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八代くんと体育祭

「定期的に更新できるように頑張ります!」みたいなことを言った気がしますが、三か月くらい開いてしまった!すみません!ゆっくりペースで進めてまいりますので、よろしければ楽しんでいってくださいませ~


「はーい、じゃ今日は体育祭の出場競技決めしまーす」

そういって教壇に立ったのは我らが担任、徳永ちゃんだ。徳永ちゃん、というと同級生みたいだけどれっきとした先生で、担当科目は国語。「先生」と呼ばれることがあんまりないのは、徳永ちゃんがまだ教師歴二年で私達との年齢差が小さいからだ。他のベテランの先生も安心感があって好きだけど、徳永ちゃんはまるで親戚のお姉さんみたいな身近さがある。

「豊田ー、黒板書いて~」

「はい!」

そう指名されたのは体育祭実行委員に選ばれた豊田くん。運動が得意でスポーツ推薦で入学してきた、という噂もある我がクラスきってのエースである。徳永ちゃんが言った競技名を豊田くんが黒板に書いていって、ついに挙手するタイミングになった。羅列されている競技は、徒競走、二人三脚に騎馬戦、借り物競争など様々だ。…私は運動が苦手で走るのも遅いしなぁ。どれにしよう。そんなことを思いつつ、ちらりと隣の八代くんの様子を窺ってみる。八代くんは案の定、すやすやと穏やかな寝息を立てていた。

「じゃあまず徒競走希望の人ー」

まばらに手が挙がったけれど、競技に参加する人数は八人。どうやら人が足りないみたいだ。豊田くんと徳永ちゃんもそう思ったらしく、

「他にいないかー?」

と声がかかる。みんな互いを窺い合うように視線を動かしているけど、更に手が挙がる気配はない。

「じゃあ、一回飛ばして最後にもう一回考えることにします!」

そうやって順番に参加者を募っていった。私はというと、なっちゃんから鋭いアイコンタクトが飛んできたので、二人三脚に参加することに。なっちゃんは足が速いけど私は普通…いや、むしろ遅い方だ。なっちゃん、私が足遅いからって文句言わないでよ、なんて冗談交じりに伝えてみると、当たり前でしょ!私が早矢のこと一番にするし!と返ってきた。頼もしい友人を持てて私は幸せです。

なんて言っていたら、競技決めはついに二週目に突入したようだ。八代くんもいまだ参加競技が未定のまま。まだ参加競技が決まっていない人が集まって、話し合うことにしたみたい。八代くん、行かなくて大丈夫なのかな。

「八代くん、まだ競技決まってない人で集まるみたいだよ。行かないと」

こそっと声を掛けても八代くんは起き上がらない。こりゃ、随分ぐっすりだ。と、その時豊田くんの明るい声が飛んでくる。

「八代―、お前徒競走なー」

「…え」

それまで微動だにしなかった八代くんの口から思わず、といった風に声が漏れた。そりゃそうだ、急に競技を指定されたんだから。のそりと起き上がった八代くんが豊田くんに何か言おうとしたけど豊田くんはもう話し合いに参加していて気づく様子はない。仕方がない、と口を閉じつつも何だか心許なさそうな八代くんと目が合った。何だか迷子の子犬みたいで可愛らしい。

「頑張ろうね」

「…うん」

応えてくれた八代くんは、すぐにいつもの体勢に戻っていった。

季節はガン無視、作中は五月あたりのイメージでお届けします!

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