弓時るいきの物語
僕は、弓時るいき。
身長はただ160センチ越えてはいるけど、そんなに高い方ではない。
石ノ木くんの力は、とてつもなく異世界の法則を変えた。
素手で、クーデレラを消滅させて、クーデレラの血筋の者は誰一人いなくなった。そう‥‥恋野くんも‥‥。
人間世界には、クーデレラの血筋がいないから、そんなに大きな影響は思ったよりなかった。
ただ、異世界がひとつ滅んだ。
石ノ木くんの力は、とてつもなかった。世界ひとつを滅ぼす力があるのなら、この僕たちの住んでる世界も、壊せるということになる。
石ノ木くんは、近付いてはならない。
僕たちの星が無事なのはたまたまなんだ。
せめて、石ノ木くんのその力が消滅するか、石ノ木くんの命が終わるまでこの地球が無事でありますように。
石ノ木くんは神に近い存在と言える。
普通に学校に行けば、隣クラスの石ノ木くんが視界に入る。
見ないようにしよう。だけど、僕は石ノ木くんのすることが気になってしょうがない。
だけど、美元さんや恋野くんみたいに僕ははっきり言えない。
言っていいのかどうか迷ってしまうから。
時々僕が言ったのかいけなかったとか、言い方悪いかなとか自分を責めてしまうことがある。
言わなくちゃ。近くにいるなら、異世界がどうなったとか、恋野くんの行方とか、僕しか聞くことができないはずなのにその勇気すらなかった。
もしかしたら石ノ木くんなら、世界の破壊だけじゃなくて世界の修復もできるかもって期待している自分がいる。
歴史改ざんしたのなら、それくらいできるはず。
僕がやるしかない。だけど、失敗したら世界が終わりを迎える。僕だけの問題じゃなくて、地球の命もかかっている。
ここは慎重にいかなくちゃ。
「石ノ木くん」
「何だ?」
日々喧嘩を繰り返した石ノ木くんの顔は前より悪くなった。
クラスのいじめっこや両親、先輩も殺したらしい。だけど、誰も石ノ木くんの仕業なんて思わない。
正式には石ノ木くんの歴史改ざんにより、殺したと言うよりもいなかったことになってる。
優狩竹緒さんは歴史改ざんにより、163センチから158センチまで縮んでしまった。優狩さんが5センチ以上の高いヒールを履かない限りは抜かせない。それで、石ノ木くんは「学年一背が高い」と喜んでいる。
「恋野タイト君って知ってますか?」
同い年なのに敬語を使ってしまうくらい、石ノ木くんがこわい。
「ああ、知ってるさ」
「なら、どこにいるか‥‥」
言葉が最後まで続かない。
「歴史改ざんにより、いなくなったからね。
まず、異世界なんてものじだいないから、恋野がいたとしても恋野じゃないかもしれない」
「つまり?」
「クーデレラの力がどういったものか俺が最近になってよく知った。
クーデレラの血筋の人は平均より身長が高くなるんだよなあ。
ただ、浄化担当は平均より低くなるらしいが」
「何を言いたいの?」
「恋野タイトは、クーデレラの血筋だから、ちょっと平均より高かったんだ」
僕はクーデレラについてはよくは知らない。
「恋野は、クーデレラの力がなければ身長が低くなるし、異世界とも関わりを持たない。
恋野は弓時のことなんか知らねえかもしれない」
「僕はどうしたらいい?」
「それは弓時次第だ。
ちなみに俺は、歴史を戻す気がないがな」
僕は自分が何をしたいかわからなくなった。
歴史改ざんはこんなに恐ろしいものなんだ。
今、恋野くんと会っても僕の知ってる恋野くんじゃないかもしれない‥‥。
そもそもクーデレラは、歴史上クールぽっい人が多かったからそう名付けられたらしいけど、そのくらいしか知らない。




