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ぱられる  作者: 楸由宇
12/20

 久しぶりに金魚を買った。

 特筆すべきところが無いただの金魚だ。

 全部で3匹いる。

 餌をやった。

 すごい勢いで食べている。

 お腹が空いているのだろう。

 ぱらぱらと金魚の餌を水槽に撒く。

 ぱらぱらぱらぱらぱらぱらぱらぱらぱら。

 餌をどんどん食べる。

 ぱくぱく食べる。

 ぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱく。

 ぱらぱらぱくぱくぱくぱらぱらぱくぱく。

 気が付けば一昼夜餌を撒き続け、餌を食べ続けている。

 ぱらぱらぱくぱくぱくぱらぱらぱくぱく。

 既に金魚と一緒に買ってきた餌は無くなった。

 食卓の上にあった食パンを千切って与える。

 むしゃむしゃ食べている。

 食パンもすぐに無くなり、冷蔵庫から魚肉ソーセージを出してきて与える。

 むしゃむしゃ食べている。

 ソーセージもすぐに無くなる。

 既に3匹の金魚は、水槽一杯の大きさだ。

 風呂に水を張り、そちらへ移す。

 冷蔵庫から、チーズ、らっきょう、ハム、トマト、人参、合挽きの挽肉、鶏のささみ、冷凍コーンを出してきて与える。

 がつがつ食べている。

 冷蔵庫から残り全てを持ってきた。

 がつがつ食べている。

 すぐに無くなった。

 家の中から食べるものが全て無くなった。

 仕方なく買い物に出かける。

 近所のスーパーの肉を全て買い占めた。

 戻ると風呂の中には一匹しかいなかった。

 あまりのひもじさに共食いをしたらしい。

 生き残った金魚は既に風呂を一杯にする大きさだ。

 巨大な金魚は、気持ち悪い。

 大きな口は、恐ろしい。

 買ってきた肉もすぐに無くなった。

 泣く泣く飼い猫のチャッピーを与える。

 頭からがつがつ食べた。

 食べさせるものがもう無い。

 仕方なく自分の頭を金魚に与えた。

 ばくっ!

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