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〜翡翠の彼、瑠璃の彼女〜  作者: 狼×狐
第二章・変わりゆく学園生活
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12・終戦



「……シャーニッド」


「なんだい、ギルバート」


「あのアンノウンという奴……どう思う?」


 シャーニッドは少し考えて


「……わかることは、恐ろしく強いこと、僕達二人でも勝てるかわからないということだね」


「同感だ……ただ、エリックが妙なことを言っていた」


「妙なこと?」


「あぁ、ま、それは後で考えればいい、か。とりあえず、今は試合に集中しよう」


「そうだね」








 


『始め!』



 目の前には剣を中段で構えたアンノウン、動く気はなさそうだ。



 ギルバートは二歩ほど後ろに下がり、詠唱を開始する。



 そして、シャーニッドは小手調べという感じにアンノウンに突きを放つ。


 勿論、アンノウンは剣を使い防ぐ。


 二秒ほどの均衡状態が続いた。そして、ギルバートが魔法を完成させ……シャーニッドへ向かって魔法をかける。


 途端、均衡していたのに変わり、シャーニッドが押し始める。


 強化魔法___炎、水、土、風のどの属性にも当てはまらない魔法だが、魔法をかけられた者の身体能力を一時的に底上げする効果がある。


 シャーニッドはそのまま刀で剣を切り落とそうとする。シャーニッドの刀は恐ろしい切れ味があるために、力の加え方によってはそれも可能にしていた。



 が、しかし、アンノウンは甘くない。


 自分の獲物を切られようとしてると直ぐに察知した瞬間、剣を離し、バランスを崩したシャーニッドに思い切り蹴りを放つ。



「っ、あぁ!!」



 吹き飛んだシャーニッドは……詠唱中だったギルバートに直撃し、ギルバートの詠唱は中断されてしまった。



「っいてて……流石に甘くないね……」



「そうだな……さて、まあ、二人でやるしかないか」



「そうだね、っと!」



 シャーニッドの言葉を合図にギルバートは右から、シャーニッドは左からアンノウンに対して攻撃を開始する。


 しかし、大会で一番のコンビネーションをもつギルバートとシャーニッドの攻撃も……アンノウンは紙一重で避ける。



 そう、剣撃だけなら。




「____奪えばとなる、雷の槍!」


 ギルバートは剣を振りながら、ひたすら簡単な詠唱を行い、魔法を発動させ続けた。


 二人の剣撃に近距離の魔法攻撃、アンノウンは次第に避けきれなくなっていく。


 そして、ようやく一撃が手にかすった、その時、アンノウンが初めて口を開いた。




「……なるほど、あいつの忘れ形見に、異端と呼ばれた剣術使いか……悪くないな、が」


 アンノウンの動きが、急激に早くなる。



「まだまだ未熟だな」



「な!」



 シャーニッドは目で捉えられなかった、ただわかったのは、己の刀が真っ二つにされたという結果のみ。




「シャーニッド!」


 ギルバートは驚き、一瞬手が止まる。


「チェックメイト」


「……クッ」


 その隙を見逃すわけもなく、アンノウンはギルバートの剣をも綺麗に切り落とした。


「仲間になにがあっても動揺はするな。その一瞬の気の取られが、敗北に繋がる」


 アンノウンはギルバートの剣の先端を拾いながら言った。




 そんな何気ない動作が、昔、ギルバートは見覚えがあった。



「あんた……いや、貴方あなたは!」



「お、ようやく気付いたか」


 アンノウンはフードを脱ぎ捨てる……。



 そこには、騎士科の生徒なら全員知っている顔があった。



「親父!?」


 観客席に居るエリックが叫ぶ。



 そう、そこに居たのは、エリックの父、こと、騎士団長その人だったのだ。

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