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ぱられる  作者: 楸由宇
13/20

コレクショニア

 コレクター同好会と言う集まりが有る。

 私もその同士の一人だ。

 これは、皆が同じ物を集めている訳では無い。

 そんじゃそこらの集まりでは無い。

 同好会のメンバーは個人個人それぞれ違う物を集めている。

 皆それぞれのこだわりを持って、なかなか面白い物を集めている。

 元書店を経営していたKさんは、書店のレジによく置いているようなキャンペーン用の栞を集めている。30年以上の筋金入りだ。集めた栞は1000種は下らないだろう。

 大学生のY君は、ある種類のガムの包み紙を集めている。3センチ×5センチくらいの銀色に光るシートだ。一枚一枚奇麗に延ばして、今は2450枚集めたらしい。

 教師歴13年のGさんは、生徒の髪の毛を集めている。一歩間違えれば、犯罪に走りかねないが、採取した髪の毛を一本一本コピー用紙に張り、生徒の名前と採取した日付、その他に色々とその生徒に関することを書いている。流石に、他のコレクター仲間からも気味悪がられているが、なかなかどうして素晴しいコレクションでは無いですか。彼は、400名程集まっているらしい。

 我が同好会の紅一点、薬局勤めのTさんは、なんとコンドームを集めている。コンドームと一口でいっても、かなりの種類がある。集め始めてはや五年。今は一部屋まるまるコンドームのパッケージだらけになってしまったらしい。数はもう本人にも分からないと言っている。

 異色な溜め込まないコレクターもいる。溜め込むと余りに膨大な量になってしまうからだ。そのFさんは、ある地方新聞を第1版から最終版まで集めている。全国紙では無いので、比較的集めやすいらしいのだが、ほんの少しの距離や時間差でかなり細かく版が違っているらしい。どうやって集めているのか分からないが、独自のルートが有るらしい。仕事が終わった後、全てに目を通すのが楽しみらしい。

 活動的なコレクターとしては、整理券マニアのRさんがいる。イベントやセールのときに配られるあの整理券だ。しかも彼は必ず1番を取りにいく。少し大きなイベントなどでは1泊2泊は当たり前だ。つい最近、狙っていたイベントの整理券を取り損ねたと言って嘆いていた。1日と8時間前に並びにいったら、既に先客が居たらしい。そのときのRさんは本当に悔しそうだった。

 比較的正統派のコレクターとしては、マッチのコレクターがいる。ある大手証券会社の会長をしているAさんだ。しかし、彼が集めているのは主にブック型のマッチだ。集めて50年近く経ったらしい。今は、段ボール箱40箱以上有るらしい。そのためだけのアパートを借りている程だ。

 髪の毛を集めているGさんより気味悪がられているIさんがいる。彼は、毛虫好きで日本にいる毛虫の殆どの標本を持っている。私も見せてもらったことが有るが、あまり気持ちが良い物では無かった。

 他にも、トランプマニア、サイコロマニア、空き箱マニア、フリーソフトマニア、フォントマニア、帽子マニア、目覚まし時計マニア、文庫カバーマニア、ラブホテル限定ライターマニア、ダイレクトメールマニア、映画の新聞広告マニア、コカコーラの瓶マニア、街頭で配っているティッシュマニア、診察券マニアなど色々なコレクターやマニアがいる。

 彼等の話を聞いていると、普段何気なく見過ごしてしまう事に気付かせてもらえて興味深い時間を過ごす事ができる。

 え? 私のコレクションは何かって?

 私のコレクションは、コレクターだよ。コレクターのコレクター。今まで紹介してきたコレクター達が私のコレクションだ。

 私は自分の事をコレクショニアと自称しているけどね。他の誰にも負けないコレクションだと自負しているよ。

 今は総勢99名。あと1人で100人なんだが、君は何かを集めているかね?

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