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教える安西さん

「というわけで、新しいバイトの斉藤さいとうくんよ」

「わー」

「よろしくお願いします」


 新品の制服に着替えた俺を待っていたのは、まちさんと安西あんざいさんだった。喫茶店の真ん中で、二人がパチパチと手を叩く。

今までお手伝いをしてきて2人のことを知っている分、バイト初日でこうも手厚く迎えられると恥ずかしくなってくる。


「制服は、サイズもばっちりね」

「はい、どこも違和感はないです。動きやすいくらいですし」


 前までは昔働いていた人が使っていたという制服を着ていたが、「新しい方が絶対いいわ」という町さんの提案で新調してもらうことになった。


「斉藤くんは土曜日と平日の2日間来てもらうことになったから、杏里、あんまり斉藤くんに、勉強教えてとか言わないようにね」

「もう、分かってるから!」


町さんにそう言われ、安西さんはむすっと頬を膨らませた。


シフトについては町さんと相談して決めてもらった。今までは安西さんの勉強を教える目的で、学校が終わった後、安西さんの家にいってずっとお手伝いをしていたが、本格的に働くとなると忙しい土日は人手が必要。忙しいんだったら土日とも働きたいと伝えたけれど、町さんに断られた。


「そんな心配しなくてもいいのよ? 私からお願いしたんだから。土曜日と日曜日のどちらかは来てほしいけれど、学校がない日くらいゆっくり休んで、ね? ね?」


と念押しされたくらいだ。そして、月曜日は学校だからということで休日は土曜日に働くことになった。平日は安西さんと勉強会の日付も含めて、決めることになっている。


時給についても、今まではお手伝いとして地域の最低賃金よりちょっと多めに貰っていたが、勉強を教えてくれているからと、お手伝いをしていたときより増やしてくれるとのことだった。


「じゃあ、杏里あんり、斉藤くんのことお願いね」

「うん。じゃあ、まずは――」


ということで、安西さんに接客の仕方から順番に教えてもらうことになったんだけど。


「ね、簡単でしょ?」

「どこが?」


 皿洗いに調理に電話対応。今まではお手伝いで料理を運んだり、掃除をしたりするくらいだったが、ちゃんと働くことになるとこうも違うのか。決して楽だとは思ったことはなかったけれど、寝ちゃうくらい本当に大変だったんだな。


「キミなら大丈夫だよ! 分かんなくなってもお母さんや私がついてるから!」


いつもは寝ている安西さんだけど、この仕事をしているときは、頼もしく見える。


「うん、分からなかったら安西さんに相談するよ」

「じゃあ、これから一緒に頑張ろうね!」

「うん、頑張ろう!」


できるだけ安西さんたちに迷惑をかけないようにしないとな。

読んでいただきありがとうございます。


安西さんが教えてくれるそうだけど、大丈夫かな?


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