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 ドナはきょろきょろと辺りを見渡した。なにか靴の代わりになるようなものを見つけなければいけない。なにかないかな? なんでもいい。なにか。木のつるとか。大きめの葉っぱとか。

 そんな風にドナがその小さな顔を動かしていると、白い子供の狼が、くいくいとドナのローブのような服を口に咥えて引っ張った。

「どうかしたの?」とドナは言う。

 すると白い子供の狼はすくっと立ち上がって、ゆっくりと歩き始める。

「ついてこいって言うの?」と顔を斜めにしてドナは言う。

 白い子供の狼は立ち止まって、ドナを見る。「うん。わかった」と言って、ドナはなんとか歩いてみようとする。でも「いたっ」と言って、ドナは一歩目で、その足を動かせなくなってしまった。

 すると白い子供の狼はその体をドナのすぐ近くまで寄せると、ぐるる、と言って、ドナに自分の背中を見せた。

「背中にのれっていうの?」とドナは言った。

 すると白い子供の狼はまた、ぐるる、と言って小さくこくんとその顔を動かした。

 少しの間、ドナはその綺麗な青色の空みたいな澄んだ白い子供の狼の瞳を見る。

 それから「ありがとう」と言って、ドナは白い子供の狼の背中にのった。

 大きな体をしている白い子供の狼の背中にドナはのることができたのどけど、白い子供の狼が無理をしていないか心配になった。

「ごめんなさい。重たいよね」とドナは言った。

 白い子供の狼はドナになにも言わずに、ゆっくりとドナを背中にのせたままで、色のない大地の上をゆっくりと歩き始めた。

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