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〜翡翠の彼、瑠璃の彼女〜  作者: 狼×狐
第一章・翡翠色の眼/瑠璃色の瞳
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10・想定外1

すいません、分けて投稿するために、明日か明後日も投稿しますね。


 シャノンはベンチで眠っているフリをして、犯人を誘き寄せる『エサ』となり、犯人が近づいてきたら俺が捕獲する……というのが一番始めに提案された方法だったが、これは俺がシャノンの近くに居なければならなく、流石に近過ぎれば犯人に気づかれてしまうだろうということで、没にされた。



 では、どうすればいいか、それを解決する方法が___


「まったく、あの人は何者なんだよ……」


 フェルニー式拘束魔法陣試作2号と名のついた魔法陣をさらに隠蔽するために上から魔法陣をを二重に構築したものだ。


 シャノンの周り4メートルの範囲に敷くことにより、犯人がシャノンの近くに行く前に捕まえることができる。もちろん、この技術を考え出したのはフェルニー教授だ。



 しかし、この魔法陣には弱点がある。



一つは、魔法陣に(あらかじ)め入っていた魔力量しか魔法は継続できない。


二つ目は、試作品、ということでわかる通り、この魔方陣は完成していない。なんと、魔法を10秒程度持続するための魔力しか入らないのである。




 要するに俺は、その10秒で犯人の元へ行き、戦闘不能の状態までしなくてはいけないということである。


 因みに、その10秒でシャノンはその場から離脱、シャーニッドのところに行くという計画だ。



 この作戦は一回しか使えないために絶対に犯人を捕まえなくてはいけないのに加えて、内部の犯行の線もあるために、他の先生の協力は得られない。


 フェルニー先生に関しては、完璧なアリバイがあるために、協力してもらっているのだ。まぁ、非戦闘員なので作戦中は役に立たないのだが。


 それでも、今回の作戦がこんなに早く実行できたのは明らかにフェルニー先生のお陰であることは変わらない。その点は感謝している。




 





 作戦が開始してから少し経って、シャーニッドから連絡が入った。


『こちらシャーニッド、ギルバート、 少しいいかな?』


「こちらギルバート、どうした?」


 シャーニッドが重い口調で話し出す。


『ギルバート、落ち着いて聴いてくれ』


「……ああ」


 もしかして、別の場所で誰かが襲われたか? それとも魔法陣に欠落があったか?


 などと想像を巡らす。


 しかし、イヤホンを通じて聞こえてきた言葉は、まったく違うものだった。





『……シャノンさん、本当に寝てるみたい……』


「は?」


 思わず間抜けな声が出てしまう。



『だから、ベンチで熟睡してるかもしれない、呼びかけても一切返事がなくて、寝息みたいなのが聴こえるんだ……』


「……おいおい」


 この状況で寝れる神経に逆に尊敬する。



 ……まて、ということは



「犯人が来ても……逃げられない?」


『…………そうだね』


 

 それは不味(まず)かろう。



「しかたない、俺が起こしてこよう……」


 そういい、シャノンの元へ向かおうとした刹那、静止が入る。



『ギルバート! ちょっとまて!』


「あ?」


『来た、ヤツが来たよ』



 どうやら、俺たちは最悪な状況でこの展開を迎えたらしい____。

 

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