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 ぼっと明るい炎がともった。

 火打ち石の代わりになりそうな石を見つけて、頑張って、枯れ木のところで、石をぶつけてみると、火花が起こって、炎をともすことができた。(やった)

 森での生活は、はじめてではなくて、村で学んでいたけど、道具をなにも持たないままで森に入ることははじめてだったので、不安だったけど、とりあえずはよかった。

 ぽちぱちと小さな川のほとりで、小さな橙色のぼんやりとした丸い明かりの炎をともして、ドナはドミノと身を寄せ合うようにして、静かな夜の中を過ごした。

 黒い森の中の夜はとても寒かったけど、ドミノの体はあったかかった。(だから、なんとか冷たい夜を過ごすことができそうだった)

 ぐぅ〜、とドナのお腹がなった。

 ずっとなにも食べていないから、とてもお腹が減っていた。それはドミノも同じことだった。

 お水が飲めただけでもよかった。

 ドナは橙色の炎をぼんやりと眺めながら、そんなことを思っていた。

 明日は、なにか食べるものを見つけないといけないな。この森の中には食べものはあるかな? なにかの実が実っていたり、あるいは、小さな川の中にお魚さんがいるかもしれない。

 森の動物もいるかもしれないし、こうして炎がともせるのなら、なんとかなるかもしれないな。

 と、うとうとする意識の中でそんなことをドナは思った。

 それから、やがてドナはドミノに包まれるようにして、眠りについた。

 ドミノはドナを守るようにして、丸くなり、やがて自分を瞳を閉じて、とても静かな眠りについた。

 小さな炎が消えると、また世界は真っ暗になった。

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