第二章「家族との対立」
レンとカナが学校から戻ると、レンの家では族長である父と長老の祖父が重苦しい空気の中で話をしていた。レンはいつものように自由について考えを巡らせていたが、家に入ると、その雰囲気に気がつき、足を止める。
族長(父)「レン、ちょうど良かった。お前にも聞いてほしい話がある。」
レン「何だろう?また、僕のことか?」
長老(祖父)「いや、もっと重要なことだ。東の壁の向こう、最果ての海から魔の国の扉が開いたとの報告があった。」
レンは突然の話題の変化に驚くが、好奇心が湧いてきた。
レン「魔の国の扉…?それって、冒険の始まりじゃないか!」
族長(父)「お前には関係ない。危険すぎる。我々が対応する。」
レン「でも父さん、僕たち風の国の人間は自由なんだろう?なぜ僕が外の世界を見てはいけないんだ?」
父親は厳しい表情でレンを見つめる。
族長(父)「自由には責任が伴う。お前はまだ若すぎる。」
レンの母が優しく彼の肩に手を置く。
母「レン、お父さんも祖父も、君のことを心配しているのよ。」
レン「分かってるけど、僕はただ、本当の自由を知りたいんだ。」
レンは部屋を出て、カナの方を向いた。
レン「カナ、もし魔の国の扉が開いたって本当なら、それは僕たちにとって大きなチャンスかもしれない。自由を求める旅…一緒に行こう。」
カナはレンの決意を感じ取り、彼を支えることを決心する。
カナ「レン、私も行く。どんな困難があっても、君と一緒なら乗り越えられる。」
その夜、レンは窓から星空を眺めながら、未来への希望と冒険への渇望を胸に秘めていた。彼の心は既に風の谷を飛び出し、広い世界へと向かっていた。レンとカナの決意は固く、二人の旅の準備が始まるのだった。