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ウサギさん、魔法を共同開発する

 どれどれ、と覗いてみれば、何かよくわからない文字だらけである。

 これは流石に役に立てそうにない。

 そう告げようとギルド長を見れば、ギルド長もそれは理解していたのだろう。


「これはの、新しい鑑定スキルの企画書なんじゃ」


 なんだそりゃ?


「今までは鑑定スキルと言えば専用の魔道具を使った使い捨てじゃったわけじゃが」


 いや、そんな当然のことのように話されても。まぁ俺もリルハが使ってたから大体分かるけど。


「この魔法が確立されれば魔道具は要らなくなるんじゃ。魔法を唱えるだけで……ん? どうしたかね?」


 俺は困った顔で耳を撫でる。

 これ、俺にとっちゃステータス確認で出来ることなんだけどな。

 一先ず文字に書いて説明して見る。


「なんと、そなたはステータス確認で相手を見れたのか」


 ドルアグスとかは見えなかったけど、道具だって見れたぞ?


「しかし参ったの、これでは次の学会に報告できる新魔法が無くなってしまうぞ」


 成る程、学会で発表するために新魔法開発してるのか。

 うーん。でも今までも俺以外の異世界転生者いた訳だし、ある程度の魔法は開発されてんじゃないのか?

 とりあえずアレの理論でも書いてみるか。


 俺は羊皮紙一つを使い、海、陸、山を簡易に描く。

 ウサギの姿だから結構面倒だな。

 そんな俺の姿を見て何をするつもりかと訝しむギルド長。


 雲を描いて水の循環を描き切る。

 そう、水は雨となって山に降り、地下水が川として流れて陸地を移動し、海へと至る。

 海から太陽に温められて水蒸気となり水蒸気が雲になる。


「ふむ。残念じゃがこれは既に前の異世界人が発表済みじゃ」


 ありゃ残念。でもそこからの派生は?


「ふむ……いや、しかしな、コレがどう……いや、待てよ。海から水蒸気が上がり、それが雲となり、雪、あるいは雨となって降り注ぐ。そして土が水を濾過して……ん? 水を、濾過?」


 お、水の濾過はまだ手を付けてなかったのかな?


「飲み水を作る魔道具。水さえあればどんな水でも濾過……」


 むぅっと唸り始めたギルド長。

 はっと気付いて俺に視線を向ける。


「この発想をもう少し飛躍させてみようと思う。すまんが今回は……」


 コクリ頷くとギルド長は申し訳なさそうにする。


「すまんの。試験は合格じゃ。ちょっと待っとれ」


 ギルド長は部屋のドアを開いて受付嬢を呼び寄せる。

 近くに待機したままだったようだ。

 同時にリルハも入って来て、受付嬢はギルドカード作成に走り去っていく。


「では嬢ちゃん、ウサギくんと共に受付で待っていてくれたまえ」


「はい」


 そして俺はリルハに抱きあげられてギルド長室を後にした。

 さてさて一体何が出来るのか。

 魔法理論とか新魔法とかなんか面倒臭そうだなぁ。まぁ、俺が今後関わることは無いだろ。


 ギルドの待合所に向かう。

 そこには三人のおっさんが座っていた。

 リルハに気付くとよっす嬢ちゃん。とフレンドリーに声を掛けるリーダーの男。


「あら、ベッツさんたちですか。なにしてんですか?」


「何もしてねぇんだこれが。この前ウサギの巣を襲撃して以来呪われちまってな。ようやく三人揃ったんだが身体が鈍っててよ。浅い場所に行くか打ち合わせ中」


「君は確かフリーのサポーターじゃなかったか。良ければ一緒にどうだろう?」


「うむ」


 リーダー格はなんか悪人面な勇者っぽい顔立ちの男。

 魔法使いと思しき男はやせ形で、少し影がある。そして両手の指先がなくなっていた。

 強面巨漢の男はリルハに興味が無いのか頷いたあとは両腕を組んで椅子に持たれて眼を閉じる。


「残念。本日は完全休暇です」


「そうか。残念だ」


「ところで確かザインさんでしたっけ、その手、どうしたんです?」


「ん? ああ、これか。ウサギの呪いだ。病名はドクササコというものらしいのだがな」


「凄い刺激臭のする布が突然降って来てよぉ、気付いたら全員状態異常ドクササコ。教会じゃ呪い解けなくて、町医者に聞いたらよ、毒キノコ喰ったんだろとか言われてよ。地獄の一カ月だったぜ」


「直して貰えなかったんですか?」


「おう。毒キノコは解毒法無いらしくてな。御蔭でザインの奴は指先が壊死しちまってよ。ひでぇことしやがる奴もいるもんだ」


「ほんと、酷いですねー」


 そんな会話を聞きながら、俺は全身の震えを隠すのに必死だった。

 何故って、こいつらじゃねーか。俺の住処を燃焼させやがったのはっ。

 ドクササコ、ひでぇ奴もいるもんだ?

 自業自得じゃねーか。てめぇらのせいで俺も姉さんも住処を失ったんだぞ!? あのあと森を数日彷徨わされたし、命の危険ありまくったんだからなっ!


 この恨み、ドクササコ程度では済まぬと思え……

 俺はどうやって復讐してやろうかと黒い欲望を渦巻かせるのだった。


 ----------------------------------------


 名前:うさしゃん

 種族:サイキックラビット・シロウサギ

 二つ名:雑草ハンター・ハイエナ・ヤリ逃げ犯・アホの子・人生の迷い子・暗殺兎/状態:発情

 Lv:6  HP:283/283 MP:72/72 TP:70/70

 所持ストロ:3962000

 経験値ストック:5

 技スキル:咆哮/連打/シュート/飛び蹴り/ドロップキック/回し蹴り/掌返し/疾風怒涛/魔素取り込み

 マジックスキル:親指消えまーす/中の人消えまーす!/ステッキから花/貫通しまーす/隠すと増えます/何処からでも出ます/連なって出ます/人体切断マジック/ボックスマジック/浮き上がる杖/空飛ぶウサさん/脱出

 魔法スキル:魔力弾/魔力盾

 盗技スキル:盗む/強奪/魔法で盗む/マジックスティール/乱れ盗む/連続盗み/HPを盗む/MPを盗む/TPを盗む/心を盗む/パンツ盗む/ブラを盗む/知能を盗む/視界を盗む/気力を盗む/状態異常を盗む/スキルを盗む/お金を盗む/

 常用スキル:ステータス表示(Lv2)/変身/索敵(Lv1)/根性/身代わり/不退転/勝利の雄たけび/魔力視/魔力吸収/魔力変換/身体強化/拉致(Lv2)/経験値手動割り振り

 耐性スキル:毒耐性(Lv2)/麻痺耐性(Lv1)/腐食耐性(Lv1)/魔力耐性(Lv1)

 常時スキル:危険察知(Lv2)/忍びの一撃/雑草魂(Lv2)/死者への誓い/くいしばり/魔力回復・極小/水泳/浮上/木登り(Lv1)/壁昇り(Lv1)/着地上手/テクニシャン/絶倫/異種間性交・可/生殖器最適化/人族特攻/巨人殺しジャイアントキリング黄金玉宝破壊ナッツクラッシャー

 種族スキル:粗食耐性/脱兎/病気弱点/ぷにぽよん/擬態

 加護:麒麟の加護/系統樹確認

 不要:カードスラッシュ/スプーン曲げ・微/カードを切る/飛び跳ねる/百面相/予告状/破壊音波


所持品

草類

 薬草×74、薬草(毒)×58、薬草(麻痺)×59、薬草(沈黙)×77、薬草(腐食)×23、薬草(狂化)×47

 毒消草×85、麻痺取草×84、雑草×208、即死草×51、たんぽぽ×20、ヘンルーダ×30、宝石草×5、虫下し草×17、エリ草ぁ×142

 マキノコ×104、サルノコツカケ×76、笑い茸×66、パラライマッシュルーム×27、マジックマッシュ×5、梅茸×2、ドクササコ×41、カエンタケ×3

肉類

 蛇肉(毒)、虫肉×8、ゴブリンの肉×27、鹿肉

 オークの肉、豚頭、犬肉、豹肉、熊の手、熊肉

毛皮類

 ホーンディアの毛皮、グリズリーの毛皮、豹の毛皮、コボルトの毛皮、ブラックコボルトの毛皮、

 臭い腰布×21、綺麗な腰布×2

武具類

 緑の小さな鎌×8、棍棒×25、ホーンディアの角、青銅の槍

装飾品

 熊耳カチューシャ、豹柄Tシャツ、タキシード、蝶ネクタイ、シルクハット、ステッキ、赤いハンカチ

その他

 魔石×2、魔石・極大、ポイズンスネークの尾、進化の種、退化の種×999、ミニチュアハウス

ゴミ

 虫の羽×8、???からの手紙

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