第3話
当時は両親とぶつかることが多かった。
まず、両親の言うことが大学に進学するようになってから、信じられなくなってきた。
俺も純粋じゃなくなってきてるんだな。
大学に進学するようになって、煙草を吸う人が日常的に見る光景となった。
友達とか何人か吸っていたし、化粧、タトゥー、整形とか全然不自然ではなかったし、ヤンキーを名乗る奴もいた。
みっちゃんは、全身ピンクとかよくあったし、就活の面接をする時に、ゴスロリの服とかカラフルなスーツとか着てはよく落とされていた。
興味のあることしかしないし、化粧はいつも厚化粧だった。
彼女は10センチや15センチ高いヒールを履くことが当たり前で、身長は150センチにも満たなかった。
俺がみっちゃんと別れるようになったのは、四年生の頃で毎年、俺の誕生日を祝うみっちゃんが「しばらく忙しいから」と誕生日を祝うことがなかった。
俺の方から「何が忙しいの?」とメールで聞いてみても、返答がなかった。
おかしいなと思い、彼女の家とかをストーカーみたいに調べてみたら、みっちゃんは浮気をしていた。
きっと、何かの勘違いだ。
みっちゃんが浮気とかするかな?
浮気してそうな気がするんだが。
とにかく、事を大きくしたくなかった。
「話があるの」とみっちゃんからメールが来て、俺はカフェに向かうことになった。
近所で有名なタピオカカフェだった。 よく高校時代の友達と一緒に行ったことがある。
テーブルはガラスで、タピオカが入っている入れ物もガラスで綺麗だった。
外の景色とか眺められるけど、夏とかは直射日光が当たり、眩しかった。
店員さんは大体二、三人ぐらいの小さなカフェだった。
「で、話って何?」
嫌な予感しかしない。
浮気したことは触れないでおくつもりだったけど、別れるための口実が何も思いつかなかったから別れられないでいた。
「別れてくれないかしら?」
「うん、いいよ」
「そんなすんなり?」
逆に驚かれてしまった。
「四年も付き合ってるんだし、そろそろ飽きてきたかなって思って」
「飽きたとかそんな人に見えるのね」
早くその話を終わらせたいし、別れたい理由なんて聞きたくない。
「別れよう」の一言で終わるなら、それでいいじゃないか。
「好きな人ができてさ、その人と付き合うことになったの」
「良かったね、おめでとう」
「怒らないの?」
「気持ちは冷めてるし」
「いつから?」
「いつからかはわからないけど、四年付き合えただけでもすごいけど、君に対する恋愛感情は一年生の時だけだよ」
「なら、別れてくれれば良かったのに」
「別れる理由なんてないからさ」
「あるじゃない?」
「あるとかないとか、今はどっちでもいいよね?
俺たちはどちらにしても終わるんだし」
「浮気して正解だったわ」
「みっちゃんは、浮気するくらい俺が好きじゃなかったということになるよね」
「あたいは…あたいを愛してくれるなら誰でもいいの」
「どういうこと?」
「高校三年生で初めて彼氏ができたから、嬉しかったの。こんなあたいでも愛してくれてるんだって。
あたいに、ひとまわり年が離れたお兄ちゃんがいたんだけどね、高校二年生の頃に結婚しちゃったの。
お兄ちゃんみたいな人がほしかったの。お兄ちゃんがずっとあたいと一緒にいてくれるとか、思っていたから。
お兄ちゃんみたく面倒見が良くて、責任感もあって、お金でサポートしてくれて…、そんな人がほしかったの。
中学生からお兄ちゃんがあたいの学費とか払ってくれて、そんなお兄ちゃんみたいなことを誰もあたいにしてくれない」
お兄ちゃんみたいなことって…?
「お兄ちゃんは、もっとあたいに尽くしてくれた。きっと、今の彼氏も年上なんだし尽くしてくれるはずよ」
「年上って、いくつくらい?」
「五歳」
これ、いつか別れそうだ。
「お兄ちゃんと違うってことがわかったわ。 これでお別れね」
浮気するくらい、兄という存在にここまで妄信的でいるなら、そんなものは尚更、こちらから願い下げだ。
みっちゃんとこうして別れたけど、不思議と寂しい感じはしなかった。
だけど、俺は二度と恋愛をしないと決意をした。
面倒なことに巻き込まれたくないから。




