第5話
好きだ。 一人の人間として好きだ。
この気持ちは、どうやったら止められるか、
だれでもいいから、だれかこの恋を止める方法を教えてください。
戌野さんが、どうして好きになったのかは、わからない。
だけど、向こうは俺のことを、ただの会社の同僚とかしか見てないのがわかる。
自分から戌野さんを誘うことにした。
二人で、お酒を飲みながら、話すことにした。
酔った勢いで、告白できればいいのに。
だけど、お酒を飲んで、一番最初に酔ったのは、戌野さんの方だった。
酔いながら、
「何で、恋が上手くいかないのさ?」
「え?」
「叶わない恋なんか、なければいいのにさ、友達だから、自分のことを好きだと思うのに、好きでないとか、どうゆうことだよ?」
酔った人の言うことはあてにしない方がいいのかもしれないけれど、
信じていたいという自分がいた。
「こんなに好きなのに」
好きでいるのが、俺ならいいな、かすかな希望と期待を抱く。
「僕は、不幸なんだ。
恋が報われなくてさ」
俺も、不幸・・・・・。
俺の恋も、報われないような気がしてくる。
「僕は、一人の男と報われていない」
え?
「戌野さん、俺が好きだったり・・・・」
「それ以外、だれがいるんだ」
酔った人の言うことは、信じないほうがいいって頭ではわかっていても、
俺は信じていたい気持ちがあった。
次の日には何事もなかったかのように二人同じところで寝ていて、
そうか、ここは戌野さんの家。
戌野さん、昨日の告白、憶えてくれているかな?
憶えてくれているといいな。
俺から、その話を切り出せそうになかった。
「おはようございます」
「おはようございます」
戌野さんが俺を抱いて、
「あったかい」
「抱かないでくださいよ」
本当は、嬉しいけれど・・・・・。
「僕の片思いって、報われるのか不安になったんだす」
「さあ、お互いの気持ち次第じゃないですか」
俺の片思いだといいな。
「麗さんは、僕のことをどう思っていますか?」
「どうも思っていません」
「好きです」とか「愛しています」とか、言えればいいのに。
俺は、告白に対しては意気地なしのように思えてきた。
「もしも、僕が麗さんを好きだと言ったら、どうしますか?」
難しい質問をされたな。
純粋な友情なら、冗談を叩けるのに、
純粋な恋をしてるからこそ、気まずい空気が俺の中でできる。
「付き合うんじゃないですか」
「付き合ってくれるんですか?」
適当な並べた答えだった。
もしかしたら、戌野さんは、真剣に聞いているのかもしれない。
「なら、僕と付き合ってください」




