第7話
寒い牢屋。
確か、今は夏のはずで、季節的には暑いはずなのに、ここは寒くて、布団も毛布もない。トイレすらもない。
だから、床という痛いところで寝るしかない。
僕は、白の教団が憎らしく思えてきた。
憎い?
僕にそんな感情があったんだ。
そして、僕の中から影が現れた。
そう、白の教団を壊せ、と。
そこで、僕から現れた影が、牢屋を破壊した。
そこで、理解した。
僕は、亜熊を具現化できる。 だけど、亜熊を操る力はない。
だから、僕から出てきた亜熊は、僕の意思とは関係なく、白の教団の建物を破壊した。
大嫌いで、憎くて、僕を理解してくれない白の教団を抹殺するために。
亜熊は、白の教団が立ち向かっても、勝てないぐらいの強さだった。
みんな、負けてしまった。
「どうにかしてくれ」
と団長が言うけど、
「僕はどうすることもできない。
亜熊を操る力は、僕にはない」
団長も、亜熊に抹殺された。
そう、僕が全ての人を、白の教団を全滅させてしまった。
僕は児童養護施設に入れられ、学校でも噂になり、僕だけが生き残ったから犯人は僕じゃないかと疑われ、転校することになった。
僕は隣の県の児童養護施設に入り、転校することになった。
「今日から、転校生を紹介します。夕期気合君だよ」
「よろしくお願いします」
転校先では、雰囲気が違い、僕は新しい環境に馴染めるか心配だった。
僕を知っている人は誰もいないし、
その上、僕は亜熊を具現化できる。
僕の前、住んでいたところは田舎で、今は都会にいるから、人数が多い。
田舎では心霊スポットが多く、亜熊は活動しやすいけれど、都会となると活動しにくいし、亜熊よりも人間の方が強かったりする。
僕は、表面上だけ、愛想よくすることにした。
スポーツ刈りまで短かった髪は、なるべく伸ばすようにして、ただのショートヘア―となる。
僕も、自分を変えよう。
一人称を、俺にしよう。
俺の方が、気合が入る感じがする。
短パンから、長ズボンにした。
転校生というのもあって、いろいろな人から話かけられた。
「気合って、かっこいい」
しまいには、転校して二日ぐらいで、二人ぐらいの女子に告白されたけれど、
「よく知らないので」
としか、返事ができなかった。
牧ちゃんという女の子とも、仲良くなった。
牧ちゃんはかわいかった。
理科ちゃんとも、仲良くなった。
お人形さんみたいで、かわいかった。
実は、転校して二日で告白してきたのは、牧ちゃんと理科ちゃんだった。
なんとなく、楽しかった。
そう、隣のクラスに、試合という弟がいるとも知らずに。
試合に会ったんだ。
「もしかして、兄ちゃん?」
「もしかして、試合?」




