぎさん、は戦闘を見守りたい

「重いんだが……」


 キリトゥの頭に寝そべるウサギさん。

 うん、なんか居心地は悪い。


「しかもオスのシンボルが後頭部当たってイラッと来るんだが」


 知るか。

 ほれ、さっさと進め。

 キリトゥ君の頭の上で垂れウサギと化しながら、再び冒険を始めたこのパーティーを見守る。


 近くに機械の駆動音はしないし危機察知が仕事してないから危険は無いだろう。

 一応シーフさんが頑張ってはいるのだけど、俺が索敵した方が正確なんだよな。

 ヴヴヴヴヴヴって音がほら、やってき……来とるがな!?


 慌ててキリトゥ君から飛び降りる。

 やって来たのはキャタピラ型のまるでガン○ンクみたいな人型機械。手の部分は無数の砲塔が束ねられた形状になっている。うん。ガトリングガンっぽい。


「お、おいアレ、受けられると思うか?」


 ドガッサが青い顔で告げる。

 うん、ここの遺跡はタンク役は役立たずだと思った方が良いと思うよ。

 全員避けることを念頭に、まずはペレッタが魔法障壁をキリトゥ君に掛けてキリトゥ君が敵に姿を見せる。


 即座にターゲッティングしたロボが銃口を向けた。

 キリトゥ君が素早く飛び込むように戻ってくる。

 ズダダダダダダダダダッ。と発射音が連続し、通路の壁に無数の穴が開いて行く。


「お、おいおいおい、あんなもん受けたら死ぬぞ俺?」


「タンク役として役に立てそうにないねぇ」


 一応生身の人間だしねぇ。

 そう言えばレベルアップした人間はどのくらいのレベルなら銃弾受けても平気なんだろう?

 こいつ等のレベルは20前後だから分かりづらいけど、リルハ辺りなら受けても平然としてられるんじゃないかな?


 まぁ、仕方無い、今回もウサギさんが手伝おう。

 できるなら俺は出ることなく後ろの方でペレッタさんに抱きしめられながらゆったり見学しておきたいところなのだが、流石にこのままだと全滅エンドな上に悲惨な死亡になりそうなのでウサギさんがんばります。


 電光石火で近づき帯電で抱きつく。

 ちょっと面倒だけど機械相手にはこれが一番だ。

 しかも……物質透過使って壁の中からウサギさんコンニチワ直線移動攻撃である。


「ウサギさっ……えええっ!?」


 突如走りだしたウサギが壁に吸い込まれて消えていく。

 驚くペレッタ。

 他のメンバーは俺より前に居たせいで見ていなかったようだ。焦るペレッタにどうした? とドガッサが尋ねている。


「う、ウサギさんが壁の中に入って……」


「はぁ? ウサギが壁に入る訳ないだろ」


 その声を聞きながら壁を通り抜ける。

 壁の中に居ても声は届くんだなぁ。新発見である。

 突如現れた熱源に警戒するロボット。

 武器を構えるがソレより早くウサギさんが飛び付く。

 そっらシビビビビ。


 ボンッと煙を吹いて破壊されるロボット。

 音を聞いたキリトゥ君がそっとこちらを覗いて来る。


「ウサギならロボット倒しに行ったみたいだな。速度があったから壁を突き抜けたように見えたのかもだけど、気のせいだよ」


「え? ええぇ? でも、今……」


 困惑するペレッタ。普通は壁を貫通等できないから皆が信じてくれなかった。

 こんな感じで本当は見学したかった俺がロボット撃破を行って、他の奴らが見学しているという謎の状況でサクサク進んでいく。


 おかしい、ウサギさんの仕事量が人間より多いんだけどどうなってんだ?

 しばらくそんな行為を繰り返していると、ついに大広間にやってきた。

 キリトゥ君曰く、広間には大抵ロボットは入って来ないそうだ。


 安全地帯にやって来たので焚き火を始めるキリトゥ君。

 火炎魔法と木の枝使って即座に焚き火を作っていた。

 そして見張りを二人決めて眠りだす面々。最初の見張りはドガッサとペレッタ。

 男女が起きているのはレイプとかの防止だそうだ。なぜかペレッタとドガッサは俺にいろいろ冒険の心得とか説明してくれるのだ。


 パーティー組む時は女性に気を使ったルールを設定すべしとか言われても、俺ウサギだから意味ないと思うんだ。

 ペレッタの膝枕でしばし雑談を聞いていたんだけど眠くなったのでそのまま眠る。

 起きた時兎鍋になってませんように……




 ふぁぁぅ。

 不意に気配がしたので薄眼を開ける。

 数時間くらい寝たかな。


 薄眼の先には俺に近づいて撫でようとして固まっているレペスタがいた。

 いつの間にか見張りが交代していたようだ。

 そーら撫でたきゃ撫でるがいい。

 ウサギさん、可愛い女の子であれば喜んで撫でられるよ。多少ケバい化粧してても問題ありませんぜ。


 しかし、レペスタは撫でよかやめよか考え中。とでもいうように、俺に向って手を出しひっこめを繰り返している。

 ちなみにキリトゥ君は武器の手入れに没頭していてこちらを向いていなかった。

 成る程、皆の手前撫でるのは恥ずかしいが、女の子としてもふもふには興味があると。

 もう少し寝た振りしといてやるか。

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