episode1〈冷たく寒い日〉
今日は、雪の降る日だ。窓の外を眺めながら2学期が終わるのを待っていた。
「キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン」「起立、気をつけ、礼」「ありがとうございました」
「お前らー気をつけて帰れよー」先生の声と続け様に、「よっしゃー終わったことだしみんなでカラオケ行こうぜー」「賛成ー」
俺は、その会話を横見にしながら荷物をまとめていた。なぜかって?俺は、友達がいないからだ。
こういう奴らの思考など全く持ってわからん。何がそんなに楽しいのかがらわからん。そう思いながら荷物をまとめてさっさと教室を出た。
「あいつ人とのコミニケーションできねーよな」
「ん?あいつ?」「そうだよ今1番早く帰った」
「あー松下のことか」「そうそう。あいつザ陰キャって感じw」「それなw。あいつ何が楽しくて生きてんだろーなw」「www」
俺は、クラスの扉の外でじっと聞いていた。
悲しさなんてそんなものはもうない。腹が立つのは、惨めな自分と、今の現状を認めている自分だけだ。
でもそれでいい。どうせ俺のことなんてすぐに忘れる。そうして俺は、生きてきたのだから。
小.中学までは、まだ俺は、友達がいた。
でもあの日の出来事から俺の友達はいなくなっていった。