酸っぱい
【今年も酸っぱいが解禁】
味覚庁酸味局の発表を受けて十日の午前零時、日本全国で一斉に酸っぱいが解禁になった。今年の酸っぱいは、ややできが良く、昨年に比べ後味がハッキリしている。酸味研究家の澤田秀樹さんの話によれば、この春から初夏にかけての晴天が酸味の熟成に良い影響を与えたようだ。
この解禁に先立って全国各地の百貨店では各種の催しも開かれた。市内の東郷百貨店では、九日の午後十時から特別催事場を開放して集まったお客さん達と酸っぱいの解禁をカウントダウンした。カウントダウンとともにデジタル時計が十日の午前十二時を表示すると、会場内で歓声が起きて集まった人々は皆各々の酸っぱいを頬張った。開場とともに一番のりでこの催しにやってきた市内の会社員太宰静香さんは梅干しを頬張り「今年も待っていましたよ。やっぱり酸っぱいが無ければ夏は始まりませんね」と語った。
この酸っぱいも約三か月後の10月末で再び禁止されてしまう。今年は解禁が例年より多少遅れたため、この酸っぱいを楽しめる期間は短くなってしまったが、今年は再度禁止になるまでの間、質の良い酸っぱいを楽しめるだろう。