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ウサギさん、VSキング2

 ゴブリンキングの串刺し完成。

 ふっ。貴様なんぞ奇襲しちまえばウサギでも殺せるんだよ。

 すたり、天音を背にするようにして着地。


 やっぱりアイテムダイアログ出てなかったから生きてるだろうなって思ったぜ。

 無数のロンギヌスに貫かれながらも濁った瞳で俺を睨みつけて来る。

 続く攻撃がないと気付くや、すぅっと息を吸い込んだ。


「GAAAAAAAAAAAAA――――――――ッ!!」


「キ―――――――――――――――ッ!!」


 咆哮には咆哮を。

 ついでに相手の実力を確認だ!


 ―― ステータス表示 のレベルが上がった! ――

 

 名前:ゴブりさん

 種族:ゴブリンキング (♂)

 Lv:199

 HP:129/27862

 MP:0/0

 TP:12/4728

 状態:激怒 ∞s

 経験人数:320

 スキル:

  暴れまくり       /周囲の被害を考えずに打撃を与えるスキル。

  気合い溜め       /次の一撃を攻撃力2倍にする。

  大打撃         /攻撃力1.5倍の一撃を放つ。

  咆哮:TP1      /叫ぶ能力。周囲に状態異常・恐怖の付加。

  拉致(Lv49)    /対象を拉致することができます。レベルにより成功率が上がります。

  危険察知(Lv18)  /危険に気付きやすくなる。

 種族スキル:

  仲間を呼ぶ       /嘶きで助けを呼びます。

  か弱き犠牲       /群れのために弱い個体を犠牲に出来る能力。

  絶倫          /交尾時に疲れ知らずになる。連続交尾可能。

  異種間性交・可     /異種族との間で子供を授かることができる。

  覇王の極意       /種族の王として眷族を持つことが出来る。意志の弱い同族は自動的に部下となる。


 おお、ステータス表示のレベルが上がって経験人数が……

 いらないよステータス表示さん。ゴブリンキングの経験人数とかいらないよ。

 というか、300人斬達成済みですか? あ、そっか。人間とは限らないからあれか、オークの娘さんが襲われたとかか。


 うん、どうでもいいな。


「ガアァァァァ!!」


 ハリネズミ状態のまま俺に向かって走り出すゴブリンキング。

 ウサギさん程度なら一撃当てれば勝てると思っているんだろう。残念だったな。

 アイテム召喚! 聖槍ミホロバ!


 槍はロンギヌスだけではないのだよ。いくぜ必殺! 黄金……玉宝破壊ナッツクラッシャー!!

 その瞬間、謎の効果音が俺の耳に届いた。そんな気がした。

 急所に突き刺さったミホロバに、ゴブリンキングは無言で身体の動きを止めた。

 泡を噴きながら倒れ伏すゴブリンキング。俺はその体に遠慮なくハチェットを投げつけていく。

 そらそらそら、俺が装備したハチェットのダメージは1づつだけど、2000くらいあるからな、残ったテメーのHPじゃ耐えきれまい。死ぃぃぃねぇぇぇ!!


 100何回目かのハチェットを投げた瞬間、ついにアイテム入手確認ダイアログが出現した。

 アイテムを入手してはい、さようなら。経験値がっぽしいただきやした。

 やっべぇなこの経験値。こりゃしばらく進化の嵐再来じゃね? 折角だしESPラビット極めてみるか?

 とりあえず100レベルまで上げたら取れるスキルないみたいだし、いや、必要そうなスキル手に入れられるのは97レベルだからそこまで上げたら戻りまくってマギカラビットの先に向かうか。


 さって、大丈夫だったか天音。

 とんだ災難だったな。でも一般学生のお前がこんな所に来るから悪いんだぞ?

 俺はようやく落ち着いて話せると天音を振り向く。

 目に飛び込んだのは……肌色だった。


 怯える少女、服は破かれ地肌が露わになっている。

 相手の俺が動物だからだろう、隠そうともしていない。

 これは、いかん……


 ドクン。急激に高まるのは欲望。

 ウサギにとって抗いがたき欲望が湧き起こる。

 いかん、相手は天音だぞ。元クラスメイトだぞ!?


「ウサギさん……やっつけて、くれたの?」


 夢現のまま、耐え忍ぶウサギの元へと無防備に近づいてくる天音。

 恐怖の対象が居なくなったのだ。

 それをウサギが救ってくれた。

 歓喜がようやく湧き上がり、天音はウサギを抱きしめた。

 感極まって涙する。


 嗚咽を漏らし、よかった。助かってよかったっ。と涙ながらに生還したことを喜ぶ。

 でも、ダメだよ天音。

 それは、ダメだ。今ウサギさんを抱きしめたら、雌の身体を押しつけられたら……

 我慢できる訳、ないじゃないかぁぁぁっ!!


「きゃっ!?」


 暴れたウサギが抱擁から脱出する。

 驚き尻持ちついた天音。その瞳に映るのは、興奮し始めた一匹のウサギ。


「え? う、ウサギ……さん?」


 うさしゃん……いっきまーすっ!!

 ル○ンダイブで天音に飛びかかる。

 もはや理性は完全に欲望に撃破され、ウサギは欲望のまま天音へと襲いかかるのであった。


「え? っちょ、きゃああああああああ――――っ!!?」


 起き上がったアボガードがえらいこっちゃえらいこっちゃと右往左往していたが、ウサギも天音も彼の存在は完全に忘れ去っていたのであった。

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