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ぱられる  作者: 楸由宇
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人参パーク

 最近よく同じ夢を見る。

 人参の夢だ。

 それも、人参の公園の夢だ。

 そこは、どう見ても公園なのに、何故かそこかしこから人参が生えているのだ。

 どうにも不思議な夢だ。

 そして、必ずその公園である人物と会う。

 その人物は、それぞれの夢で全く違う外見をしているのだが、同一人物と分かる。

 何故なら、その人物は公園に生えている人参を引っこ抜いてボリボリと貪り食っているのだ。

 そして、必ず3口ごとに「ショッパイ、ショッパイ」と呟くのだ。

 最前、同じ夢と言ったが、必ずしも同一の夢では無いことを付記しておこう。

 何時しか自分の中では、その公園は「人参パーク」で、その人物は、「しょっぱい太郎」と名付けられていた。

 

 ある朝、いつもの様に人参パークとしょっぱい太郎の夢を見た後、目が覚めた。

 時計を見るとまだ朝の5時半だった。

 しかし、妙に目が覚めてしまい、再び寝付くことが出来なくなってしまった。

 平時は7時に起きるので、まだ1時間半も眠ることができるのに、もったいないなと思った。

 しかし30分頑張っても眠れなかったので、仕方なくベッドから這い出した。

 Tシャツとスウェットを身に付けると、何となく散歩に出たくなり、朝もや煙る街へと繰出した。

 

 その後のことはよく覚えていない。

 見慣れたはずの街を歩いていたはずなのに、気が付くと見覚えの無い道を歩いていた。

 いや、正確に言うと、全く見覚えがない訳では無かった。

 何となく嫌な予感がした。

 その道の先には公園が在った。

 早朝にも関わらず、公園には人がいた。

 恐る恐る周りを見回すと、果たしてそこは人参だらけだった。

 ヒョロ長い先客は、何も言わず人参を引っこ抜いている。

 その先客はおもむろに振り向くと、人参を差し出した。

 

 気が付くと、ベッドの上にいた。

 時計を見ると、7時24分だった。

 慌ててしまった。

   あれも夢だったのだろうか?

 でも、右手にはしっかりと人参が握られている。

 齧るととてもしょっぱかった。

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