からっぽ
いるのかな
ボクはほんとうに
ここにいるのかな
うすい手のひらをひろげ
深くささくれた
右のひとさしゆびで
左の手のかたちを
カサカサとなぞってみる
うつむいてのぞきこめば
この胸は
ただぽっかーんと
大きく口をあけているだけで
見えるかい
ふくれあがる空洞に
今にも
おしつぶされそうなボク
ぼんやりと
遠くにきこえる
あれは
キミが呼ぶ声なのか
それともただの
まぼろしなのか
それでも
ボクは
ボクを
あきらめきれなくて
つるつるの壁に
ひとり
爪を立てつづけている