第1話
オレは覗水くぼ。中学2年生。
俺は男なんだがなぜか名前がひらがな。
今、幼なじみって程ではないけど友達で小学6年生の恋野タイト。
高校1年生の少女、男塚 慄胡がオレの家に遊びに来ていた。
3人が出会ったのは、男塚が小学6年生で、オレが4年生、恋野が2年生の頃だった。
あの頃から学校なり公園なりで遊んで仲良しだった。
「覗水、聞いてるか」
恋野がオレの顔の前で手を振る。
「何だよ?」
「さっきから聞いてるかなって思って」
「聞いてるわい」
「本当ですか?」
恋野はこうゆうところがある。
オレたちの中で一番最年少だから子どもぽっいところは仕方ないかもしれないけどこれでもオレの方が2歳も年上なんだし、そろそろ考えてほしい。
恋野は一人称がいまだに名前呼びだし、誰にたいしても敬語を使うところがないからこいつはいつになったら大人になるのか定かではない。
「そろそろ帰る時間ですよ」
男塚が口を開いた。
男塚は女だけど名前に「男」がつくのは仕方ないことだけど外見的にも内面的にも女らしかを感じない。
一人称は「俺」だし、女特有のお喋りなところもないし、スカートをはいてるところを見たことない。中高とかは制服だと思うけど彼女の制服は今まで見たことがない。
身長も女子にしてみれば高いし、唯一女らしいと感じるのはショートヘアーでないことだと思う。
「えー、やーだー」と恋野。
「今日は泊まるんですか?」
いまだに年上にも敬語を使う恋野もどうかと思うけど年下にも敬語を使う男塚も違和感を感じる。
だけど男塚は敬語を使うわりにはすぐ人を呼び捨てにするんだよなあ。
「泊まらせない」とオレ。「今日は母親が帰ってくるんだ」
オレの両親は共働きで二人とも単身赴任。
お父さんはいつからかわからないけどお母さんはオレが小学3年生の頃から単身赴任先から帰ってこないとかあるからその時からお母さんの妹つまりおばさんが姪っ子をよく家に連れては一緒に留守番もしてくれたし、家事もおばさんがしてくれた。
恋野の両親も男塚の両親も単身赴任だけど恋野には学年が1つ上のお姉さんがいて、いつもお姉さんが面倒を見てくれたらしいし、男塚には独身で男塚とは年がそんなに離れてないおばさんが来てくれるらしい。
男塚の話によるとお父さんの妹らしい。
「やだあよ、お姉ちゃん中学入って以来なかなか帰ってこないもん」
男塚が一瞬だけ微笑んだ。
男塚は普段無表情だけど時々微笑んだり、時々カチンときた様子だったり、時々一瞬驚いたりと玉に表情を変えることがある。
「なら、俺の家に泊まりますか?」
「それなら、帰る。どうせおばとやらが家に来てるんでしょ?」
だけど男塚は表情を変えることなく
「今日はいろいろとありがとうございました」
「じゃあね」
何だよ、お礼なしか。恋野が大人になる日はまだまだ先かな?
恋野と男塚は二人で帰っていった。




