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僕は・・・僕は、産業廃棄物になるんだ~~!! 3

「・・・ただいま」陰鬱だった。世界が終わってしまったようだ。いや、既に終わっているのかもしれない。そこまで考えてふと立ち止まる。今の僕ってシスコンすぎないか?僕とつむぎはもっと離れたプラトニックな関係のはずだ。ていうかなんでそもそも僕はそんなこと気にしてたんだ?別にどうでもいいじゃないか。

「おかえり」

既にご飯を食べていたつむぎはこっちを見ずにテレビを見ていた。うん、四方八方上も下も、どこから見てもいつものつむぎだ。ちなみにつむぎは制服以外スカートをはかないので、下から見ても良いのだ。

僕はほっ、と息を吐いて階段を上がり、部屋に入った。電気をつけるとベッドがこんもりしていた。首を傾げつつ布団を剥ぎ取ろうとした。だがしかし、それ以上の力で押さえつけられていて、剥ぎ取ることはできなかった。

「・・・何してるんですか、さつきさん」

「・・・・・・」返事はない。ただの幽霊のようだ。・・・って怖いなこの表現!

「ふん。耕太なんか嫌いだ!」

嫌われていた。

しかもはっきりと正面から言われた。流石の僕でもショックだ。サンタクロースに扮した父さんがクリスマスに家にやってきた以来のショックだった。あれって結構死にたくなるよな。つむぎは大泣きしてたし。子供たちを喜ばせようとして頑張った父さんはかわいそうだったけど。当時は必死でそれどころではない。

「僕はさつきさんのこと好きですよ」

この『好き』は今まで乱用してきた『好き』とは格が違う。『プラトニック』と『プラスチック』くらい違う。

「嘘だ。今日は散々私のことを無視したくせに!決めたぞ、私はひきこもりを決行する!」

ひきこもりというか立てこもりというか蛹みたいだが、そう言うのはやめておこう。しかし随分狭い空間にひきこもるんだな。身動き取れないじゃん。

あれ?ていうか僕がさつきさんを無視?いや、これは蛹とムシ(虫)が掛けられてるわけじゃないだろう。記憶を呼び覚ましてみるがそんなことした覚えはない。ていうか今日は記憶自体がなかった。

「・・・私のことがほんとに好きというのなら200字で謝れ」

ムチャ振りだった。

「いやいや、ムリですよ。そもそも僕は国語が苦手なんですから。ていうか得意教科なんてほとんどないですけど。いや、確かに無視はしたかもしれません。でもほんとに今日のことは覚えがなかったんです。信じて下さい。普通僕がさつきさんを無視するわけないじゃないですか。だってさつきさんと話をするのは何よりも楽しいんですから。正直神様を引きずりおろして代わりにさつきさんを据え置きたいくらいです。だから機嫌直してください」

「・・・1文字オーバーだ。0点」数えられてた。ていうか適当に喋ったのにニアピンなんて凄いな僕。

くそっ、こんなことなら「おろして」を漢字にしておけばよかった。

「機嫌直してくれたら今度おいしいものご馳走しますから」

「・・・・・・」あ、無言になっちゃった。そりゃあ尊厳ある人をもので釣るなんて恥知らずな行為だったな。まずい、ほんとにさつきさんに嫌われたかも。

「・・・駅前のシュークリーム3個だ」

「・・・・・・」釣れちゃった!しかもわりと安価だ!なんて簡単な人なんだ!

「ばか者!あそこのシュークリームを馬鹿にするな!中の甘いクリームをカリカリの生地で包み込んだそれはそれは一級品の・・・」

布団を翻して出てきたさつきさんがいきなり早口でまくし立てたので、僕はそっとさつきさんに布団をかぶせなおし、ご飯を食べに一階へ下りた。

「あ、うん、わかった。じゃあね、シュウ君。日曜日に」

つむぎが電話していた。ちなみに中学生であるつむぎは携帯を持っていない。結果、リビングか2階の両親の部屋の子機を使うことになる。つむぎは僕を見ると、しまった、という顔をした。

「なに、誰と電話?日曜日にどっか行くの?」僕は極力感情を殺して聞いた。

「別に。耕兄には関係ないでしょ!」と、つむぎはマスコミからの質問に対して「別に」と言ったどっかの女優のようなセリフを残し、どたどたとレディーにあるまじき擬音を発生させながら階段を駆け上がって行った。

冷静な表情とは裏腹に僕は決意に燃えていた。しかし、これはもう少し先の・・・というか明後日の話。それよりビックイベントが明日ある。

―――ああ、どうしようっ!!





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