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ぱられる  作者: 楸由宇
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 私は、道行く人々がガラス瓶を抱えて歩いているのをよく見かける。ほとんど空のガラス瓶もあれば、透明な液体が入っていたり、砂が詰まっていたり、ゴミが詰まっていることもある。

 私の他にそのガラス瓶の存在に気が付いている人はいない。

 稀に、輝かんばかりの金色の粉や液体が詰まっている人を見かけることがある。そういう人は大抵、大金持ちだったり、有名人だったりする。

 ほんのり紅い液体の入ったガラス瓶を二人で抱えている恋人達を見かけることもある。

 一度だけ、空っぽのガラス瓶を抱えている人を見た。彼は、次の日のニュースで飛び降り自殺をしたことが分かった。ある時は、底の抜けたガラス瓶を抱えている少年を見かけたこともあった。彼は、その1週間後、授業中に担任をナイフで刺して捕まった。

 人々が抱えているガラス瓶はその人の心を写している。

 私のガラス瓶には何が入っているのだろう。

 いつまで経っても、自分のガラス瓶の中身を見ることが出来ない。

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