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うさぎさん、一時の過ち

 おはようございます、欲情中の兎さんです。

 昨晩はリルハとくんずほぐれつするはずだったのだが、直前にリアが乱入して来てそのまま拉致されました。

 で、今はリアとベッドに同禽中。


 当然、手を出してません。

 流石に子供過ぎて出す訳にはいかんっちゅーか。

 俺を抱き枕にして無邪気な寝息を立てるリアがぎゅっと抱きしめるので一日動けませんでした。

 ヘルプ。誰か私を助けてくださいっ。


「うさしゃんダメでしょー。おねしょしちゃー……」


 おいこら、夢の中で俺はどんな粗相してんだコルァ。

 寝がえりを打つ時に解放された瞬間を狙ってなんとか脱出する。

 抱き枕を失ったリアが物寂しそうに手を這わせるが、流石にもう一度抱き枕になる気になれなかったので部屋から脱出する。


 いや、普通の状態なら抱き枕されてもいいんだけどね?

 今ものすげぇ発情中だから。つか下手したら女性なら誰でもいいやと襲いかかりかねないからさ。

 とにかくリルハとハッスルしよう。そろそろ俺はヤバい。


 だが、リルハの部屋に辿りついた俺が見たのは、もぬけの殻と化した室内だった。

 朝になったのでリルハはエフィカと共に冒険に出掛けてしまったようだ。

 仕方無い姉さんにお願いするか。


 マールちゃんの部屋に居る筈の姉さんを訪ねる。

 するとマールちゃんとリックがそこに居て、姉さんは天音を元気づける為に出張中だと言われた。

 しかもテミナまで出張しているらしい。

 なんでも天音がオークキングにレイプされたため、彼女を元気づけるために最近出張が多いそうだ。

 流石に天音に会いに行くのは危険だよなぁ。下手に真実話されたりしたら桜坂に殺されかねん。


 ふーむ。そうなると俺が欲望を発散できるのは……近所のお姉さんか!

 早速向う。しかしお姉さんはご家族で食事しに向うとかでごめんなさいねと門前払い。

 こうなったらアウレリス!

 ……は、ドルアグスさん曰く襲撃者と戦闘中だから森に向うのは止めておけと村から出ようとした瞬間に念話が入った。


 珍しく、こういう日に限って遊べる相手が誰も居ないというね。

 はぁ、大人しく寝るか。

 ただし、部屋に向うとリアが来るしなぁ。

 そろそろ兎さん狂乱状態に入りそうなんだよ。


 仕方無い、しばらく馬小屋で時間を潰そう。夜になればリルハも戻ってるだろ。

 そんな軽い気持ちで俺は馬小屋へと向った。

 雌馬でもいれば心置きなく欲望を発散させるのだが、あいにくと本日は馬一頭すら預かっていなかったようだ。


 切ない気持をぶつけるように藁に突撃して眠る。

 とりあえず一眠りしとけば時間は過ぎるからな。昼間はウサギさん寝てるもんさ。

 藁にくるまりしばし、眠りに落ちようとした瞬間だった。


「うさしゃん、こんな所に居たの?」


 ぴくんっと俺の耳が声を拾う。

 薄眼を開けば、リアが馬小屋の入り口に立っていた。

 こちらが気付いたことに気付いたようで、リアが近づいてくる。


 まったく、リアから距離を取ろうとしてるっていうのにチミは何故こういう時に近づいてくるのだね。

 仕方ないから適当に相手しようと立ち上がる。

 そんな俺の傍に来たリアは、その場にしゃがみ込んで俺に視線を合わせた。


「もぅ、なんで直ぐどっか行っちゃうのうさしゃんはぁ」


 そう言われてもなぁ。今はちょっとマズい状態なんだよ。


「うさしゃん、リアはね、うさしゃんのこと好きだよ?」


 ほわっつ!? いきなりどうした!?


「だからね、リアを避けないでほしいなぁ」


 ああ、そういうことか。

 あのなぁリア。そういうことじゃなくてさ。うん、ペットとして好きなのは分かるけど今のウサギさんは女の子と見たら襲いかかる危ないウサギさんなんだよ。だから……


「よし、じゃあうさしゃん、リアと結婚しよー」


 ワァッツ!? どうして飛躍した!? 兎だよ。結婚できないよ。リアちゃん一体どういう思考でそうなった!?


「はい、結婚したからうさしゃんは離れちゃいけませーん」


 ああ、そういうことね。でも兎さんは不倫しまくるゲス夫なのでしたー。


「ちゅー」


 誓いの口付け、とばかりにキスするリア。

 ちゅっと軽い口付けをしたリアは、えへへと照れる。


「キスしちゃった。うさしゃんの子供できちゃうよー」


 なんと?


「もーけんしゃさんがね、ちゅーしたら子共ができるんだよって教えてくれたの。これでうさしゃんの子供産んじゃうね。リアお母さんになりますっ」


 子供だ。その思想は子供ですよリアさん。冒険者さんに騙されてます。


「なーんて、ね」


 えへっと悪戯っぽく笑ったリア。

 困った子だなぁ。と思った次の瞬間だった。

 子供が浮かべるべきではない妖艶な笑みをリアが浮かべた。服に手を掛け、告げる。


「ほんとはね、黒髪のもーけんしゃさんに教えて貰ったの。大人の女の人になる方法。うさしゃん。リアの初めて、あげるね?」


 な、何教えやがった黒髪冒険者ぁぁぁぁぁ―――――っ!!? 

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