ウサギさん、交渉決裂
えーっと、アウレリスさんですか?
目の前に現れたペガサスに尋ねる。
『ええ。私がアウレリスよ。貴方ね、私の森からレッドキャップを一掃したのは?』
あー、いや、アレは小人さんを救おうとレッドキャップ一体倒したらわらわらやってきたので、ほ、ほら、アレです。巻き込まれたんですよ。やらなきゃやられてた訳です。
『だからって2000体以上のレッドキャップを殲滅させるのはやりすぎでしょう』
いやいやいや、あいつら最後の一匹まで殺気出して襲ってきましたからっ!
あいつらが悪い。俺だって命掛かってたんですよ?
レッドキャップに襲われたらほら、迎撃位するでしょ? そしたら向こうが大量にやって来て必死に相手してたら壊滅しちゃった、みたいな……
必死に弁解するのだが、そうするごとにアウレリスから怒気が発揮され始めて行く。
あ、あれ? なんかヤバい? これ、マズくね?
危険を察した周囲の魔物達が少しずつ消えて行く。
特に危機感に敏感な小動物、動物的感が強い大型生物が即座に消え失せる。
あのサルたちも既に居なくなっていた。
速いなオイ。消えるの早いよ。
誰か、フォローを、フォローをお願いします。
なんか言い訳するほど相手に怒りが溜まっていくんですっ。
あ、そ、そうだ。話は変わるんですけどね、ドルアグスさんがこれからオークとゴブリンを相手に人間と共同で戦争するからアウレリスさんにも参加を……参加を……中の人消えまーす!
会話の途中から鼻息荒く、後ろ脚をガッガッと蹴りつけ助走を付け始めたので焦って話題を変えたのがまずかった。
聞く耳持たぬと俺に向けて走り出すアウレリス。
体当たりする気だと理解した瞬間、俺は即座にシルクハットを被って消えた。
……
…………
………………
ふぅ。あ、危なかった。
見知らぬ森の中で、俺は思わず息を吐く。
周囲を見回せば、なんか丸っこい胴体に手足が生えた生物が数体。無駄に白銀の甲冑を見に纏っているのが笑いを誘う。
ステータスを確認してみると、アボガードという生物らしい。胴体はまんまアボカドの実だ。それに白銀の全身プレート。バイザー付きのヘルムまで装備している念の入り様。ついでに全身が隠れるくらいの盾を装備している。
そんなアボガードが300体程。どうやら彼らの巣に脱出してしまったようだ。
突然現れたウサギさんを見付け慌ただしく連絡し合っている。
鳴き声とか出てないんだけど会話は出来ているようだ。
近くに居る二体のアボガードの一人が両手を上げて驚いたジェスチャーをしている。ちょっと可愛い。
俺は徐々に怖々集まってくるアボガード達に伝家の宝刀を引き抜く。
左手を垂直に立てて、前に向けて押し出したり引いたりしながら歩きだす。
はーいごめんよごめんよー。ちょっと通るよー。
アボガードたちは戸惑いながらもウサギさん用の道を作っていく。
左右に割れて行くアボガードたちに見送られながらウサギさんはアボガードの巣を脱出したのだった。
なんか楽しそうな場所だったから暇が出来たら菓子折り持ってまた来ます。
ところでアボガード、一体どんな生態なのか。食料、ってなんだろう? 水か?
さて、危機を脱出出来たのは良いけどアウレリスは俺を探すだろうし、逃げ切るのはなかなか難しそうだ。
交渉にすらならなかった以上何かしらの行動で俺の生存を認めさせるしかない。
どうしたもんかね?
考えようとしたその瞬間。
危機察知能力がけたたましく鳴り響く。
はっと顔を上げた俺の視界に飛び込んで来たのは、上空から俺へ向け滑空して来るアウレリスだった。
どうやら上空から俺を見付けて襲いかかるつもりらしい。
え、えーとえーっと、す、ステッキから花! って、間違えた!?
思わずアウレリスに花を差し出した俺だが、アウレリスは構わず突っ込んでくる。
脱兎で飛び退いたのと、地面が爆散したのはほぼ同時だった。
あ、っぶな。そのままいたら即死案件だよ。
くいしばりあるから即死じゃないけどな。
『外したか……』
猛進過ぎでしょうよ!? 殺す気か!?
『殺す気に決まっているでしょう。あんたのせいで私の森は戦力ダウン。他のボスどもから随分弱くなったなと蔑まれ、最近は侵略に来る奴まで出始めたんだからッ』
それは俺のせいじゃないでしょう。そもそも集団でウサギ一匹に襲いかかるレッドキャップを戦力扱いしてる方が悪いと思う。
そのうち人間に討伐されていただろうし。
あるいはあの森の中の村が壊滅した後オークやゴブリンと三つ巴で闘う構図でも思い描いてたとか?
しっかし、森の勢力次第で侵略して来るボスもいるのか。大変ですねぇ。
と、思った瞬間、近くの小石が弾け飛んだ。
風魔法が石を吹っ飛ばしたのだ。
気付いた瞬間横っ跳びに近くの樹に隠れる。
『黙れッ、貴様のせいだっ』
理不尽過ぎるよアウレリスさん。今は激昂状態なのでこちらの話は全て怒りの炎にくべられてしまう。
今は一先ず相手の激情を削ぐしかないんだけど、さて、どうしたもんか。
----------------------------------------
名前:うさしゃん
種族:ESPラビット・シロウサギ
二つ名:雑草ハンター・ハイエナ・ヤリ逃げ犯・アホの子・人生の迷い子・暗殺兎・スピードファイター・詐欺師・噂の亡霊・一騎当千・ゴブリンキラー・殲滅者/状態:発情、進化可能、巨人殺し、麒麟の加護
女性被害者:3人 動物被害者:2匹
Lv:11 HP:453/453 MP:87/93 TP:101/101
所持ストロ:4211380
経験値ストック:162285
技スキル:咆哮/連打/シュート/飛び蹴り/ドロップキック/回し蹴り/掌返し/疾風怒涛/魔素取り込み
ESP:サイコキネシス(Lv1)/透視(Lv1)/エコーロケーション/サイコメトリー
(Lv1)/パイロキネシス(Lv1)/確率操作(Lv1)/アクセラレート(Lv1)/ウェザーアルタレート(Lv1)/念話(Lv1)/ディスターバンス(Lv1)/瞬間移動(Lv1)/帯電(Lv1)/物質透過(Lv1)/浮遊(Lv1)
マジックスキル:親指消えまーす/中の人消えまーす!/ステッキから花/貫通しまーす/隠すと増えます/何処からでも出ます/連なって出ます/人体切断マジック/ボックスマジック/浮き上がる杖/空飛ぶウサさん/脱出
魔法スキル:魔力弾/魔力盾
盗技スキル:盗む/強奪/魔法で盗む/マジックスティール/乱れ盗む/連続盗み/HPを盗む/MPを盗む/TPを盗む/心を盗む/パンツ盗む/ブラを盗む/知能を盗む/視界を盗む/気力を盗む/状態異常を盗む/スキルを盗む/お金を盗む/
常用スキル:ステータス表示(Lv2)/変身/索敵(Lv2)/根性/身代わり/不退転/勝利の雄たけび/魔力視/魔力吸収/魔力変換/身体強化/拉致(Lv2)/経験値手動割り振り
耐性スキル:毒耐性(Lv2)/麻痺耐性(Lv1)/腐食耐性(Lv1)/魔力耐性(Lv1)/恐怖耐性(Lv1)
常時スキル:危険察知(Lv3)/忍びの一撃/並列思考/継続戦闘/雑草魂(Lv3)/死者への誓い/くいしばり/魔力回復・極小/水泳/浮上/木登り(Lv2)/壁昇り(Lv1)/着地上手/テクニシャン/絶倫/異種間性交・可/生殖器最適化/人族特攻/巨人殺し/黄金玉宝破壊
種族スキル:粗食耐性/脱兎/病気弱点/ぷにぽよん/擬態
加護:麒麟の加護/系統樹確認
不要:カードスラッシュ/スプーン曲げ・微/カードを切る/飛び跳ねる/百面相/予告状/破壊音波
絆システム:ベッツ0%、ザイン1%、ガロン0%、リルハ0%、エフィカ0%、リア5%、アーマードスカンク( )1%、クロウ0%、河童1%
所持品
草類
薬草×38、薬草(毒)×58、薬草(麻痺)×59、薬草(沈黙)×77、薬草(腐食)×23、薬草(狂化)×47
毒消草×85、麻痺取草×84、雑草×208、即死草×51、たんぽぽ×20、ヘンルーダ×30、宝石草×5、虫下し草×17、エリ草ぁ×142
マキノコ×104、サルノコツカケ×76、笑い茸×66、パラライマッシュルーム×27、マジックマッシュ×5、梅茸×2、ドクササコ×41、カエンタケ×3
肉類
蛇肉(毒)、虫肉×8、ゴブリンの肉×2703、鹿肉
高級豚肉、キンツル、オークの肉×6、豚頭×7、犬肉、豹肉、熊の手、熊肉
毛皮類
ホーンディアの毛皮、グリズリーの毛皮、豹の毛皮、コボルトの毛皮、ブラックコボルトの毛皮、臭い腰布×20、綺麗な腰布×1、激臭の腰布×2675
武具類
緑の小さな鎌×8、棍棒×20、ホーンディアの角、ひのきの木剣、木斧、ウッドスタッフ、物干し竿、銀の胸当て、シルバーヘルム、ナイトブローバ―、魔法調節付き胸当て、魔法調節付きフルプレートメイル、アームダガー、神弓イチイバル、半裂きの鎌、聖剣タラコクチビル、聖剣ベルファウル、魔剣クリップ、宝剣グリルガウディ、神剣ヘリザレクス、聖槍ミホロバ、神槍ロンギヌス×47、青銅の槍×5、シルバーナイフ×2、ララリリク、ジャミール・アパティ、ハチェット×2675
装飾品
熊耳カチューシャ、豹柄Tシャツ、タキシード、蝶ネクタイ、シルクハット、ステッキ、赤いハンカチ、赤い帽子×2675
その他
魔石×2680、魔石・大×2、魔石・極大、ポイズンスネークの尾、進化の種、退化の種×999、ミニチュアハウス、魔力回復薬・極上×8
ゴミ
虫の羽×8、???からの手紙




