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うさぎさん、麻痺る

 というわけで、湖にやって来ました。

 どうしましょう。

 なんかヤバいのが水浴びしています。


 名前:

 種族:ベア・グリズリー

 Lv:16

 HP:183/183

 MP:0/0

 TP:70/70

 状態:普通

 スキル:

  突進          /特攻の上位版。

  切り裂く        /爪で切り裂く攻撃。通常攻撃より威力が高い。

  咆哮          /叫ぶ能力。周囲に状態異常・恐怖の付加。

 種族スキル:

  毛皮の鎧        /毛皮と分厚い筋肉と脂肪による防壁。斬撃、打撃攻撃に耐性あり。


 レベルが高い。かなり強力な個体だ。

 特にこの辺りの森にしては強い。レベルも16。この辺りでどうやってそこまでレベルを上げたのやら。

 そしてその横には……


 名前:

 種族:ディアー・ホーンディア

 Lv:4

 HP:47/47

 MP:0/0

 TP:34/34

 状態:普通

 スキル:

  突進          /特攻の上位版。

  貫き          /突き攻撃の威力を高める。

 種族スキル:

  仲間を呼ぶ       /嘶きで助けを呼びます。

  か弱き犠牲       /群れのために弱い個体を犠牲に出来る能力。


 鹿ぁっ!? そして種族スキル! 酷いな。仲間を呼んでのか弱き犠牲。人身御供に差し出されたホーンディアが可哀想過ぎる。ってかそれがこいつか?

 いや、違うな。水浴びしているグリズリーの近くで水飲んでるけど狩られたりはしていない。

 おそらく泉では攻撃しないとかの暗黙の了解があるからかもしれない。

 グリズリーも視界にホーンディアを収めつつも気にしてないようだし。


 でも怖いので俺は気にせず別の場所に行こう。

 泉は安全地帯、かもしれない。それだけ覚えておけばいい。

 泳ぎを覚えるのはまた後日でいいや。命あってのモノダネだ。

 というわけで、泉近くの別の場所へ向った俺は、また新しい雑草が生えた地帯へと足を踏み入れた。


 名前:

 種族:植物・麻痺取草

 Lv:1

 HP:5/5

 MP:0/0

 TP:0/0

 スキル:

  常時解麻痺         /自身の状態異常麻痺を中和する。

 種族スキル:

  麻痺取草          /食べられると食した生物の状態異常・麻痺を中和する。

  光合成(Lv3)      /光を取り込み二酸化炭素から酸素を作り出す能力。

  雑草魂(Lv2)      /どんな堅い地面からでも生える生命力。ちぎられて根から離されても2日は自身の鮮度を保つ。


 名前:

 種族:植物・薬草

 Lv:1

 HP:10/10

 MP:0/0

 TP:0/0

 状態:麻痺

 スキル:

  常時回復          /自身のHPを1回復する。

 種族スキル:

  薬草            /食べられると食した生物のHPを30回復する。

  光合成(Lv2)      /光を取り込み二酸化炭素から酸素を作り出す能力。

  雑草魂(Lv2)      /どんな堅い地面からでも生える生命力。ちぎられて根から離されても2日は自身の鮮度を保つ。


 都合のいいことにこの辺りの薬草には麻痺毒がある。しかし……これはどうするべきだ?

 口に入れた途端に麻痺る事は確定だろう。

 となると、その後に麻痺取草を食べることはできないはずだ。

 そして麻痺毒を喰らった俺はしばらく麻痺で行動不能、格好の餌にされること請け合い。

 結論。同時に食べる。


 俺は食べた。右手に麻痺取草、左手に麻痺状態の薬草。同時に口に含んでもごもごもご。一瞬だけびりっと身体が麻痺る。

 即座に回復。でも麻痺する草が口の中にあるのでまた麻痺る。同時に麻痺取草があるので直ぐに回復する。

 やばい、これはイイ戦法を見付けてしまった。二種類ないと無理だけど、他の状態異常もこれで何とか出来るハズ。


 ああでも痺れる。

 このピリ、ピリ、ピリっと断続的に来る感覚……ああ、らめぇ、そんな趣味はないのにぃーとか言いたくなってしまう。

 でも誰もツッコミ入れてくれないので一人ピリピリしながら草をもっしゃもっしゃ食べていく。

 途中、食べ過ぎでお腹を壊したが、そこはまぁ回復できる薬草の御蔭で体力だけは維持できた。


 しっかし最近草しか食べてないよな俺。

 ニンジンとかちょっと別の食材が欲しいというか……

 でも地面掘るのとか面倒なんだよなぁ。


 あっ……

 考え事しながら食べていたら麻痺付き薬草と麻痺付き薬草を同時に食べてしまった。

 しびびびびび。

 ウサギが一匹、草食んだまま麻痺状態に入る。

 運がいい事に誰にも発見されなかったが、あまりにもバカなことをやった自分に自己嫌悪に陥るウサギが、口から麻痺付き薬草を零しながら痙攣するのだった。

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