始まり
突然だが皆は物語というものを知っているだろうか?
私はそれが嫌いだ。理由は話せないけれど心の底から嫌悪している。
ところでこの世界には〝能力〟というものが存在している。そうまるで私の嫌いな物語のように。
物語と同様に私は能力も嫌いだ。
元々自分も同じただの人だったのにたまたま自分が手にしただけなのに、それを手にした瞬間まるで自分が優位に立った様に振る舞う。そんな人々に嫌気が指しているからだ。
なんて誰に説明しているのだろう。
そろそろ起きてまた生き延びるための準備をしなきゃな…
〜朝〜
私はその身体を気怠げに起こし、準備をする。“奴ら”が来るよりも先に
逃げなければならないでないと殺されてしまうから
見つかってはならないでないと殺されてしまうから
そんな事を考えている時のことだった、足音がこの廃墟に響き渡った。
まさか“奴ら”が来たのだろうか。
いやそんなはずはない。何故なら今は朝、空は明るく警察だって巡回している。流石に奴らもこんな時間に来るはずがない。
“奴ら”は私達無能力者が嫌いだがそれ以上に自分たちの地位を失うことの方がよっぽど嫌うはずだからだ。
そんな事を考えているうちに何やら話し声が聞こえてくる。
「本当にここで合っているんだな?」
「ああ、合っている。ここに無能力者がいるということは先日の調査で判明したことだ」
「ならいいだろう。バレたら面倒だがこんな町外れの廃墟に来る人間はいない」
「それもそうだな。なら始めますか」
「「無能力者狩りを」」