第1話
僕は、しゅい。
小さな勇者に守護しているのか、されているのかよくわからない水属性だ。
小さな勇者というのは、幼女のことだ。
別名は、ちびっ子勇者だ。
名前は、育ちゃんとバンビーノだけど、俺はどちかというと、育ちゃんを担当している。
育ちゃんとバンビーノはみつごの姉妹らしいけど、もう一人の行方は知らない。
うちのギルドにいないということは、もうすでに死んでいるか、別のギルドに預けられているか、実の両親のところに育てられているか、敵サイドに誘拐されているか。
確率的に高いのは、生存していないという方だ。
みつごということは、12、3歳の幼女というわけだし、一人で生き残るすべを身に着けているとは考えにくい。
そして、俺は二人の神様に守護されている。
それが、水の天罰の神様と、雷の天罰の神様のことだ。
水の天罰の神様の名前は、ワッサー。
雷の天罰の神様の名前は、テュネー。
臆病だけど、プライドが高い男の神様で、ワッサーからの天罰を受けると、泣くことができなくなるらしい。
あいつは、泣くこと大嫌いだからな。
身長160センチの女の神様で、テュネーからの天罰を受けると、怒ることができなくなるらしい。
こいつは、怒られることにすごく弱いせいもあるだろう。
そして、女装をしたくなるとか、身長をコントロールできるとか。
黄色の瞳と、プラチナブロンドのミディアムくらいの髪を持つ。
ピンクは好きではないみたいだ。
一人称は「あたし」のなのです口調。
僕は守護されているだけであって、天罰は受けてはいない。
二人の神様に導かれるまま、俺は三人の天罰を受けた者を探した。
どうやってか、無の天罰の神様の天罰を受けたラストリーと、鉄の天罰の神様の天罰を受けたユウヅキと、鋼の天罰の神様の天罰を受けたカルキを僕は、見つけることができた。
そのまま、この三人は僕たちのギルドに入ることになった。
無の天罰を受けると、人々からは透明人間と同じような扱いで、誰もラストリーの存在を認識できない。
無というのは、何もないということを意味する。
というか、ラストリーという存在がなかったこととなり、同じ天罰を受けている者同士か、天罰の神様の守護を受けている者しか、見えない。
となると、ラストリーの存在を認識できるのは、ギルド内では俺と、鉄の天罰を受けているユウヅキと、鋼の天罰を受けているカルキと、炎の天罰を受けているユルトと、氷の天罰を受けているりとぐらいだ。
ユウヅキは鉄を武器にして戦えるみたいだし、カルキは鋼を武器にできる。
鉄と鋼が当たると、かなり痛いことは想像できる。