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安西さんと色分け

「1年生4組は赤組に決まりました」


 雨がいつ降り始めるか分からない、妙な雲が空を覆う中、来月に控えた体育祭の色分けが発表された。

 この学校では3学年が赤、緑、青、黄、橙、白の6つの色に別れて、得点の高さを競うらしい。体育館でクラスの色が決まった瞬間、各クラスの生徒たちが騒ぎ出していた。


「ねぇ、芳樹よしき。赤組だって!」

「赤組っていってもな」


 帰宅部だから先輩と関わったことが一回もない。俺にとってはどの色でもほぼ同じだ。


「2年2組には部活の先輩がいるんだよね~」

「あっ、そうですか」

「あっ、そうですか、って、つれないな~芳樹は。安西さんに言っちゃうよ?」

「なんでそこで安西さんが出てくるんだよ!」


 少し声のトーンをあげすぎたのか、先生たちが睨みつけるようにこちらを見てくる。


「しー、静かに」

「お前なぁ」


それにしても体育祭か。安西さんに下手な姿は見せたくないが、花形種目はそもそも運動部が行うイメージだ。俺の出番なんてほぼない気がする。安西さんはいつも寝ているけど、何の種目を選ぶんだろう――。


ちらっと左後ろを確認すると安西さんが体育座りをしなから、顔を隠していた。

この場所でも、寝てる?


「芳樹、色別に分かれるって。私たち赤組は柔道場らしいよ」


そんな種目のことを考えていたら、天江に肩を叩かれた。周囲にいた人たちは、指定された場所に動き始めている。


「安西さんは――」


……いない。さっきまで寝てたのに。もう移動したってことだろうか。


「芳樹、早く行くよ!」

「そうだな」


俺はゆっくり立ち上がり柔道場へ急いだ。


「はい、全員注目!」


柔道場に移動した赤組を待っていたのは、赤いTシャツを着た小柄な女生徒だった。先輩らしき女生徒がジャンプしながら手を挙げたと思うと、パンッとその場で手を鳴らす。その瞬間、騒がしかった場内が静かになり、全員が彼女に注目し始めた。


「みんな、そろったね! 今回赤組団長に選ばれました、3年の羽柴伊織はしばいおりです! 今年は1年生が4組、2年生は2組、3年生は私たち5組が赤組だね! 年に1度の体育祭! 1年生は分からないことも多いだろうから、先輩たちに教わりながら一緒に頑張ろう! 2年生は1年生のお手本となるようにね。3年生はそれ以上! みんな一緒に頑張ろ~! せ~のっ」


「「「「お~!」」」」


彼女の掛け声で、全員が拳を上げた。


どんなことが起こるか分からないけれど、できるだけ頑張ろう。

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